寂しいからそばにいて(仮)【『無冠の皇帝』スピンオフ】

有喜多亜里

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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

84【合流編03】全班長会議プラス1

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【パラディン大佐隊・ミーティング室】

 ロノウェとザボエスが入室。
 他のメンバーは、すでに全員着席している。

七班長・カットナー
「あっ、レラージュ副長がいない!」

十一班長・ロノウェ
「うわ、何だ! びっくりした!」

エリゴール
「だからさっき、班長しか呼んでないって言っただろうが」

七班長・カットナー
「でも、フィリップス副長はいつも同席してるから、十一班長ももしかしたらと……」

エリゴール
「一班長はいろいろあって弱ってるから、フィリップス副長の介添えが必要なんだよ」

ハワード以外の元ウェーバー大佐隊の班長たち
「あ、なるほどー」

一班長・ハワード
「反論はしないが、全員で納得するな」

十一班長・ロノウェ
「よう、エリゴール。直接会うのは三日ぶりか? ところで、うちのレラージュがどうかしたか?」

エリゴール
「いや、気にするな。今のこいつらにはまだ早すぎる」

七班長・カットナー
「早すぎるって何が!?」

六班長・ラムレイ
「その言い方だと、いつかはレラージュ副長も出席してくれるってことですか!?」

十一班長・ロノウェ
「……うちのレラージュは、こっちにも知られてるのか」

十二班長・ザボエス
「目立つからな。中身はともかく」

エリゴール
「とにかく、おまえらも席に着け。左回りに班号の若い順だ」

十一班長・ロノウェ
「つーことは、俺らは最後の二席か。……おう、十班長。昨日はどうもな」

十班長・ヒールド
「いえ、こちらこそ……」

エリゴール
「これで十二人、全員そろったな。自己紹介は初顔合わせのときにしただろうから省略する。では、本題に入る前に九班長。大佐に〝魚〟が認められたから、約束の〝飴ちゃん〟四個だ。今から投げるからちゃんと受け取れ」

九班長・ビショップ
「え、あれが認められたんですか? というか、やっぱり投げ渡すんですか?」

エリゴール
「貴重だから取りそこねるなよ?」

 エリゴール、今回はストレートでビショップに投げつける。しかし、相変わらずコントロールはいい。

九班長・ビショップ
「うわあ! ……あ、ありがとうございます……」

八班長・ブロック
「今度から、キャッチャーミットが必要になりそうだな」

十一班長・ロノウェ
「……いったい何が起こってるんだ……?」

十二班長・ザボエス
「さあ……とりあえずはっきりわかるのは、異動わずか四日目にして、エリゴールがもう元ウェーバー大佐隊を仕切りまくってるってことだけだ」

十一班長・ロノウェ
「恐るべき支配能力……」

十二班長・ザボエス
「そういや、俺らは初日から仕切られてたわ」

十一班長・ロノウェ
「あいつは脅迫ネタも豊富に持ってるからな……」

十二班長・ザボエス
「おまえは脅迫された口か」

十一班長・ロノウェ
「おまえは?」

十二班長・ザボエス
「あいつに仕切らせちまったほうが楽だと思った口だ」

十一班長・ロノウェ
「そういう奴だよな、おまえはよ。……ところで十班長」

十班長・ヒールド
「は、はい? 何でしょう?」

十一班長・ロノウェ
「エリゴールが今投げた、あの〝飴ちゃん〟っていうのはいったい何なんだ?」

十班長・ヒールド
「え、知らないんですか? 元四班長が大佐からもらっていた飴だそうですよ」

十一班長・ロノウェ
「は?」

十班長・ヒールド
「何でも、大佐はいつもあんな飴を持ち歩いていて、気が向くと元四班長にもくれていたそうです。元四班長は今までそれを非常食がわりに溜めこんでいたとか」

