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第1章 〜 運命 〜
襲撃
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あれから1年の月日がたち、彼らはヘヴンズロウから遠く離れた一軒家に住む事にした。
人間界に住むからと言って、あまり深く人間に関わるべきでは無い為、滅多に人が立ち入る事の無い森深くにあった家を改築し、そこに住んでいる。
だからと言って、彼らは自身の役目をやめた訳ではない。
毎日交代で見回りに行っている。
『じゃあ行って来る。
帰りに何か買って来た方がいいか?』
今日は闘鬼が見回りに行く番らしく、扉に手を掛けながら相方の龍鬼に聞く。
『いや、特に必要な物は無い』
奥の方で作業をしていた龍鬼は一旦その手を止め応える。
それを聞いた闘鬼は『了解』と短く返答し出て行く。
闘鬼が出たのを確認した龍鬼は、外から聞こえて来る楽しそうにはしゃぐ子供の声を聞きながら、作業を再開した。
外では多くの動物達と、その中に一人だけ人間であるあの時の幼子が一緒に遊んでいる。
その姿は、あの時とは比べ物にならないくらいに明るくなっていた。
『(明るくなったものだ。
此処に来たおかげもあるが、一番の理由はあの動物達だろう)』
そんな事を思いながら、ふと時計を見ると何時の間にかお昼を過ぎていた。
龍鬼達神は何も食べなくてもいいが、人間であるあの子供は、何かしら食べないと弱ってしまう。
その為、龍鬼や闘鬼は人間が食す物や、料理と言った物を、子供の為に準備する必要がある為、日々勉強中なのだった。
そして、昼食の準備が済んだ龍鬼は、外で遊ぶ子供を呼ぶ。
「リィオ。
昼食の時間だ」
すると、パタパタと急ぎ足で家に入って来た子供は手を洗い、椅子にきちんと座って「いただきます」と、手を合わせてからテーブルに用意された食事を口にする。
美味しそうに食べるそんな子供の姿を見ながら、今日もきちんと食べれる物が作れたと思うのだった。
一方その頃、闘鬼が何時もの様に見回りをしていると、観光客が大勢来ているらしく、いつも以上に国は賑わっていた。
しかし、その観光客の中から異様な気配が漂っているのを闘鬼は感じ取っていた。
『(...何だ?
この悍ましい気配は......
けど悍ましさに混じってるこの気配何処かで............)』
その気配を放っている人物を見付けようと、多くの観光客がいるそこを集中して観て探る。
だが龍鬼と違いこう言う事に長けていない闘鬼には見付ける事が出来ないでいた。
『(だぁあぁぁぁぁあぁ!!!!!
何でこんな時に限って俺なんだよ!!!
つくづくこう言う事に長けてない自分が嫌になるぜ!!)』
頭を掻き毟り、心の中でそう叫びながら諦めるのであった。
それから数時間、あの気配以外は異変はなく、そろそろ帰ろうと思った瞬間、左肩辺りに鋭い痛みが走った。
闘鬼は左肩を押さえ、何が起こったのか分からず、痛みに耐えながらキョロキョロと当たりを見渡す。
しかし、闘鬼を攻撃して来た筈の相手の姿は無く、今度は腹部に激痛が走り、その場に崩折れる。
『なん......だ...?!
一体...お.......れは...何........に........』
そう呟いた瞬間に最後と言わんばかりに、頭に衝撃が走り、闘鬼はその場に崩れ落ちたのだった。
ー 深夜 ー
何時もの時間になっても帰って来ない闘鬼が気になり、探しに行こうとしたのだが、今は眠っているリィオ1人を置いて行くわけには行かず、どうしようかと考えていた時、突然扉が乱暴に開かれ何かが倒れて来た。
リィオはその音に驚き飛び起きる。
龍鬼はリィオにその場から動かない様に言い聞かせ、その倒れて来た何かを警戒し確認する。
だがそれは体中ボロボロになった、痛々しい姿の闘鬼だった。
慌てて闘鬼に近付こうとした時、
『そい......つを連れて...此処か.....ら離...れ......ろ!!』
途切れ途切れになりながらも、大声で龍鬼に言う。
しかしそれも虚しく、闘鬼が言うよりも早くに、悍ましい気配を放つ何かが龍鬼の前に現れた。
その何かは龍鬼の後ろで怯え隠れているリィオの気配を察知し、そちらに向かおうとした。
だが龍鬼はいち早くにその事を察知し、それの行く手を結界を張って阻む。
結界に阻まれ、リィオの元へ行けなくなったそれは忌々しげに龍鬼を見る。
龍鬼はそれの姿は兎に角、気配を感じ取った瞬間に正体が解り、更に警戒を強めた。
リィオはいまだに状況が把握出来ずに、龍鬼の後ろでただただ怯えるしかなかった。
するといきなり何かの力が自身に目掛けて放たれたのを龍鬼はギリギリのところで結界で防ぐ。
今まで自分の攻撃を防がれた事がないのか、一瞬驚いた気配をさせたが、戦闘方法を変えたのか、持てる力を全て放出し吼えた。
その衝撃で龍鬼達の家と、周り1km程の木々は崩壊した。
リィオはそれが放出した力と声に更に恐怖し、泣き出してしまった。
『(くっ......!
このままだと更に被害が増す...
