あなたととなりになるまでは

ROTOM

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わたし

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 五日前、病院から電話がかかってきていた。その電話の内容によると祖父の脈が弱くなっていて、もって一週間です、最後の挨拶をしておいてくださいとのことだった。
 母はなんとなく予感はしていたのだろうか、淡々とその連絡を受けている様子だった。
 明日向かいますと病院に伝えて電話を切った後も普段通りのようだった。
 家族で明日会いに行こうと計画を立てた。
 しかし、翌日、不幸にも母が熱を出してしまった。私たちには気づかせもしなかったが、母は相当ショックだったらしく、昨日から一睡もできなかったらしい。
 実は母の実家は九州にあり、関東に住んでいる私たちからすると、移動には結構な体力を使う。そのため母が万全の状態になってからの方がいいだろうという父の提案で、お見舞いは先送りになってしまった。今週の木曜に私の入学式があるためその週の土曜に行くという予定になった。

 あまりに突然のことで、母は開いた口が塞がらないようだった。寝る前に水を飲もうとキッチンに向かっていた父に私から状況を説明した。父はそのことを聞くなり、すぐに出る準備をしろと私に言った。そして思い出したようにこう付け足した。
「学校始まったばかりなのにすまんな」
 父はとても申し訳なさそうだった。
「大丈夫だよ、一日くらい。どうってことないよ」
 私は嘘をついた。
 普段の学校なら一日くらい休んだって、本当にどうってことないことかもしれない。だが、まだ新しいクラスになって間もない、二日目というのは、クラス内の自分の立ち位置の目安となったり、友達との距離を縮める絶好のタイミングなのだ。(あくまで自論だが)
 そんな神の二日目を逃すというのは、これからの学校生活を送る上でとてつもない障害になること間違いない。
 ましてや小学校でいじめられ、ただでさえ人間関係の作り方に不安を持っている私にとっては一等が当たった宝クジをなくすに等しい行為である。そう思っていたのだ。
 結局、私のその考えと祖父の死を天秤にかけたとき、大事なのは言うまでもなく祖父の死である。
 そして木曜日の二十二時頃、私たち家族は九州へ向かった。
 

 
 
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