19 / 46
#019:壮絶だな!(あるいは、ララ=パルーデ/怪音ヒビカセ)
しおりを挟む
いきなりの戦闘雰囲気に、ううん、まだ10kmも進んでねえぞ……との先行き不安感を隠しようも無く佇む俺だが、諸々そんなこちらの都合を斟酌してくれるような面子ではないことは、先の長髪にて嫌というほど分からされていたはずなのに。
「……我が名はジウ=オー。『潤朱』のジウ=オー・キサミ/トロク」
名乗りから入る奴は大抵ろくなのがいねえとの相場だが、俺の約5mくらい前にふいに姿を現したその女は、年の頃なら三十路かその手前、正にの女ざかりといった風情で、くすんだ朱色の背中くらいまであろう髪を、何て言っていいか俺には分からんが、頭頂部でひとつにまとめて、その先を四方八方に垂らし巡らせている……髪型に関しては突飛この上なく、その下のこちらを挑発的にねめつけてくる顔も、明暗はっきり分かれ気味のがっつりメイクが施されていて非常に「顔力」高めな風貌であるものの、猫女が如く、諸々そぎ落とせば、ワイルドな感じのかなりの美人だ。
体脂肪率ひとケタくらいの細身長身の身体に身に着けているのは、何と言うか、革質感のぴったりとしたボディスーツ。前の奴もそうだったが、このイカれた色彩溢れた世界において、「漆黒」を思わせる色一色で服装をキメてんのが、こいつら「敵」と、そう認識してよさそうだなうん分かりやすいのは何よりだ……
「うるみしゅ」とか言ってんのは何だ? と唯一分かりにくかったところを傍らで佇む猫に質問してみるが。なぜなら相対している妙齢美女が、こちらの出方を窺って半身でワケ分からない微笑を湛えながら律儀に待ってくれているからでもあり。何だろう、こいつらはそういう段取りとかお約束を忠実に守ろうとしてくれるな……
と、ネコルが何事かを答えようとしたのを遮って、やけに張られた鋭くも艶のある、そして正体不明の自信に満ち溢れた、俺が苦手とするところの劇団ばりのいい声が、早朝の清々しい風が吹き渡るこの相変わらずの雄大感満載の草原に、残響を残しながら高らかと響き渡ったのであった……
「『潤朱』とはッ!! 最強を誇る我が軍勢の中でさらにの最上位に位置する者のみが名乗ること許される『魂』の『二つ名』……そう、我こそはサ=クカワァボ=クズミィ神直属の『匿染隊』がひとりッ!! 『S、SS』こと『S、Summer Stay』、朱き波濤の、ジウ=オーよぉぉぉぉッ!!」
いやな予感というものは、ここに飛ばされてから常に身体にまとわりつくようにして次第に馴染んでいたから不感になっていたが、やはりその諸々を盛ってくるやり方というのは、こいつらの流儀なのか、司る者の趣向なのか……黎明期のロボット翻訳で何回か転がしたかのような珍妙なる説明は、要はブッ倒さないと先には進めないと、そういうことなんだろう。聞いてしまった俺が浅はかだったぜ……
「……ちなみに先の水色長髪が『浅葱【水色】』、そして奴『潤朱【朱色】』の他には、『鉛白【白色】』『柿渋【茶色】』『麹塵【黄緑】』『滅紫【紫色】』『仙斎【灰色】』とぉッ!! 非常にシブい色合いの『七人衆』がお控えなのですにゃん♪」
そして味方側からもそんな胃もたれを起こしそうな説明が為されるのだが。何でこう……設定をさりげなく小出しにするということが出来ないかなここの住人たちは!! など、詮無い思考に囚われている場合では無かった。
