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第25節 ~黄泉の門~
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一蹴りでゴーレムが崩れ落ちた。
俺は思ったより呆気ない結果に少し驚く。
もう少し粘ってくれるものだと思っていた。
ニーナに怪我がない事を確認するとゴーレムの残骸をこっそりバックパックに丸ごと収納し、ニーナを連れて今回の本命へと向かう。
不倒の『黄泉の門番』
“門番”と言う事は何かの門・・・すなわち入り口を守っているという事だ。
今回で言えば“黄泉”の門を守る門番な訳だが、門と呼べるようなものは周囲に見当たらなかった。
と言う事は、この洞窟がその“門”なのだろう。
後ろから追いかけてくるニーナを連れて俺は洞窟の中へと足を踏み入れた。
「ニーナ、何か聞こえる?」
「風の音だけ」
それなら問題はないな。
俺は近くにあった太目な木の枝を折り、バックパックの中からボロボロな布きれを取り出すとそれを先端に巻きつけて油を染み込ませる。
火をつけれる物が無いかバックパックを漁るとちょうどいいものを見つけた。
炎魔法の巻物《インフェルノ》
炎魔法と言うからには松明に火を付けるぐらい造作もないだろう。
巻物を開いて松明の先端へと向ける。
「《インフェルノ》」
魔法を唱えるのと同時に巻物が燃え上がった。
ゴウッと言う音と共に《インフェルノ》が解放され、松明に火が付く。
よし、松明には問題なく火が付いたようだ。
ただ、少しだけ威力が強かったようで―――
「ご主人」
「何かな、ニーナ」
「熱い」
「奇遇だ。俺も熱い」
―――周囲の森が燃え上がってしまった。
「ご主人」
「ん?何?」
「もう1つ」
「もう1つ?」
「その巻物」
「これがどうした?」
「上級魔法の巻物」
「え、そうなの?勿体なかったかな」
「1つで金貨100枚くらい」
金貨100枚分のマッチ・・・マッチ売りの少女もビックリの逸品だった。
悔やんでいても仕方ないので、涙目になりながら金貨200枚の松明の明かりを頼りに洞窟の中を進む。
内部の作りを見る限り、天然の洞窟ではなく人口の洞窟であることがわかる。
何だかピラミッドに潜り込んでいるような気分だ。
「何かある」
ニーナの言う通り洞窟の奥に何か箱のような物が見えてきた。
近づくにつれその形がはっきりと分かるようになる。
「棺」
「なるほど。黄泉の入り口、ね」
最奥部と思われる場所に細かい彫刻の施された棺が1つ鎮座していた。
見ただけで身分の高い人間の棺であることがわかる。
全ての棺の中央にエンブレムの様なマークが彫ってあるのを見る限り、どこかの王族だったのかもしれない。
「お墓」
「そうだな。お宝だな」
「え?」
「あれ?」
モノの見方は人によって違うものだ。
俺とニーナの棺を見る目も少し違ったらしい。
「だめ」
「ははは、何がダメなのかな?」
「お墓荒らしちゃ」
「そんな事俺がするはずないだろ」
そう言いながら俺は棺の蓋の部分に手をかける。
「だめ」
「大丈夫、荒らさないから。少し中の物をいただくだけだから」
「怒る」
「ごめんなさい」
くっ、ニーナの説得は中々難しそうだ。
しかし、目の前にお宝が転がっているのも事実。
どうしようか俺が頭を悩ませていると、棺と俺の間に体を割り込ませるようにしてニーナが腕を引っ張ってきた。
「帰る」
「え、でも・・・」
「帰る」
「・・・はい」
何だろう、ニーナの純粋な目にまっすぐと見つめられると、俺がとても醜い人間に思えてくる。
心が荒んでいる証拠だろうか。
グイグイと引っ張られながら元来た道を引き返す。
「レベル」
俺を引っ張りながらニーナが口を開いた。
レベル?もしかしてさっきの戦闘でレベルアップした報告をしたいんだろうか。
「レベル上がったのか」
「ん」
小さくコクンと頷いたので間違いない様だ。
何Lvになったのかは後で任務を終わらせてから『ステータス』を使って確認しよう。
「よし、じゃあお祝いに美味しい夕飯でも食べながら、俺の色んなスキルをニーナに教えてあげちゃおっかな!そうだな、色々あるからどれにしよっかなぁ。韋駄天はさっき見せたし、隠密とかなら安全で分かりやすいかもしれないな。それか――――――」
俺は一度だけ後ろを盗み見る。
だいたい10mぐらいかな?
