ゴミ掃除は復讐と共に

めると

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プロローグ

さよなら退屈

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ゴミは嫌いだ。

この物語にヒロインなんて要らない。
家族も友人も不必要。
俺、神藤司(シンドウ ツカサ)はそう決意したのだった。あの日にーー。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
退屈な世界、退屈な生活。
ツカサはそんな事を思いながら授業を受ける。
と言っても高3の授業なんて、受験で出てきそうな問題を解くだけだ。ツカサは人並みな知能は持ってる為する意味はあまり無い。
このままの成績でも行きたい大学には受かるだろうと思っていたのだった。


だが結果的には受からない。
いや、受験を受けられないと言った方が正しいのだろうか。
退屈な神藤司の毎日は今日、終わりを迎えるのだからーーー。








美しく光る青い髪、全てを見通してそうな濃い碧眼の少女がツカサに向けて言葉を放つ。

「突然ですが、あなたは死にました」

何を言っているのかとツカサはその少女を見つめる。だが理解できない。

「はい?」

間抜けそうな声が喉から出たためツカサ自身も驚いている。

「言った通りです。貴方は地球という星で交通事故に遭い、お亡くなりにーー」

「待て、俺が死んだ?何を馬鹿なことを...。大体今こうやってお前と話してる俺がいるだろ」

やや口調が焦る。無理もないだろう。
初対面の少女に死んでいる、と言われているのだから。

「お前とは失礼なお方ですね。...確かに貴方は話せています、ですがそれはここが保留場だからですよ」

「保留場?」

「ええ。死んだ人間の魂は天国か地獄に、その人間の人生により定められております。ですが生前、善と悪のプラマイが0の貴方のような方は保留場と呼ばれる場所に転移させるのです」

「プラマイ0?つまり天国にも地獄にも行けないってことか?ふざけるな、こんな退屈な所に入るくらいならお前を殴って地獄に落ちた方がマシだ」

「良いんですよ、私を殴っても。ですが貴方が想像している地獄よりも もっと。もっともっと過酷で酷く辛い場所なんですけどね。そこで私から提案があります。貴方を異世界に転生させたいと思うのです」

「...異世界?」

謎の少女は続ける。

「はい、異世界です。そこは人間と魔族、もっと言えば人類と魔王の争いがある世界です。
今は魔王の力が衰え平和な世界となっています。魔法や剣での戦い、争い等も多くあり 貴方の言う退屈はそこには有りません」

「へぇ、退屈しないなんて嘘臭いけど此処にいるよりは良いな。おい。早く俺を異世界に連れて行け」

少女は呆れた表情を見せると、生意気な少年に言う。

「あのですね、私は女神アリフィス。そんな生意気な態度を取るようなら転送しませんよ?」

意地悪そうな顔を見せる女神アリフィス。
クスッと笑ったと思うと急に表情が変わる。

「まぁでも良いですよ。許してあげます、何せ貴方は可哀想なのですから」

「可哀想?ま、どうでもいい。早くしろ女神」

「アリフィスですっ」

「おい転送...」

「アリフィスですっ」

「...アリフィス、転送してくれ」

謎の敗北感に包まれているツカサに女神アリフィスは笑顔を見せる。その笑顔は美しく、気高く、そして悲しみを含んでいる様に見えた。

「...では、頑張ってくださいね。私は貴方を応援しています」

そう女神アリフィスが言うと突如白い光にツカサは覆われた。

「...あぁ、可哀想に..」
そう小さく呟くアリフィスの声を、ツカサは聴き漏らさなかった。
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