ラブドールはディルドの淫夢を見るか

タニアンコ

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棺からこんにちは

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「ピンポーーーーーーン」
ビクッとして布団から出る。とうとう今日か。扉を開けると40代程の女性配達員が立っている。「中谷さんでお間違いないですね」寝癖でボサボサ髪の僕にもこの人は笑顔で話してくれる。「ちょっと大きいので中に置いちゃいますね」と玄関にいそいそと入ってくる。今目の前で荷物を開けたらどんな顔をするだろう。

腰の調子が悪いので居間まで段ボールを引きずる。真ん中に貼られたテープにハサミをいれパカっと開ける。思っていたよりリアルだ。パッと見は本物の人間と変わらない。ビニールに包まれたその子との初対面は、棺に入ったあの人との別れを思い出してしまい少し嫌な感じがした。なにはともあれ
「こんにちは レイチェル」
早速袋を破き、段ボールが散らばったまま行為を始める。もちろん説明書なんて読まない。普段からこの行動力があれば、何かを成し遂げる大人物になれたかもしれない。
まずは抱きしめて鼻をくんくんと。シリコン特有のこの匂いはむしろ安心する。
初めてのキスを激しめにしてみる。レイチェルはなんだか恥ずかしそうに見える。
馬乗りになり胸を揉みしだく。本物を触った覚えなど無いのに「本物みたいじゃん」と声に出す。
両腕を抑えてもう一度唇に舌を入れる。既に自分の汁がダラダラと出始めたのが分かる。
照準を合わせてゆっくりと、優しく、入れる。潤滑油は自分の汁だけなので摩擦を感じる。レイチェルは少し痛そう。僕も痛い。
数回腰をふり滑らかに動くようになる。柔らかいひだが絡む。
「ウッ」思わず声が漏れる。
「アッ」レイチェルからも掠れる声が聞こえる。
気づくとコンクリートを固める工事現場の機械のようにバンバンバンバンと突いている。湿布を貼っている腰とは思えないくらいの激しさ。
「ハァッハアッハァッハアッ」
脳が弾け、溶岩が流れるように股間が熱を帯びる。
「アッアッアァッ」
レイチェルは顔面が歪むほど恍惚の表情を浮かべ喘いでいる。
「ウゥッ」
火山が噴火する。自分がミイラになってしまうほどの量の精液が一気に吐き出される。
「ヤァァァァン」
レイチェルはジャングルの部族みたいな甲高い声で叫ぶ。

一気に熱が冷めていく。身体から煙がでている。視界が開く。落ち着きを取り戻す。レイチェルを見る。
上を向いていたレイチェルが顔をこちらに向けて言った。
「気持ちよかった???」
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