「……『カードニック=スペース:異=波濤=舞』ッ!!」
一度進めると決めてからのそこからの流れるような展開には、もう何か手慣れた感がありありなわけで。黒い革に包まれた細い左手首らへんのさらに外側に巻かれていたこれまた黒い金属質感の「バングル」とやらを掲げると、その女の全身が、長髪の時と同様、黒く輝き出した。
例の「黒四角空間」だろ、とか警戒しつつもどこかそんな固定観念的な緩みのあった俺を襲ったのは、想定外の「場」であったわけで。
「!!」
いきなり足元が歪んだように見えた。と同時に俺の身体がそこへ沈み込むような感覚。「黒い立方体」がぐんぐんと膨らむようにしてその勢力範囲を広げる中、足首辺りまで埋まり込んでしまった俺は、先ほどまで確かにしっかりとした赤茶けた土剥き出しの「地面」であったそこが、凪いだ「海面」の如く、静かに、だが不気味に蠢くようにして揺れているのを視認していた。
「『沼』……みてえな感じになったが、これ……いやこれ諸々含みで何?」
自分の足元が沈み込むという、あまり普段知覚しない感覚に慄いて、迂闊にもそんな問いを発してしまう俺だが。
「『沼』とは言い得て妙だね……そうさ、この『異波濤舞』は『時間で沈む』ッ!! 制限のある中でのバトルが、さらに私の『ルール』を盤石にそして奔放にするのだ……ッ!!」
言い得て妙っていない気がしなくもないが、ジウ=オーと名乗りしその妙齢ワイルド美女は、やっぱり正気から半歩外れたかのような顔で己も地面にずぶずぶ沈み込んでいっている……そこに……意味は……あるのだろうか……
「……短期決戦。迷っている暇はありませんよ、銀閣さんっ」
傍らにいた猫はと言えば、「空間」が展開する前に、しれっと俺の頭の上に飛び移って前髪を物珍しそうに前肢でつついてきたりしていたのだが、その忠告は、言われるまでもねえ。
「ふっ……ネコル君、俺を、『ケレン味』だけの男と思っていたら大間違いだぜ……?」(ケレソミー↓)
そう、例え無敵であろうとも、自分の意思でどうともならねえようなワケ分かんねえ「能力」に頼ってばっかりじゃあ、俺の漢がすたるってもんよぉ……(ケレソミー↓)
「!! ……それはッ」
身に着けていた漆黒マントの懐から掴み出したるは、ひとつかみの紙束。そう、長髪より搾取しカードを全て売っ払っていたわけでは無かったのだよフフフフ……
「てめえらの『ルール』とやらに乗っかって、その上で叩きのめすっつぅのが……この俺の、異世界流儀ってやつだぜ……」(ケレソミー↓)
「……面白いな、よかろうッ!! 『初発開示《ディスクロージャー》』ッ!! 『精神属性《アトリビュート》』っ!!」
「三番勝負」の初戦の開始を宣言するジウ=オー。よし、俺の「手札」はこれだァッ!!
<天:闇シアン:5:『大破壊鉄球』>
どうよ、字面見るからに相当な攻撃力を持った得物だろうがよ……こいつを「顕現」して、お前を叩きのめすッ!! お互い足が埋まってるから、避ける躱すなんて芸当は出来そうもなさそうだぜ……?
不敵な笑みと共に、勝利を確信した俺であったが。
<海:光ブルー:6:『満潮』>
ぶっ、というような猫声が俺の頭上から聴こえた。
×天―海○
×闇シアン―光ブルー○
×5―6○
んん? 虚空に浮き出て来た薄緑色に発光する文字群は、そんな「勝敗」を告げて来ていた。んん? 負けか? 俺の?
