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魔導探偵事務所
探偵
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この世界に救いはない。
この世界にあるのは絶望と破滅だけだ。
だから貴女は生きなさい。
苦しみ呻きながら生きるのだ。
授業の終わりを告げるチャイムがなり、教師は足早に教室を出て行った。
生徒達は教科書を片付けると、ある者は一人で、ある者達は連れ立って去っていった。
生徒が皆出て行った教室で一人、ユラ・アオイはスマートフォンの画面を見つめて動かなかった。
今日はバイトの日で、何時もなら授業の終わるタイミングで上司から仕事の連絡があるのだ。
だが、今日に限ってはメールも電話も無かった。
何故だろうと考えながら、ユラは鞄から本を取り出した。
本のタイトルは「永遠なる夢」、ユラの好きなジェイコブ・スレンドの最新作だ。
この作家の作品はどれもバッドエンドで終わることで知られ、悲劇を好むコアなファンが多い。
ユラもまた、救いの無い物語に魅了された一人だった。
この新刊ではどんなバッドエンドに向かうのか、ユラはページをめくった。
時間が経ち、物語が佳境に差し掛かったところで、スマートフォンに着信が入った。
良いところだったのにと、少し残念に思いながら電話に出ると、ハスキーな声が聞こえてきた。
「アオイ君、連絡が遅くなってすまない。ちょっとワケありでね」「大丈夫です。で、今日の仕事は」
ワケありと聞いても特に興味は無かった。
それより今日の仕事の方が大事だとユラは思っていた。
「まあ慌てないで。悪いけど事務所に来てくれないか?今日の仕事もワケありなんだ」
「はあ、分かりました。すぐ向かいます」
「すまないね。じゃあ後で」
電話を切ると、本を鞄に入れて立ち上がった。
時計を確認すると、丁度夕方の四時だった。
ユラは小さくため息を吐くと、教室を後にした。
その事務所は駅から裏通りに歩いて十分ほどの雑居ビルにあった。
薄暗い階段を上がると、古い扉があった。
扉には「魔導探偵事務所」と書かれた看板が下がっていた。
扉を開けると、狭い部屋に古い家具、奥には小さい窓があった。
窓辺には人が立っていて、外の様子を見ながら電話をしていた。
ユラは邪魔をしないように静かに扉を閉じ、年季の入ったソファに腰を下ろした。
10分ほどで電話は終わり、窓辺にいた人物ーテンカ・ツクモがこちらを振り返った。
「わざわざすまないね。ちょっと依頼者と揉めちゃって」
「そうなんですか」
テンカは向かい側のソファに座ると、少し悩んだ顔で話し始めた。
「本当はこの依頼、バイトの君には荷が重いんじゃないかと思っているんだよ」
「そんなに大変なんですか?」
「うん。いつものペット探しとは全然違う、もっと大きな仕事なんだ」
「それってどんな依頼ですか?」
ユラが聞くと、テンカは難しい顔で言った。
「監禁された少女の救出だ」
この世界にあるのは絶望と破滅だけだ。
だから貴女は生きなさい。
苦しみ呻きながら生きるのだ。
授業の終わりを告げるチャイムがなり、教師は足早に教室を出て行った。
生徒達は教科書を片付けると、ある者は一人で、ある者達は連れ立って去っていった。
生徒が皆出て行った教室で一人、ユラ・アオイはスマートフォンの画面を見つめて動かなかった。
今日はバイトの日で、何時もなら授業の終わるタイミングで上司から仕事の連絡があるのだ。
だが、今日に限ってはメールも電話も無かった。
何故だろうと考えながら、ユラは鞄から本を取り出した。
本のタイトルは「永遠なる夢」、ユラの好きなジェイコブ・スレンドの最新作だ。
この作家の作品はどれもバッドエンドで終わることで知られ、悲劇を好むコアなファンが多い。
ユラもまた、救いの無い物語に魅了された一人だった。
この新刊ではどんなバッドエンドに向かうのか、ユラはページをめくった。
時間が経ち、物語が佳境に差し掛かったところで、スマートフォンに着信が入った。
良いところだったのにと、少し残念に思いながら電話に出ると、ハスキーな声が聞こえてきた。
「アオイ君、連絡が遅くなってすまない。ちょっとワケありでね」「大丈夫です。で、今日の仕事は」
ワケありと聞いても特に興味は無かった。
それより今日の仕事の方が大事だとユラは思っていた。
「まあ慌てないで。悪いけど事務所に来てくれないか?今日の仕事もワケありなんだ」
「はあ、分かりました。すぐ向かいます」
「すまないね。じゃあ後で」
電話を切ると、本を鞄に入れて立ち上がった。
時計を確認すると、丁度夕方の四時だった。
ユラは小さくため息を吐くと、教室を後にした。
その事務所は駅から裏通りに歩いて十分ほどの雑居ビルにあった。
薄暗い階段を上がると、古い扉があった。
扉には「魔導探偵事務所」と書かれた看板が下がっていた。
扉を開けると、狭い部屋に古い家具、奥には小さい窓があった。
窓辺には人が立っていて、外の様子を見ながら電話をしていた。
ユラは邪魔をしないように静かに扉を閉じ、年季の入ったソファに腰を下ろした。
10分ほどで電話は終わり、窓辺にいた人物ーテンカ・ツクモがこちらを振り返った。
「わざわざすまないね。ちょっと依頼者と揉めちゃって」
「そうなんですか」
テンカは向かい側のソファに座ると、少し悩んだ顔で話し始めた。
「本当はこの依頼、バイトの君には荷が重いんじゃないかと思っているんだよ」
「そんなに大変なんですか?」
「うん。いつものペット探しとは全然違う、もっと大きな仕事なんだ」
「それってどんな依頼ですか?」
ユラが聞くと、テンカは難しい顔で言った。
「監禁された少女の救出だ」
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