寂しいからそばにいて(仮)【『無冠の皇帝』スピンオフ】

有喜多亜里

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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

263【挨拶回りの前後編15】臨時三班長の出向

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【パラディン大佐隊・第一班第一号待機室】

 エリゴールが入室。
 室内にいた全員の視線が集中する。

ハワード・フィリップス
「元四班長!」

エリゴール
「どうした、血相変えて。また何かあったのか?」

フィリップス
「何かあったのかって、ありすぎだろ! 臨時の三班長って何なんだよ! 聞いてないぞ!」

エリゴール
「そりゃそうだ。三班長が大佐に退役届出して退室した後、成り行きで決まったことだからな」

フィリップス
「成り行き……」

ハワード
「いったいどういう成り行きだ……」

エリゴール
「とりあえず、次の三班長は、明日の訓練の結果を見て決めることになっている。たぶん、明後日には俺は臨時の三班長じゃなくなってるはずだ」

フィリップス
「臨時じゃなくて、本当に三班長になっている可能性は……?」

エリゴール
「あるわけないだろ。班長はもうこりごりだよ」

ハワード
「絶対、大佐代行のほうが大変だと思うんだがな……」

フィリップス
「いざというときの責任は大佐に全部負わせられるから、班長時代よりも今のほうが実は気楽なんじゃない?」

ハワード
「そうか! そうだったのか!」

エリゴール
「まあ、否定はしないが、それほど気楽でもない」

フィリップス
「あー……いつもご迷惑をおかけしております……」

ハワード
「今回のプライスの件も、結局、元四班長に丸投げしてしまったしな……」

エリゴール
「……元三班長から、何か連絡あったか?」

ハワード
「ああ、メールで謝罪文が送られてきたよ。すぐに電話をかけたがつながらなかった。……できるものなら、送別会くらいしたかったがな。プライスの場合は、されるほうが辛いだろう」

エリゴール
「そうだな。少なくとも、『連合』との戦争が終わるまでは」

フィリップス
「ひとまず、三班長の件は置いといて。……明日のこの訓練は何なんだ?」

エリゴール
「四班を〝留守番〟にするための訓練」

フィリップス
「滅茶苦茶はっきり」

ハワード
「しかし、それなら〝縦走り〟のタイム計測だけでよくないか? 〝移動しながら縦〟と〝開き〟と〝縦走り〟のフルコースって……うちが〝留守番〟になったらどうする!?」

エリゴール
「それならそれで」

ハワード・フィリップス
「元四班長!?」

エリゴール
「一班は大丈夫だろ。できれば一位になってもらいたいが、十一班と六班が必要以上に張り切りそうだからな。まあ、目的は四班を〝留守番〟にすることだから、それが達成できれば何位でもいい」

フィリップス
「でも、四班も〝留守番〟になりたくないから、必要以上に頑張っちゃうんじゃないかな……」

エリゴール
「遅くても〝縦走り〟はできてたが、〝移動しながら縦〟はできるようになったのか?」

フィリップス
「それを言ったら、うちと六班と〝護衛隊〟以外はできないんじゃ?」

エリゴール
「一応、三班もできるぞ。忘れるな」

フィリップス
「あ、臨時三班長! すんませんしたッ!」

エリゴール
「でもまあ、三班は今回も〝留守番〟だ。というか、下手に出撃されても困る」

ハワード
「ひどいな、臨時三班長」

エリゴール
「でも、四班だけには勝ちたいから、今から班内会議してくる」

ハワード・フィリップス
「は?」

エリゴール
「明日の朝はミーティングするんだよな?」

ハワード
「そうだな。時間的にやれそうだからやるな」

エリゴール
「じゃあ、明日のミーティングには、俺は三班長として参加する。補佐として副班長も出席させる」

ハワード・フィリップス
「ええ!?」

エリゴール
「それと、班長が内定するまで、俺は三班の第一号待機室にいるから。何かあったら携帯にかけてくれ。じゃあな」

フィリップス
「じゃあなって、元四班長! 所属は一班のままだよね!?」

エリゴール
「ああ。班長が内定したら、またこっちに戻ってくる」

ハワード
「もう、あの副班長でよくないか?」

エリゴール
「そしたら、今度は誰を副班長にするんだ?」

ハワード
「そうか、それがあったか」

フィリップス
「もしかして、それを決めるための臨時三班長?」

エリゴール
「隊員名簿見ただけじゃ決められないからな。じゃ、明日は〝留守番〟にならないように頑張れよ」

フィリップス
「うちは大丈夫だって言ったくせに!」

エリゴール
「油断は禁物」

 エリゴール、にやにやしながら退室。

フィリップス
「……おとっつぁん。元四班長、うちに戻ってくるつもりはあるみたいだよ」

ハワード
「よかった……それだけでもはっきりしてよかった……」

フィリップス
「しかし、今から班内会議って。……三班、嬉しさのあまり、どうにかなっちゃうんじゃないか?」

ハワード
「……リアルに想像つくな」

フィリップス
「実際、昨日見たからね。三班のエントランスで」
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