「――――――『異次元のバックパック』とかもいいかもしれないなぁ」
ぴこん!バックパックの中に以下の物が追加されました。
・王家の棺:1つ
・カウウェル・ダレス・キャトルの遺骨:1体
・ダレス王家の指輪:1つ
・ダレス王家の鎧:1式
・ダレス王家の王剣:1本
・金の受皿
・金の盃
・ダレス金貨:253枚
・ダレス銀貨:1489枚
・ダレス銅貨:3458枚
よし、任務完了だ。
俺は思ったより呆気ない結果に少し驚く。
もう少し粘ってくれるものだと思っていた。
ニーナに怪我がない事を確認するとゴーレムの残骸をこっそりバックパックに丸ごと収納し、ニーナを連れて今回の本命へと向かう。
不倒の『黄泉の門番』
“門番”と言う事は何かの門・・・すなわち入り口を守っているという事だ。
今回で言えば“黄泉”の門を守る門番な訳だが、門と呼べるようなものは周囲に見当たらなかった。
と言う事は、この洞窟がその“門”なのだろう。
後ろから追いかけてくるニーナを連れて俺は洞窟の中へと足を踏み入れた。
「ニーナ、何か聞こえる?」
「風の音だけ」
それなら問題はないな。
俺は近くにあった太目な木の枝を折り、バックパックの中からボロボロな布きれを取り出すとそれを先端に巻きつけて油を染み込ませる。
火をつけれる物が無いかバックパックを漁るとちょうどいいものを見つけた。
炎魔法の巻物《インフェルノ》
炎魔法と言うからには松明に火を付けるぐらい造作もないだろう。
巻物を開いて松明の先端へと向ける。
「《インフェルノ》」
魔法を唱えるのと同時に巻物が燃え上がった。
ゴウッと言う音と共に《インフェルノ》が解放され、松明に火が付く。
よし、松明には問題なく火が付いたようだ。
ただ、少しだけ威力が強かったようで―――
「ご主人」
「何かな、ニーナ」
「熱い」
「奇遇だ。俺も熱い」
―――周囲の森が燃え上がってしまった。
「ご主人」
「ん?何?」
「もう1つ」
「もう1つ?」
「その巻物」
「これがどうした?」
「上級魔法の巻物」
「え、そうなの?勿体なかったかな」
「1つで金貨100枚くらい」
金貨100枚分のマッチ・・・マッチ売りの少女もビックリの逸品だった。
悔やんでいても仕方ないので、涙目になりながら金貨200枚の松明の明かりを頼りに洞窟の中を進む。
内部の作りを見る限り、天然の洞窟ではなく人口の洞窟であることがわかる。
何だかピラミッドに潜り込んでいるような気分だ。
「何かある」
ニーナの言う通り洞窟の奥に何か箱のような物が見えてきた。
近づくにつれその形がはっきりと分かるようになる。
「棺」
「なるほど。黄泉の入り口、ね」
最奥部と思われる場所に細かい彫刻の施された棺が1つ鎮座していた。
見ただけで身分の高い人間の棺であることがわかる。
全ての棺の中央にエンブレムの様なマークが彫ってあるのを見る限り、どこかの王族だったのかもしれない。
「お墓」
「そうだな。お宝だな」
「え?」
「あれ?」
モノの見方は人によって違うものだ。
俺とニーナの棺を見る目も少し違ったらしい。
「だめ」
「ははは、何がダメなのかな?」
「お墓荒らしちゃ」
「そんな事俺がするはずないだろ」
そう言いながら俺は棺の蓋の部分に手をかける。
「だめ」
「大丈夫、荒らさないから。少し中の物をいただくだけだから」
「怒る」
「ごめんなさい」
くっ、ニーナの説得は中々難しそうだ。
しかし、目の前にお宝が転がっているのも事実。
どうしようか俺が頭を悩ませていると、棺と俺の間に体を割り込ませるようにしてニーナが腕を引っ張ってきた。
「帰る」
「え、でも・・・」
「帰る」
「・・・はい」
何だろう、ニーナの純粋な目にまっすぐと見つめられると、俺がとても醜い人間に思えてくる。
心が荒んでいる証拠だろうか。
グイグイと引っ張られながら元来た道を引き返す。
「レベル」
俺を引っ張りながらニーナが口を開いた。
レベル?もしかしてさっきの戦闘でレベルアップした報告をしたいんだろうか。
「レベル上がったのか」
「ん」
小さくコクンと頷いたので間違いない様だ。
何Lvになったのかは後で任務を終わらせてから『ステータス』を使って確認しよう。
「よし、じゃあお祝いに美味しい夕飯でも食べながら、俺の色んなスキルをニーナに教えてあげちゃおっかな!そうだな、色々あるからどれにしよっかなぁ。韋駄天はさっき見せたし、隠密とかなら安全で分かりやすいかもしれないな。それか――――――」
俺は一度だけ後ろを盗み見る。
だいたい10mぐらいかな?
「――――――『異次元のバックパック』とかもいいかもしれないなぁ」
ぴこん!バックパックの中に以下の物が追加されました。
・王家の棺:1つ
・カウウェル・ダレス・キャトルの遺骨:1体
・ダレス王家の指輪:1つ
・ダレス王家の鎧:1式
・ダレス王家の王剣:1本
・金の受皿
・金の盃
・ダレス金貨:253枚
・ダレス銀貨:1489枚
・ダレス銅貨:3458枚
よし、任務完了だ。
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