心の扉を開いたら

𝕞𝕚𝕫𝕦𝕜𝕚

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当日

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髪をセットした北斗は、いつもの北斗とは違った。
私の手におわせれば!って言いたいけど、元が良すぎる。
この姿を見て、誰も北斗って信じないって。

北斗が教室を出ると、続々とみんなが登校してきた。

「よし、いよいよだね!」
「そうだねー!」
「存分に楽しも!」
「うん!」

クラスのみんなが、そう口々に言う。

「あれ、夏希。幽霊は?」
「あ、えっとーっていうか、幽霊呼びやめれば?」
「だって、圧倒的地味キャラじゃん」
「そうだけど笑」

そう話しているのは、夢菜。
ずっと、実行委員の仕事してたから久しぶりだなーちゃんと夢菜と話すの。

「で?」
「あー。今、トイレ行ってて」
「あーね。夏希に仕事押し付けてたら、ぶん殴ってやろうって思ったけど」
「ちょちょっと待って!それは無い笑」
「でしょうねー。あいつは夏希になんて逆らえないよ」
「そうかなー」

あーやばいやばい!
つい、ムキになってしまった。
バレないように…
いや、バレてもいいんだけどね。

その時だった。

ガラガラッ

教室のドアが開き、北斗が入ってきた。
北斗は、ずっと下を向いたまま私のところに来た。
みんなはまだ気づいてないみたい。

「ガチ恥ずいんだけど」
「何?今更」
「だって。」
北斗が、私に話しかけてきた。
その時、隣にいた夢菜は誰か気づいてないようだ。

「夏希、えっとー親戚?その人」

親戚!?そう来たか!

「いや、違うよ。」
「えーじゃあ誰?」
「えっと、、山居北斗だよ」

「えっーー!!」

クラス全員が叫んだ。
盗み聞きは良くないぞーー笑。

「ちょっと待って、頭が追いつかないんだが。え?山居って幽霊の?」
「うん。」
「如月さん、ほんとに言ってる?」
「なんで嘘つかないといけないの?笑」

「いやいや、ないでしょ」

そうクラスのみんなはザワついた。
その時、北斗が口を開いた。

「なんか、急に驚かせてごめん。夏希が勝手にしたから気にしないで。」

「えっ。今夏希って呼んだ!?え、二人付き合ってんの!?」

おーーい!
サラッとばらすな。

「うん。」
「おめでとう。夏希」
「ありがとう。夢菜」
「でも、本当に山居なの?こんなイケメンじゃなかったじゃん」
「本人いますけど笑。」
「あ、」
「私の手にかかれば✌️」
「元が無いとこんなならないって」
「バレたか笑」

その日、北斗は学校で1番有名になって、ずっと誰かと喋っていた。
まあ、私は少し離れてしまったような気がして、寂しかったけど、皆が受け入れてくれてよかった。

みんな信じたから、私の勝ちだね。
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