十一班長・ロノウェ
「そんな話、今まで聞いたことねえぞ……」

十班長・ヒールド
「え、じゃあ、あれは嘘?」

エリゴール
「失敬な。それはほんとだよ。ただ、おまえらには話さなかったし、やらなかっただけだ」

十一班長・ロノウェ
「何でだよ?」

エリゴール
「下手に話したら妬まれるだろうが。……結局、親衛隊にはいられなくなったけどな……」

十班長・ヒールド
「あ、そういえば、元四班長は……」

九班長・ビショップ
「じゃあ、二人のうちのどちらかが、新しい〝親衛隊長〟……?」

十一班長・ロノウェ
「何か……全部ぶっちゃけたくなってきたな……」

十二班長・ザボエス
「俺も同感だが、たぶん、奴らは俺らよりエリゴールの言うことを信じる」

十一班長・ロノウェ
「やっぱり、言うしかないか」

十二班長・ザボエス
「茶番だが、エリゴールの今のあれは前フリだ」

十一班長・ロノウェ
「畜生……何て恐ろしい男だ……」

十二班長・ザボエス
「だから俺は絶対敵には回さねえ」

十一班長・ロノウェ
「仕方ねえ。……エリゴール、俺らが悪かった」

エリゴール
「何が?」

十一班長・ロノウェ
「こん畜生……ヴァッサゴの口車に乗った俺らが馬鹿だった。あいつはもう俺らで大人しくさせたから、十一班に戻ってきてくれ」

七班長・カットナー
「十一班長が元四班長に謝ってる!」

八班長・ブロック
「ヴァッサゴって?」

七班長・カットナー
「たぶん、元四班長を親衛隊から追い出したっていう元マクスウェル大佐隊員だろ。……俺はまったく知らないけど」

八班長・ブロック
「おまえが知らないんなら、美形ではなさそうだが……よっぽど口がうまかったんだな」

エリゴール
「ヴァッサゴか……根はいい奴だから、適当なところで勘弁してやれよ。でも、俺はもう十一班には戻らない」

十一班長・ロノウェ
「エリゴール……」

エリゴール
「大佐に直談判して異動させてもらったのに、今さら戻るわけにはいかないだろ? 班は変わっても同じパラディン大佐隊だ。やることは変わらない。……大佐守って〝全艦殲滅〟して、全員生きて基地に帰る」

一班長・ハワード
「……確かにな。そういや同じ隊だ。いつもついつい忘れちまいそうになるが」

フィリップス
「〝親衛隊〟って別称がいけないのかな」

一班長・ハワード
「でも、区別は必要だろ。やれることは違うんだから」

八班長・ブロック
「はいっ! 元四班長っ!」

エリゴール
「何だ? えーと……八班長?」

十一班長・ロノウェ
「え、俺?」

十二班長・ザボエス
「おまえはもう十一班長だろ」

八班長・ブロック
「俺、思ったんですけど、〝親衛隊〟と〝元ウェーバー大佐隊〟じゃなくて、〝護衛隊〟と〝砲撃隊〟でいいんじゃないでしょうか? 単純に、乗ってる軍艦ふねが〝護衛艦〟と〝砲撃艦〟だから」

一班長・ハワード
「本当に単純だが、言われてみればもっともだ」

フィリップス
「〝元ウェーバー大佐隊〟に代わる名称、前から欲しかったんだよな」

エリゴール
「……〝無旋回〟」

八班長・ブロック
「は、はい?」

エリゴール
「おまえの提案、採用だ! 〝飴ちゃん〟一個やるから、ちゃんと受け取れ!」

八班長・ブロック
「ありがとうございます! でも俺、八班長です!」

七班長・カットナー
「元四班長には〝無旋回〟で覚えられてるんだな……」

九班長・ビショップ
「今度から俺たちもそう呼ぶか」

 ***

七班長・カットナー
「……おまえ、何メモってるんだよ?」

八班長・ブロック
「え、〝飴ちゃん〟ゲット数ランキング」

九班長・ビショップ
「会議中に何やってんだよ……」

八班長・ブロック
「いや、何かすごく気になって」

七班長・カットナー
「ちなみに、ランキングはどうなってる?」

八班長・ブロック
「とりあえず、〝飴ちゃん〟もらった班だけ番号順に言うと、一班二個、五班一個、六班十一個、七班一個、うち二個、九班八個だ」

七班長・カットナー
「九班の八個も多いけど、やっぱり六班の十一個が突出してるな……」

九班長・ビショップ
「あの映像十個がでかかった」

八班長・ブロック
「逆に、一個ももらえてない班は、二班、三班、四班、十班」

九班長・ビショップ
「……〝飴ちゃん〟もらえてないのは、十班も三班も同じなんだな」

七班長・カットナー
「ものすごく意外」
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