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この世界の正体
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翌日、お互いの体をくっつけて眠ったからか、寒さは感じなかった。
俺に遠慮してその場を離れないなら気にする必要はないからなと言って、木の実を探しに向かった。
もっと奥に行こうと思ったら、後ろからずっとキュイキュイと鳴く声が聞こえる。
後ろを振り返ると、魔物が俺の後ろをくっついて来ていた。
温かい焚き火で待っていてもいいのに、義理堅い奴だな。
「おいで、一緒に探そう」
「きゅー」
魔物は小さく鳴いて、俺の足に絡みついていた。
腕までよじ登っていいって意味だったんだけど、足がいいなら良いか。
蹴飛ばさないように気を付けながら歩いて、木の実探しを再開した。
俺より、魔物の方が目がいいのか次々と木の実を見つけていた。
最初は俺も木の実を探していたが、今では魔物が見つけた木の実を拾う係になっていた。
気付いたら、両手に溢れんばかりの木の実を持っていた。
まだまだやる気の魔物だが、さすがに森中の木の実を根こそぎ取るわけにはいかない。
今日はこのくらいにして、焚き火のある方に戻った。
焚き火は寒さに耐えれず、小さくなっていた。
これじゃあ温かくないな、もう一回火を起こすか。
近くに置いていた2つの石を取ると、突然周りが温かくなった。
焚き火の残りがある方を見ると、俺が付けた火よりも大きな火が現れた。
なにが起きたか分からずびっくりして、魔物を抱えて離れる。
少しすると、魔物が小さくゲップをして火が出て来た。
「もしかして?」
「きゅー」
俺を見る顔は褒めてほしそうに輝かせていた。
それがラルトと重なって、俺はこの目に弱いんだよなと魔物の頭を撫でた。
ありがたいけど、火力が強いと大惨事になるから雪で少し火力を弱めた。
魔物と木の実を分けながら、一緒に食事をした。
魔物でも、誰かと食事をした事がなくてこんなに嬉しいものなんだなと思った。
前世でも誰かと食事は経験があるが、過去よりも今が大事だ。
迎えに来るその日までの短い時間だが、大切にしたい。
横にいる魔物を見ると、魔物もこちらを見つめていた。
「名前ないとな、さすがに魔物は…」
「きゅ、きゅー」
「きゅーちゃんか、可愛いな」
魔物の言葉が分からないからといって、ちょっと変かな。
魔物はさっきよりも鳴き始めて、俺の腕や足に絡みついてきた。
これって、気に入ってくれたって思っていいのかな。
もう一度「きゅーちゃん」と呼ぶと、さらに元気よく動き回っていた。
見た目では性別は分からないけど、どっちなんだ。
まぁ、どっちでもいっか…俺の初めて出来た友達なんだし。
懐いてくれているし、友達だって思ってもいいよな。
動き疲れたのか、きゅーちゃんは残りの木の実を食べていた。
「俺の名前はイルト・アクトリス、よろしくなきゅーちゃん」
「きゅ、きゅい!」
最近知った俺のフルネーム、珍しいよな…アクトリスなんて…
まるで漫画に出て来たベアトリス・アクトリスのようだ。
でもそれはヒロインの名前だし、ヒロインが身内とか聞いた事がない。
まだ見ぬ妹はいるけど、確かベアトリスも5人兄妹だけど…そんな偶然ないよな。
考えれば考えるほど悪い方向に向かっている。
俺がベアトリスの兄なら、完全に悪役じゃないか!
ベアトリスは幸せになるけど兄、兄ってどうなるんだっけ?