それにリィオをこのまま此処に居さすのはまずい......)』
龍鬼は相手を見据えたまま、どうするか考え、そして声に出さずに短く詠唱する。
すると相手は石像の様に固まり、動かなくなった。
それを確認した龍鬼は二人を抱え、その場から姿を消した。
あとに残ったのは、動かなくなっている敵と、周辺の木々諸共無残な姿となった家だけだった…
人間界に住むからと言って、あまり深く人間に関わるべきでは無い為、滅多に人が立ち入る事の無い森深くにあった家を改築し、そこに住んでいる。
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『いや、特に必要な物は無い』
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それを聞いた闘鬼は『了解』と短く返答し出て行く。
闘鬼が出たのを確認した龍鬼は、外から聞こえて来る楽しそうにはしゃぐ子供の声を聞きながら、作業を再開した。
外では多くの動物達と、その中に一人だけ人間であるあの時の幼子が一緒に遊んでいる。
その姿は、あの時とは比べ物にならないくらいに明るくなっていた。
『(明るくなったものだ。
此処に来たおかげもあるが、一番の理由はあの動物達だろう)』
そんな事を思いながら、ふと時計を見ると何時の間にかお昼を過ぎていた。
龍鬼達神は何も食べなくてもいいが、人間であるあの子供は、何かしら食べないと弱ってしまう。
その為、龍鬼や闘鬼は人間が食す物や、料理と言った物を、子供の為に準備する必要がある為、日々勉強中なのだった。
そして、昼食の準備が済んだ龍鬼は、外で遊ぶ子供を呼ぶ。
「リィオ。
昼食の時間だ」
すると、パタパタと急ぎ足で家に入って来た子供は手を洗い、椅子にきちんと座って「いただきます」と、手を合わせてからテーブルに用意された食事を口にする。
美味しそうに食べるそんな子供の姿を見ながら、今日もきちんと食べれる物が作れたと思うのだった。
一方その頃、闘鬼が何時もの様に見回りをしていると、観光客が大勢来ているらしく、いつも以上に国は賑わっていた。
しかし、その観光客の中から異様な気配が漂っているのを闘鬼は感じ取っていた。
『(...何だ?
この悍ましい気配は......
けど悍ましさに混じってるこの気配何処かで............)』
その気配を放っている人物を見付けようと、多くの観光客がいるそこを集中して観て探る。
だが龍鬼と違いこう言う事に長けていない闘鬼には見付ける事が出来ないでいた。
『(だぁあぁぁぁぁあぁ!!!!!
何でこんな時に限って俺なんだよ!!!
つくづくこう言う事に長けてない自分が嫌になるぜ!!)』
頭を掻き毟り、心の中でそう叫びながら諦めるのであった。
それから数時間、あの気配以外は異変はなく、そろそろ帰ろうと思った瞬間、左肩辺りに鋭い痛みが走った。
闘鬼は左肩を押さえ、何が起こったのか分からず、痛みに耐えながらキョロキョロと当たりを見渡す。
しかし、闘鬼を攻撃して来た筈の相手の姿は無く、今度は腹部に激痛が走り、その場に崩折れる。
『なん......だ...?!
一体...お.......れは...何........に........』
そう呟いた瞬間に最後と言わんばかりに、頭に衝撃が走り、闘鬼はその場に崩れ落ちたのだった。
ー 深夜 ー
何時もの時間になっても帰って来ない闘鬼が気になり、探しに行こうとしたのだが、今は眠っているリィオ1人を置いて行くわけには行かず、どうしようかと考えていた時、突然扉が乱暴に開かれ何かが倒れて来た。
リィオはその音に驚き飛び起きる。
龍鬼はリィオにその場から動かない様に言い聞かせ、その倒れて来た何かを警戒し確認する。
だがそれは体中ボロボロになった、痛々しい姿の闘鬼だった。
慌てて闘鬼に近付こうとした時、
『そい......つを連れて...此処か.....ら離...れ......ろ!!』
途切れ途切れになりながらも、大声で龍鬼に言う。
しかしそれも虚しく、闘鬼が言うよりも早くに、悍ましい気配を放つ何かが龍鬼の前に現れた。
その何かは龍鬼の後ろで怯え隠れているリィオの気配を察知し、そちらに向かおうとした。
だが龍鬼はいち早くにその事を察知し、それの行く手を結界を張って阻む。
結界に阻まれ、リィオの元へ行けなくなったそれは忌々しげに龍鬼を見る。
龍鬼はそれの姿は兎に角、気配を感じ取った瞬間に正体が解り、更に警戒を強めた。
リィオはいまだに状況が把握出来ずに、龍鬼の後ろでただただ怯えるしかなかった。
するといきなり何かの力が自身に目掛けて放たれたのを龍鬼はギリギリのところで結界で防ぐ。
今まで自分の攻撃を防がれた事がないのか、一瞬驚いた気配をさせたが、戦闘方法を変えたのか、持てる力を全て放出し吼えた。
その衝撃で龍鬼達の家と、周り1km程の木々は崩壊した。
リィオはそれが放出した力と声に更に恐怖し、泣き出してしまった。
『(くっ......!
このままだと更に被害が増す...
それにリィオをこのまま此処に居さすのはまずい......)』
龍鬼は相手を見据えたまま、どうするか考え、そして声に出さずに短く詠唱する。
すると相手は石像の様に固まり、動かなくなった。
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