夜櫻に輝く君を想う。

13話

昨日は、ほんとに楽しかった。
久しぶりに、和樹と面と向かって話すことが出来た。

そして、和樹と別れて俺は公園へ向かった。
周りは日も沈んで、真っ暗だった。

「櫻乃さん。」

夜も遅いし、声を張ることも出来ない。

「大翔くん。？」
「櫻乃さん。」

見えた。
彼女の姿が見えた。！
ずっと、待っていた。待ち望んでいた。
たった数日会えなかっただけなのに、この数日がすごく長く感じた。
それだけ、彼女の事を考えていたんだ。
自覚はしている。
彼女のためにどんなことでも出来る。
バカかもしれないけど、それだけかの

「よかった。」
「大翔くん。約束守ってくれてありがとう。」
「ううん。ほんとに見えてよかった。」

やっと見えた。
だから、自分の気持ちを伝えないと。

「櫻乃さん。」
「ん？」
「俺、櫻乃さんの事が好きです。こんな気持ち初めてで、櫻乃さんの事が好きなんです。だから、俺と付き合ってください。」
「本当？」
「ここで嘘言わないよ。」
「やった。私も大翔くんの事が好きです。よろしくお願いします。」

ありがとう。
櫻乃さん。

俺の初恋の人は櫻乃さん。
初めて付き合った人が、初恋の人なんて恵まれてるな。俺。
でも、大好きで大切にしたい人と付き合うことができるって凄いことだと思う。
だから、俺は幸せ者だ。

自分で言うのもおかしいかもしれないけど。

「櫻乃さん。写真撮らない？記念に」
「うん！いいよ。あ、じゃあ美月って呼んで？」
「み、美月。」
「じゃ、撮ろ！」
「うん。はいちーず。」

スマホの中には、彼女との写真。
俺は、彼女とか出来たことがないからどんなことが普通か分からないけれど、幸せだった。