悪役令嬢の長所はスタイルだけってあんまりですのよ!

神楽坂ゆい

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「それは……とても魅力的なお話です」

 

 レナータの申し出を受けたアメリアは、目を輝かせながら頷いた。学園の一角、静かな談話室で二人は向かい合っている。

「私の美容法をもっと多くの人に知ってもらいたいの。アメリア様にお力添えをお願いしたくて」

 

 レナータの言葉には一切の偽りが感じられない。アメリアはまっすぐに彼女の瞳を見つめ、そっと微笑む。

「私でお役に立てるのなら、ぜひ協力させてください。レナータ様のやり方は本当に素晴らしいと思いますし、私自身も学びたいんです」

 

 穏やかな口調だが、その意志は強い。アメリアもまた、レナータの潔白を証明するために何かしたいと思っていたのだ。

「ありがとう。アメリア様が味方だとわかれば、きっと周囲も“私があなたをいびっている”なんて嘘を信じなくなるはず」

 

 レナータはホッとしたような笑みを浮かべる。これほどまでに協力的な相手は初めてかもしれない。

「それに……私もレナータ様のことをもっと知りたいんです。自分を堂々と持っているところに憧れてしまいます」

 

 アメリアの正直な言葉に、レナータは頬を染める。悪役令嬢として囁かれた自分に、憧れという言葉を向けてくれる人がいたなんて、不思議な感覚だ。

「私、強くなんてないのよ。でも、あなたのおかげで少しずつ勇気が湧いてきたわ」

 

 二人は笑みを交わし合う。その姿は、どこからどう見ても“仲の良い令嬢”の光景であり、とてもいびり関係には見えない。

「それでは早速、学園の女子生徒を中心に美容講習会を開いてみませんか。私の名前も出していただいて大丈夫ですから」

 

 アメリアが提案すると、レナータは目を丸くする。公爵令嬢であるアメリアの協力は、噂を払拭するには絶好のチャンスだ。

「ありがとう。さっそく準備を進めましょう。私、マリアナと一緒に詳細をまとめるわ」

 

 喜びに満ちたレナータの声に、アメリアも嬉しそうにうなずく。こうして“悪役令嬢”と“ヒロイン”による前代未聞のコラボレーションが始まろうとしていた。

「レナータ様、私たちの行動でみんなが笑顔になれたら素敵ですね」

 

「ええ、そうなれば最高よ。さあ、忙しくなるわよ」

 

 二人は手を取り合い、微笑む。盗難疑惑や悪評を打ち砕くための共闘は、意外にも楽しく、新たな友情の芽吹きを予感させるものでもあった。
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