超絶面食いな彼に片思いしてます

ひのきよ

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最終

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正直言うと、期待してた。
もしかしたらって、ほんの少しだけでも希望があるんじゃないかって期待してた。
僕って馬鹿だ。
本当に馬鹿だ。
蘭くんに釣り合うわけないのに.....。
今すぐこの場から逃げ出したい。そう思った瞬間ぐっと引き寄せられ僕の顔は蘭くんの服に埋まった。

『......え。』

「えーと、言い方が悪かった。今はまだ駄目。」

「....ぐす.....っ...。」

今は?
まだ駄目?どういうことだろう。何も理解できず無言で蘭くんの胸元に顔を埋める。
蘭くんの匂い.....。

「俺の事をこんなに好きって言ってくれてるのに中途半端で付き合うのは流石に失礼だろ?
だから、ちゃんとお前のこと好きにならせてよ。」

「.....僕の事、嫌いじゃないの?」

「嫌いになんかなってないよ。ていうか、多分今まで以上に結構ドキドキしてんだぞ?」

そう言って少し赤くなる蘭くんに僕もドキドキし始める。蘭くんが僕なんかを相手にドキドキしてくれてる。
付き合うを前提で考えてくれる蘭くんの優しさにまた好きの気持ちが上がった。

「夏月の気持ちを無駄にしたくない。
だから今度は俺から告白させてよ。」

「っ....うん!」

今度はぎゅっと抱きしめられ、僕も蘭くんの背中に腕を回す。蘭くんにバレないように胸に顔を埋めては肩を震わせて涙を流す。
これは嬉し涙だ。
2人しかいない教室には、綺麗なオレンジ色が窓から注がれている。
学生生活で1番幸せだと思える最高の日だった。









後日、昨日の件について伊代には蘭くんがしっかりと謝っていて伊代も気にしていない様子だった。。そして僕はと言うと、少しずつ蘭くんに話しかけるようになって蘭くんからも僕に話しかけてくれるようになった。
ちなみに僕は蘭くんに好きバレしていたらしいが敢えてそれに対して何か言ったり行動を起こしたりはしなかったそうだ。次第に蘭くんも僕の事が気になっていたみたいで、ストーカー行為も嫌ではなく寧ろ少し面白がっていたそうだ。僕自身は絶対にバレていないと思っていたが.....。
まだ付き合っている関係では無いのでこれから沢山蘭くんにアピールをして僕のことを好きになってもらいたい。
辛い思い、悲しい思いをしてきたけど蘭くんに気持ちを伝えられてよかった。
蘭くんが可愛いって言ってくれるようにもっともっと頑張ろう。
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