心の扉を開いたら

𝕞𝕚𝕫𝕦𝕜𝕚

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プロローグ

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夏休みが明け、暑さも和らいだ頃。
みんなは、夏休みの余韻が残ってるのか、浮かれ気分だった。

でも、私はそんな場合じゃない。
皆の中では、楽しい出来事かもしれない。
でも、私にとっては高校生活を1番狂わせた出来事。
それは、高校1年生の文化祭だった。

私の学校は中高一貫校で、高校1年の今は喋るグループも固まっていた。
私は、言えば勝ち組。

自分で言うのもなんだが、クラスの一軍の立場に立ちつつ、実行委員などの仕事もする。
全ては、大学のため。
実行委員などしておけば、推薦が取れる。
そしたら、医師の夢に近づける。

「山居。また、1人だぜ」
「逆に誰かと居るとこ見たことないんだけど笑」
「いや、一緒に居るやつとか頭おかしすぎだろ」
「言えてる笑」
「近づいたら、呪われるぞ」
「わーっ。怖っ」

また、男子共が言う。

私の学校には幽霊部員ならぬ、幽霊生徒がいる。
名前は、山居北斗。
高校が始まってすぐ、転校してきた。
転校理由など、誰も知ろうとしない。
転校生として、クラス全員が期待をしていたが真逆。
いわゆるイケメン俺様アイドル男子ではなく、陰キャ感が強くメガネで呪うかのような喋り方の男子。
常に本を読み、下を向いてる。
その日から、ずっとみんなは彼の事を避け“ 呪われる ”
と言い続ける。

私も、喋ろうとは思わない。
ってか、出来ることなら卒業まで喋りたくないぐらいだ。

だって、実際に彼と喋った男子が、その日の放課後階段から足を踏み外して、骨折をしたという、話がある。
だから、余計話したくない。
私だけじゃない、誰もが思うことだ。

なのに。。。

「じゃ、如月と山居で、決定ということで。」
「よろしく!」

押し付けあいの末、男子の文化祭実行委員は彼になった。

「よっしゃっ」
「でも、如月可哀想じゃね。山居と一緒とか」
「それな。俺が山居の変わりやってやりたくなるわ」
「あっ!やるの??笑」
「やるかよ笑」

男子が話す声が、遠くから聞こえてくる。
そんな言うならお前がやれや!
その言葉が、声に出そうになったのを必死に抑える。

私は、いつものように立候補。
でも、いつもの如く男子はしたがらない。
だから、彼になった。
最悪だ。
これから2週間一緒なんて。
    
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