確か攻略キャラクターに兄のアルトがいたはずだ。
しかし、それ以外の兄は名前すら分からない。
大丈夫だ、落ち着け…俺は普通の家の普通の人間だ。
既に怪しい仕事をさせる親が普通なわけがない。
そうなると、きゅーちゃんが龍にも見えてきた。
いやいや、漫画でメインだった龍騎士は絶滅種だからもう1匹いるとは思えない。
それにあの龍騎士の元の姿は白銀の龍だった。
この子は真っ黒だ、どう見ても白銀ではない。
龍じゃないと言われたらそれまでだけど、俺は漫画の世界だなんて信じない。
あんな青春と程遠いキャラクターになんてなりたくない。
俺に遠慮してその場を離れないなら気にする必要はないからなと言って、木の実を探しに向かった。
もっと奥に行こうと思ったら、後ろからずっとキュイキュイと鳴く声が聞こえる。
後ろを振り返ると、魔物が俺の後ろをくっついて来ていた。
温かい焚き火で待っていてもいいのに、義理堅い奴だな。
「おいで、一緒に探そう」
「きゅー」
魔物は小さく鳴いて、俺の足に絡みついていた。
腕までよじ登っていいって意味だったんだけど、足がいいなら良いか。
蹴飛ばさないように気を付けながら歩いて、木の実探しを再開した。
俺より、魔物の方が目がいいのか次々と木の実を見つけていた。
最初は俺も木の実を探していたが、今では魔物が見つけた木の実を拾う係になっていた。
気付いたら、両手に溢れんばかりの木の実を持っていた。
まだまだやる気の魔物だが、さすがに森中の木の実を根こそぎ取るわけにはいかない。
今日はこのくらいにして、焚き火のある方に戻った。
焚き火は寒さに耐えれず、小さくなっていた。
これじゃあ温かくないな、もう一回火を起こすか。
近くに置いていた2つの石を取ると、突然周りが温かくなった。
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なにが起きたか分からずびっくりして、魔物を抱えて離れる。
少しすると、魔物が小さくゲップをして火が出て来た。
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「きゅー」
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それがラルトと重なって、俺はこの目に弱いんだよなと魔物の頭を撫でた。
ありがたいけど、火力が強いと大惨事になるから雪で少し火力を弱めた。
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魔物でも、誰かと食事をした事がなくてこんなに嬉しいものなんだなと思った。
前世でも誰かと食事は経験があるが、過去よりも今が大事だ。
迎えに来るその日までの短い時間だが、大切にしたい。
横にいる魔物を見ると、魔物もこちらを見つめていた。
「名前ないとな、さすがに魔物は…」
「きゅ、きゅー」
「きゅーちゃんか、可愛いな」
魔物の言葉が分からないからといって、ちょっと変かな。
魔物はさっきよりも鳴き始めて、俺の腕や足に絡みついてきた。
これって、気に入ってくれたって思っていいのかな。
もう一度「きゅーちゃん」と呼ぶと、さらに元気よく動き回っていた。
見た目では性別は分からないけど、どっちなんだ。
まぁ、どっちでもいっか…俺の初めて出来た友達なんだし。
懐いてくれているし、友達だって思ってもいいよな。
動き疲れたのか、きゅーちゃんは残りの木の実を食べていた。
「俺の名前はイルト・アクトリス、よろしくなきゅーちゃん」
「きゅ、きゅい!」
最近知った俺のフルネーム、珍しいよな…アクトリスなんて…
まるで漫画に出て来たベアトリス・アクトリスのようだ。
でもそれはヒロインの名前だし、ヒロインが身内とか聞いた事がない。
まだ見ぬ妹はいるけど、確かベアトリスも5人兄妹だけど…そんな偶然ないよな。
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俺がベアトリスの兄なら、完全に悪役じゃないか!
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確か攻略キャラクターに兄のアルトがいたはずだ。
しかし、それ以外の兄は名前すら分からない。
大丈夫だ、落ち着け…俺は普通の家の普通の人間だ。
既に怪しい仕事をさせる親が普通なわけがない。
そうなると、きゅーちゃんが龍にも見えてきた。
いやいや、漫画でメインだった龍騎士は絶滅種だからもう1匹いるとは思えない。
それにあの龍騎士の元の姿は白銀の龍だった。
この子は真っ黒だ、どう見ても白銀ではない。
龍じゃないと言われたらそれまでだけど、俺は漫画の世界だなんて信じない。
あんな青春と程遠いキャラクターになんてなりたくない。
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