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魔導探偵事務所
潜入
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陽が落ちて月が輝き始めた頃、ユラはその場所に向かった。
目的の場所、住宅街に建つ大きな屋敷が、レイジョウ家の本邸だった。
厳つい門は堅く閉ざされていた。
ユラは塀に沿って屋敷の周りを一周したが、見張りは特に見当たらなかった。
警備が薄いのは侵入するのに好都合だとユラが思った時、無線に連絡が入った。
事務所でサポートをしてくれるテンカからだった。
「アオイくん、屋敷には着いたかい?」
「はい。外周には人の姿はありません」
「そうか…警備が薄いのは少し気になるが…とりあえず中に入ろうか。正面からは流石に危険だから、裏口からにしよう。タブレットに不可視魔法の電書をインストールしておいたから発動させてくれ」
「分かりました」
ユラはタブレットを手順通りに起動すると、不可視魔法を発動させた。
この魔法は術者の姿が人の目に映らなくするもので、透明人間になったかの様になる効果がある。
しかし音を消すことは出来ないので、ユラは物音を立てないように注意しつつ裏口の門を開けた。
中庭を抜けて勝手口から屋敷に侵入すると、大勢の男が屋敷中におり、ユラは思わず声を上げそうになった。
相手には自分の姿は見えないと分かっていても、実際には見えているのではないかと緊張していた。
ユラはそっと歩いて男達の傍らを横切り、一つ一つ部屋を探索して回った。
広い屋敷には多くの部屋があったが、どの部屋にもモノカの手掛かりはなかった。
もう一度中庭に出ると、屋敷から少し離れた場所に小さな屋敷を見つけた。
ユラはその離れの扉を開けて中に侵入した。
離れには人の姿は無く、ユラは漸く一息つくと、無線でテンカに連絡した。
「所長、ユラです」
「屋敷の様子はどうだい?」
「本邸には特に手がかりは…今は離れにいます」
「そうか。確か離れにはモノカ嬢の私室があったはずだ。何かあるかもしれない」
「調査してみます」
「アオイくん、くれぐれも慎重に、だよ」
「はい」
ユラは無線を切ると、目の前の部屋の戸を開けた。
その部屋は恐らくモノカ・レイジョウの部屋であろうとユラは思った。
六畳程の広さの部屋は、ピンクのベッドや沢山のぬいぐるみ、レースであしらわれた窓など、いわゆる「可愛い」部屋であった。
ユラは部屋の中を物色した。
ぬいぐるみ一つ一つを入念に調べ、ベッドやカーペットも慎重に確かめた。
机に置かれたノートパソコンを起動させる。
パソコンには何通かのメールと画像ファイルがあったが、どのファイルにもロックがかかっていて見ることはできなかった。
パソコンにタブレットを接続すると、データをコピーした。
そして、事務所のパソコンにデータを送ると、もう一度部屋を確認してから外に出た。
無線を再び繋いでテンカに連絡する。
「所長」
「ユラくん、離れはどうだった?」
「特に何も。ノートパソコンにいくつかデータがありましたが、ロックが掛かっていて見れませんでした。データを転送したので解析お願いします」
「了解。データの解析が終わったら連絡する」
無線を切り、さてこれからどうしようかと考えていると、離れの横に小さな小屋があるのに気付いた。
周りに誰もいないのを確認すると、年季の入った戸を開けた。
強烈な匂いに鼻を塞いで懐中電灯で中を照らすと、そこには膨大な数の「何か」の肉片が積まれていた。
ユラは声も出せずにその場に立ち尽くした。
肉片には虫が集り、赤黒い血が床にこびりついていた。
ユラは震える手で無線を操ると、テンカの声が聞こえた。
「ユラくん、どうしたんだい?」
「所長…」
「ユラくん?」
「し…した…死体…が…」
「したい?大丈夫かい?もしもし!」
ユラは恐怖で後ろに後ずさりした。
その時、背後から何者かの手が伸び、彼女を捕まえた。
布が彼女の口に押し当てられ、ユラはゆっくりと意識を失った。
「ユラくん!」
テンカは何度も彼女の名を呼んだが、返事は無かった。
「一体何が…!」
ふとパソコンの画面に目を移すと、丁度データの解析が終了し、何枚かの画像が映し出された。
その画像を見てテンカは絶句した。
そして机を叩くと部屋を飛び出した。
