上 下
78 / 349
砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

64【異動編13】訓練一日目:飴ちゃん入荷しました

しおりを挟む
【パラディン大佐隊・執務室】

パラディン
「エリゴール中佐、お帰りー!」

エリゴール
「……ただいま戻りました。てっきりもう帰られているとばかり思っていましたが……残業ですか?」

パラディン
「うん。今から帰るとこ。駐車場まで送って。飴あげるから」

エリゴール
「別に飴はくださらなくてもお供はいたしますが……せっかくなのでいただきます。ありがとうございます」

パラディン
「君、私の飴、ちゃんと舐めてる?」

エリゴール
「舐めていますよ。ただ大佐殿の前で舐めていないだけです」

パラディン
「どうして?」

エリゴール
「上官の前で口をもごもごさせているのは大変失礼かと」

パラディン
「もう、つれないくせに真面目なんだから。あ、帰る前にトイレ済ませていくからちょっと待ってて」

エリゴール
「はい」

モルトヴァン
「エリゴール中佐、お疲れ様です。元ウェーバー大佐隊はいかがですか?」

エリゴール
「新鮮で懐かしいです」

モルトヴァン
「は……?」

エリゴール
「ところで、なぜこんな時間まで残業していたんですか? 大佐殿は残業はお嫌いだったはずでは?」

モルトヴァン
「すみません……大佐がどうしても、エリゴール中佐の無事を確認してからでないと帰れないと……」

エリゴール
「コクマーの近所で訓練していただけですが」

モルトヴァン
「そうなんですが……察してください……」

エリゴール
「……溜まっていた仕事は片づきましたか?」

モルトヴァン
「おかげさまで。でも、察する方向が私が意図していたのと違います……」

パラディン
「エリゴール中佐! おまたせー! ところで、お腹空いてない? このまま一緒に食事でも……」

エリゴール
「自分は明日の準備がありますので。それに、食事はもう済ませました」

パラディン
「……そう。じゃあ、追加で飴あげる」

エリゴール
「ありがとうございます。大変助かります」
しおりを挟む

処理中です...