「さ、三タテは流石にまずいですって!! ていうかやっぱケレン味以外ポンコツだこの人!!」
ネコルの切羽詰まった声に、俺はまだ的確な反応をカマす素地すらねえのだ↑が→。
「……我が名はジウ=オー。『潤朱』のジウ=オー・キサミ/トロク」
名乗りから入る奴は大抵ろくなのがいねえとの相場だが、俺の約5mくらい前にふいに姿を現したその女は、年の頃なら三十路かその手前、正にの女ざかりといった風情で、くすんだ朱色の背中くらいまであろう髪を、何て言っていいか俺には分からんが、頭頂部でひとつにまとめて、その先を四方八方に垂らし巡らせている……髪型に関しては突飛この上なく、その下のこちらを挑発的にねめつけてくる顔も、明暗はっきり分かれ気味のがっつりメイクが施されていて非常に「顔力」高めな風貌であるものの、猫女が如く、諸々そぎ落とせば、ワイルドな感じのかなりの美人だ。
体脂肪率ひとケタくらいの細身長身の身体に身に着けているのは、何と言うか、革質感のぴったりとしたボディスーツ。前の奴もそうだったが、このイカれた色彩溢れた世界において、「漆黒」を思わせる色一色で服装をキメてんのが、こいつら「敵」と、そう認識してよさそうだなうん分かりやすいのは何よりだ……
「うるみしゅ」とか言ってんのは何だ? と唯一分かりにくかったところを傍らで佇む猫に質問してみるが。なぜなら相対している妙齢美女が、こちらの出方を窺って半身でワケ分からない微笑を湛えながら律儀に待ってくれているからでもあり。何だろう、こいつらはそういう段取りとかお約束を忠実に守ろうとしてくれるな……
と、ネコルが何事かを答えようとしたのを遮って、やけに張られた鋭くも艶のある、そして正体不明の自信に満ち溢れた、俺が苦手とするところの劇団ばりのいい声が、早朝の清々しい風が吹き渡るこの相変わらずの雄大感満載の草原に、残響を残しながら高らかと響き渡ったのであった……
「『潤朱』とはッ!! 最強を誇る我が軍勢の中でさらにの最上位に位置する者のみが名乗ること許される『魂』の『二つ名』……そう、我こそはサ=クカワァボ=クズミィ神直属の『匿染隊』がひとりッ!! 『S、SS』こと『S、Summer Stay』、朱き波濤の、ジウ=オーよぉぉぉぉッ!!」
いやな予感というものは、ここに飛ばされてから常に身体にまとわりつくようにして次第に馴染んでいたから不感になっていたが、やはりその諸々を盛ってくるやり方というのは、こいつらの流儀なのか、司る者の趣向なのか……黎明期のロボット翻訳で何回か転がしたかのような珍妙なる説明は、要はブッ倒さないと先には進めないと、そういうことなんだろう。聞いてしまった俺が浅はかだったぜ……
「……ちなみに先の水色長髪が『浅葱【水色】』、そして奴『潤朱【朱色】』の他には、『鉛白【白色】』『柿渋【茶色】』『麹塵【黄緑】』『滅紫【紫色】』『仙斎【灰色】』とぉッ!! 非常にシブい色合いの『七人衆』がお控えなのですにゃん♪」
そして味方側からもそんな胃もたれを起こしそうな説明が為されるのだが。何でこう……設定をさりげなく小出しにするということが出来ないかなここの住人たちは!! など、詮無い思考に囚われている場合では無かった。
「……『カードニック=スペース:異=波濤=舞』ッ!!」
一度進めると決めてからのそこからの流れるような展開には、もう何か手慣れた感がありありなわけで。黒い革に包まれた細い左手首らへんのさらに外側に巻かれていたこれまた黒い金属質感の「バングル」とやらを掲げると、その女の全身が、長髪の時と同様、黒く輝き出した。
例の「黒四角空間」だろ、とか警戒しつつもどこかそんな固定観念的な緩みのあった俺を襲ったのは、想定外の「場」であったわけで。
「!!」
いきなり足元が歪んだように見えた。と同時に俺の身体がそこへ沈み込むような感覚。「黒い立方体」がぐんぐんと膨らむようにしてその勢力範囲を広げる中、足首辺りまで埋まり込んでしまった俺は、先ほどまで確かにしっかりとした赤茶けた土剥き出しの「地面」であったそこが、凪いだ「海面」の如く、静かに、だが不気味に蠢くようにして揺れているのを視認していた。
「『沼』……みてえな感じになったが、これ……いやこれ諸々含みで何?」
自分の足元が沈み込むという、あまり普段知覚しない感覚に慄いて、迂闊にもそんな問いを発してしまう俺だが。
「『沼』とは言い得て妙だね……そうさ、この『異波濤舞』は『時間で沈む』ッ!! 制限のある中でのバトルが、さらに私の『ルール』を盤石にそして奔放にするのだ……ッ!!」
言い得て妙っていない気がしなくもないが、ジウ=オーと名乗りしその妙齢ワイルド美女は、やっぱり正気から半歩外れたかのような顔で己も地面にずぶずぶ沈み込んでいっている……そこに……意味は……あるのだろうか……
