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第1章
掃除しようか!
しおりを挟む「久しぶりですね、ツカサ。いえ、ユリファス」
可愛らしい少女の声が響く。何処かで聞いたことがあるようなその声がーー。
「女神アリフィスか?って事は死んだのか俺」
「残念ながら死んでませんよ。魔力切れの影響です」
ホッと息を吐くユリファス。当然だろう。
まだしたい事が残っているのだから。
“復讐”が。
「そうか、早く意識を戻してくれ」
「いいのですが、1つ悲しいお知らせです。貴方はこのままだと地獄に堕ちますよ?」
「...はい?」
女神アリフィスに再び阿呆らしい声を出す。
「ですから、貴方は善ではなく悪なのですよ」
「待て、俺はゴミを掃除しているだけだろ?」
「確かにあの世界での悪人殺しは善でしょう。ですが貴方の殺した奴隷の中に2人、善の心を持った人間がいたのですよ?」
絶句だった。言葉が出ない。
「それにですね。貴方が殺した奴隷の見張りらしき人ですが、一人は見張りであっています。ですが二人目は自分の娘を探しに来た善人だったんですよ」
...やってしまった。俺は善人を3人も殺したのに、その殺す快感で満たされていたわけかと思うユリファス。
「俺も十分ゴミだな。父と母、いや。ベルモスとルーシアを殺した後地獄に堕ちてやるさ。だからあの世界で俺の意識を戻してくれ」
「戻しますよ。それとアドバイス、と言えば聞こえは良いですけど教えてあげます。プラマイ0、もしくはプラスにする事は出来ますよ。地獄に堕ちる事は無くなります」
「良い行動をしろってか。そんな事で償えるはずないと思うが、罪滅ぼしに救える命は救ってやるさ」
「頑張ってくださいね」
そう言いながら笑顔を見せるアリフィス。
そして光に包まれ意識が戻って行く。
「...もう朝日が出たな。よし、ゴミ掃除しようか!」
あの狂気にいたユリファスはいない。
しっかりとした目で世界を見て、考えているのだ。『ゴミ掃除と人助け』そう、ゴミ掃除は復讐と共に。
ユリファスは歩き出す。
教会に行く馬車の中で見た景色を思い出しつつ、あの屋敷へ。
“復讐”の時は近い。
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