パソコンに表示された画像、それはモノカ・レイジョウが人を肉片に変えていく凄惨な情景だった。
目的の場所、住宅街に建つ大きな屋敷が、レイジョウ家の本邸だった。
厳つい門は堅く閉ざされていた。
ユラは塀に沿って屋敷の周りを一周したが、見張りは特に見当たらなかった。
警備が薄いのは侵入するのに好都合だとユラが思った時、無線に連絡が入った。
事務所でサポートをしてくれるテンカからだった。
「アオイくん、屋敷には着いたかい?」
「はい。外周には人の姿はありません」
「そうか…警備が薄いのは少し気になるが…とりあえず中に入ろうか。正面からは流石に危険だから、裏口からにしよう。タブレットに不可視魔法の電書をインストールしておいたから発動させてくれ」
「分かりました」
ユラはタブレットを手順通りに起動すると、不可視魔法を発動させた。
この魔法は術者の姿が人の目に映らなくするもので、透明人間になったかの様になる効果がある。
しかし音を消すことは出来ないので、ユラは物音を立てないように注意しつつ裏口の門を開けた。
中庭を抜けて勝手口から屋敷に侵入すると、大勢の男が屋敷中におり、ユラは思わず声を上げそうになった。
相手には自分の姿は見えないと分かっていても、実際には見えているのではないかと緊張していた。
ユラはそっと歩いて男達の傍らを横切り、一つ一つ部屋を探索して回った。
広い屋敷には多くの部屋があったが、どの部屋にもモノカの手掛かりはなかった。
もう一度中庭に出ると、屋敷から少し離れた場所に小さな屋敷を見つけた。
ユラはその離れの扉を開けて中に侵入した。
離れには人の姿は無く、ユラは漸く一息つくと、無線でテンカに連絡した。
「所長、ユラです」
「屋敷の様子はどうだい?」
「本邸には特に手がかりは…今は離れにいます」
「そうか。確か離れにはモノカ嬢の私室があったはずだ。何かあるかもしれない」
「調査してみます」
「アオイくん、くれぐれも慎重に、だよ」
「はい」
ユラは無線を切ると、目の前の部屋の戸を開けた。
その部屋は恐らくモノカ・レイジョウの部屋であろうとユラは思った。
六畳程の広さの部屋は、ピンクのベッドや沢山のぬいぐるみ、レースであしらわれた窓など、いわゆる「可愛い」部屋であった。
ユラは部屋の中を物色した。
ぬいぐるみ一つ一つを入念に調べ、ベッドやカーペットも慎重に確かめた。
机に置かれたノートパソコンを起動させる。
パソコンには何通かのメールと画像ファイルがあったが、どのファイルにもロックがかかっていて見ることはできなかった。
パソコンにタブレットを接続すると、データをコピーした。
そして、事務所のパソコンにデータを送ると、もう一度部屋を確認してから外に出た。
無線を再び繋いでテンカに連絡する。
「所長」
「ユラくん、離れはどうだった?」
「特に何も。ノートパソコンにいくつかデータがありましたが、ロックが掛かっていて見れませんでした。データを転送したので解析お願いします」
「了解。データの解析が終わったら連絡する」
無線を切り、さてこれからどうしようかと考えていると、離れの横に小さな小屋があるのに気付いた。
周りに誰もいないのを確認すると、年季の入った戸を開けた。
強烈な匂いに鼻を塞いで懐中電灯で中を照らすと、そこには膨大な数の「何か」の肉片が積まれていた。
ユラは声も出せずにその場に立ち尽くした。
肉片には虫が集り、赤黒い血が床にこびりついていた。
ユラは震える手で無線を操ると、テンカの声が聞こえた。
「ユラくん、どうしたんだい?」
「所長…」
「ユラくん?」
「し…した…死体…が…」
「したい?大丈夫かい?もしもし!」
ユラは恐怖で後ろに後ずさりした。
その時、背後から何者かの手が伸び、彼女を捕まえた。
布が彼女の口に押し当てられ、ユラはゆっくりと意識を失った。
「ユラくん!」
テンカは何度も彼女の名を呼んだが、返事は無かった。
「一体何が…!」
ふとパソコンの画面に目を移すと、丁度データの解析が終了し、何枚かの画像が映し出された。
その画像を見てテンカは絶句した。
そして机を叩くと部屋を飛び出した。
パソコンに表示された画像、それはモノカ・レイジョウが人を肉片に変えていく凄惨な情景だった。
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