電子魔術の夜-タブレットマギウス-

十五

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魔導探偵事務所

捜査

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「大人しくしやがれ!」

 大柄の男に抑え込まれ、ユラは身動きが出来ない状態になった。
 なんとか逃げ出そうと必死にもがいたが、男は益々強い力でユラを拘束した。

「お前、うちの組長について調べてるな?そうだろう?」

 もう一人の男がユラび問いかける。

「なんで、知ってる…の…」
「うちの組の情報網を舐めるんじゃねえ。お前の事務所に電話がかかってきた事くらいもう知ってるんだよ」
「そうそう、だから大人しく俺たちに従うんだ」

 男達は怪しい笑みを浮かべると、ユラに優しい声で話しかけた。

「この件から黙って手を引けば身の安全は保証する。お前の上司も、事務所にも手を出さない。良い条件だろう?」
「…なんで」
「ああ?」

 ユラを抑えている手の力が少しだけ緩んだ。
 その隙をユラは逃さなかった。
 ユラは少しだけ自由になった手でタブレットを操作した。
 テンカに教わった通りに操作し、画面に魔法陣を描いた。
 すると、強い風が巻き起こり、男達は布切れの様に宙を舞った。
 ユラが使ったのは初歩の風魔法だった。
 この魔法は小さな竜巻を起こすもので、使い方によっては今の様に大人でも浮き上がらせる威力がある。
 ユラは同時に地魔法で自分の体を地面に固定し、風に耐えた。
 竜巻が小さくなると、男達の体は地面に叩きつけられた。
 うう、と呻く男達に、ユラは続けて束縛魔法をかけた。

「クソッ!このガキが!調子に乗ってんじゃねえぞ!」

 悪態を吐く男達に、ユラは静かに話しかけた。

「なんでうちの事務所に電話があったのを知っているの?」
「なんでって…それはうちの情報網で…」
「じゃあなんで私が調査しているのを知っているの?私はついさっき事件のことを聞いたばかりなのに、情報伝達が早すぎる」

 男達は顔を見合わせて笑った。

「お前、何にも知らないのか。へえ…」
「それはどういう意味?」
「おっとそいつはお前の上司に聞くんだな」
「何ですって…!?」

 ユラが更に質問をしようとした時、大勢の男達が公園に入ってきた。
 ユラは諦めて浮遊魔法を使い、その場から逃げ去った。

 暗い。
 寒い。
 ここはどこ?
 動けない。
 大丈夫、あの人がこんな所からすぐ連れ出してくれる。
 絶対に。
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