「……短期決戦。迷っている暇はありませんよ、銀閣さんっ」
傍らにいた猫はと言えば、「空間」が展開する前に、しれっと俺の頭の上に飛び移って前髪を物珍しそうに前肢でつついてきたりしていたのだが、その忠告は、言われるまでもねえ。
「ふっ……ネコル君、俺を、『ケレン味』だけの男と思っていたら大間違いだぜ……?」(ケレソミー↓)
そう、例え無敵であろうとも、自分の意思でどうともならねえようなワケ分かんねえ「能力」に頼ってばっかりじゃあ、俺の漢がすたるってもんよぉ……(ケレソミー↓)
「!! ……それはッ」
身に着けていた漆黒マントの懐から掴み出したるは、ひとつかみの紙束。そう、長髪より搾取しカードを全て売っ払っていたわけでは無かったのだよフフフフ……
「てめえらの『ルール』とやらに乗っかって、その上で叩きのめすっつぅのが……この俺の、異世界流儀ってやつだぜ……」(ケレソミー↓)
「……面白いな、よかろうッ!! 『初発開示《ディスクロージャー》』ッ!! 『精神属性《アトリビュート》』っ!!」
「三番勝負」の初戦の開始を宣言するジウ=オー。よし、俺の「手札」はこれだァッ!!
<天:闇シアン:5:『大破壊鉄球』>
どうよ、字面見るからに相当な攻撃力を持った得物だろうがよ……こいつを「顕現」して、お前を叩きのめすッ!! お互い足が埋まってるから、避ける躱すなんて芸当は出来そうもなさそうだぜ……?
不敵な笑みと共に、勝利を確信した俺であったが。
<海:光ブルー:6:『満潮』>
ぶっ、というような猫声が俺の頭上から聴こえた。
×天―海○
×闇シアン―光ブルー○
×5―6○
んん? 虚空に浮き出て来た薄緑色に発光する文字群は、そんな「勝敗」を告げて来ていた。んん? 負けか? 俺の?
「さ、三タテは流石にまずいですって!! ていうかやっぱケレン味以外ポンコツだこの人!!」
ネコルの切羽詰まった声に、俺はまだ的確な反応をカマす素地すらねえのだ↑が→。
0
あなたにおすすめの小説
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
無属性魔法使いの下剋上~現代日本の知識を持つ魔導書と契約したら、俺だけが使える「科学魔法」で学園の英雄に成り上がりました~
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は今日から、俺の主(マスター)だ」――魔力を持たない“無能”と蔑まれる落ちこぼれ貴族、ユキナリ。彼が手にした一冊の古びた魔導書。そこに宿っていたのは、異世界日本の知識を持つ生意気な魂、カイだった!
「俺の知識とお前の魔力があれば、最強だって夢じゃない」
主従契約から始まる、二人の秘密の特訓。科学的知識で魔法の常識を覆し、落ちこぼれが天才たちに成り上がる! 無自覚に甘い主従関係と、胸がすくような下剋上劇が今、幕を開ける!
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。
日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。
両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日――
「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」
女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。
目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。
作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。
けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。
――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。
誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。
そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。
ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。
癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる