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第三章:檻の中の小鳥、その羽を毟りて
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フェラムはリュシアンの腕をつかみ無理やり立ち上がらせて、そのままベッドへと押し倒した。リュシアンの抵抗は微弱で、されるがままだった。引き裂かれる様に剝がされていく衣服、剥き出しになる白い肌。リュシアンの瞳からは涙がとめどなく溢れ落ちるが、それは最早、罪の意識からくるものではなかった。ただ、深い絶望と、この先の終わりなき隷属への恐怖だけが、彼の体を支配していた。
フェラムはリュシアンの首筋に顔を埋め、深く息を吸い込んだ。彼の体から香る汗と涙、そして微かに漂う血と薬物の匂い。それが、フェラムにとっては何よりも甘美な愛の証だった。鼻先でその肌を斗ドルとリュシアンは怯えたように震える。
「ああ、リュシー。あなたは、私だけのものです。私の檻の中で、一生鳴き続ける、美しい小鳥」
フェラムの舌がリュシアンの喉を這い、胸元を性急なしぐさで撫でまわされる。
リュシアンには性交の経験がほとんどない。若くして家督を継いだ時から、わいろや密売に手を染めてそれどころではなかったからだ。だが今、フェラムの手によってその花びらは散らされようとしていた。
フェラムは優しく、けれど断固とした意志を持ってリュシアンの身体を暴いていった。
主を意のままに操ることの喜びと人としての尊厳を踏みにじる捻じれた愛情。
フェラムはその酷薄な唇で愛を囁く。その愛は本物だったが、嘘にまみれたものでもあった。
主人の身体を裏返し、犬のように四つん這いに這わせる。背後から胸元を撫で上げ小さな乳首を愛撫し、ついには誰も触れたことのない花芯、尻の狭間の窄まりに指を這わせる。そこは固く閉じられて、他者の侵入を拒んでいる。
「フ、フェラム! そこ、そこは……頼むから」
震える声で涙をぼろぼろ流し、嚙み合わぬ奥歯をかみしめてリュシアンは懇願する。男も女も知らない身体。初めての相手により、散らされるのは恐ろしかった。
「いいえ、リュシー。こここそ、私に捧げてもらわなければ。貴方を支配し、愛するのは私だけだと分からせたいのです」
そう言うと、フェラムは何の準備もされていないそこに自分の男根を押し付けた。
「いやだ、いやだぁ!!」
「私の愛を受けとってくださいませ」
めりめりと肉を割く音が聞こえてくるような挿入だった。実際、リュシアンの底は切れて血がプツン…と滴り落ちる。一番太い仮首を飲み込ませて、フェラムがため息をつく。
「ああ、なんと甘美な。初めてとは思えない。吸い付くような感触だ」
そう言うと、一気にその灼熱の肉棒を叩きつける。リュシアンは悲鳴を上げて、がくがくと震えだす。
「ヒィ……っ!! やめて、やめてくれ……お願いだよ。フェラム」
「ああ、その悲鳴さえも愛しい。私のプティー・ワゾー。貴方を完全に私のものにいたします」
肌を焼くような熱がリュシアンの全身を駆け巡る。リュシアンは、もう声を出すこともできなかった。ただシーツを握り締めて律動を始めるフェラムに貫かれる。背後からの容赦のない突き上げでリュシアンの肘は折れて、シーツに額をつけて腰を他格上げる雌猫のポーズになる。その中心へフェラムが雄の証を突き入れる。繰り返される暴力的な凌辱はリュシアンの瞳から光を奪った。
「いや、いやぁァああああ゛!!! 助けて、お母さま! お父さま!」
ついに決壊したようにリュシアンが悲鳴を上げる。幼子のように両親を求めて泣く様子をフェラムは満足げに見やる。
「ええ、今はその名を呼ぶのを許しましょう。けれど、覚えておきなさい。貴方が最後に呼ぶのは私の名だ」
「いやだぁ! フェラム!! フェラム!」
彼の叫びは、フェラムの深い愛のなかに、そして閉ざされた寝室の分厚い壁のなかに、吸い込まれて消えていった。
第四章:檻の中の小鳥―毒蛇の接吻と絞殺の愛─
そして、郁也も過ぎただろう。あれから毎晩のようにフェラムは主であるリュシアンを抱いていた。もののように、あるいはしつけが必要なペットのように。その愛と執着はリュシアンを凍り付かせた。
逃げられない。逃げられない逃げられないにげられない!!
昼も夜も、眠っている間さえフェラムの視線からは逃れられない。気が狂いそうになるほどの束縛。
その夜もリュシアンは屈辱的な体位で床に転ばされ、フェラムによる支配を受けていた。真上から杭を打つように肉棒を打ち込まれる。暴力的な性交でも、リュシアンの身体は快感を拾えるようになっていた。
絶頂が近づいたその時、フェラムの瞳に、これまでにないほど昏く、鋭い狂気が宿った。
彼は、もがくリュシアンの身体を正面から抱きしめると、その長い両手をリュシアンの細い首にかけた。
「う、あ……っ!」
リュシアンの細い喉が、フェラムの掌の下で押し潰される。酸素を求めるリュシアンの紫の瞳が大きく見開かれ、視線が宙を泳ぐ。
フェラムは、苦痛に歪むリュシアンの美しい顔を、至近距離で見つめ続けた。リュシアンが苦しめば苦しむほど、その首にかける力は強まり、フェラムの腰の動きは激しさを増していく。
死の淵に立たされる恐怖と、脳に突き抜けるような凄絶な快楽が、リュシアンの中で混濁し、爆発した。
「ああ、リュシー様! 私と一緒に…、奈落の底に堕ちましょう!」
フェラムは、リュシアンの首を全力で絞め上げながら、獣のような咆哮と共に自らの欲望を主の深奥へと叩き込んだ。
リュシアンの意識が白濁し、痙攣した身体がベッドに沈み込む。
果てた後の静寂の中で、フェラムはまだ意識の戻らぬリュシアンの喉に、愛おしそうに何度も口づけを落とした。その首に残った赤い指の痕は、フェラムがこの小鳥に与えた、一生消えることのない真実の首輪だった。
その夜、ローゼンベルグ家の寝室では、金貨の擦れる音と、男の喘ぎ、そしてただひたすらに、深い絶望の嗚咽だけが響き渡っていた。リュシアンは、自分の心が完全にフェラムのものとなり、自分が人間という存在から遠ざかっていくのを感じていた。
フェラムはリュシアンの首筋に顔を埋め、深く息を吸い込んだ。彼の体から香る汗と涙、そして微かに漂う血と薬物の匂い。それが、フェラムにとっては何よりも甘美な愛の証だった。鼻先でその肌を斗ドルとリュシアンは怯えたように震える。
「ああ、リュシー。あなたは、私だけのものです。私の檻の中で、一生鳴き続ける、美しい小鳥」
フェラムの舌がリュシアンの喉を這い、胸元を性急なしぐさで撫でまわされる。
リュシアンには性交の経験がほとんどない。若くして家督を継いだ時から、わいろや密売に手を染めてそれどころではなかったからだ。だが今、フェラムの手によってその花びらは散らされようとしていた。
フェラムは優しく、けれど断固とした意志を持ってリュシアンの身体を暴いていった。
主を意のままに操ることの喜びと人としての尊厳を踏みにじる捻じれた愛情。
フェラムはその酷薄な唇で愛を囁く。その愛は本物だったが、嘘にまみれたものでもあった。
主人の身体を裏返し、犬のように四つん這いに這わせる。背後から胸元を撫で上げ小さな乳首を愛撫し、ついには誰も触れたことのない花芯、尻の狭間の窄まりに指を這わせる。そこは固く閉じられて、他者の侵入を拒んでいる。
「フ、フェラム! そこ、そこは……頼むから」
震える声で涙をぼろぼろ流し、嚙み合わぬ奥歯をかみしめてリュシアンは懇願する。男も女も知らない身体。初めての相手により、散らされるのは恐ろしかった。
「いいえ、リュシー。こここそ、私に捧げてもらわなければ。貴方を支配し、愛するのは私だけだと分からせたいのです」
そう言うと、フェラムは何の準備もされていないそこに自分の男根を押し付けた。
「いやだ、いやだぁ!!」
「私の愛を受けとってくださいませ」
めりめりと肉を割く音が聞こえてくるような挿入だった。実際、リュシアンの底は切れて血がプツン…と滴り落ちる。一番太い仮首を飲み込ませて、フェラムがため息をつく。
「ああ、なんと甘美な。初めてとは思えない。吸い付くような感触だ」
そう言うと、一気にその灼熱の肉棒を叩きつける。リュシアンは悲鳴を上げて、がくがくと震えだす。
「ヒィ……っ!! やめて、やめてくれ……お願いだよ。フェラム」
「ああ、その悲鳴さえも愛しい。私のプティー・ワゾー。貴方を完全に私のものにいたします」
肌を焼くような熱がリュシアンの全身を駆け巡る。リュシアンは、もう声を出すこともできなかった。ただシーツを握り締めて律動を始めるフェラムに貫かれる。背後からの容赦のない突き上げでリュシアンの肘は折れて、シーツに額をつけて腰を他格上げる雌猫のポーズになる。その中心へフェラムが雄の証を突き入れる。繰り返される暴力的な凌辱はリュシアンの瞳から光を奪った。
「いや、いやぁァああああ゛!!! 助けて、お母さま! お父さま!」
ついに決壊したようにリュシアンが悲鳴を上げる。幼子のように両親を求めて泣く様子をフェラムは満足げに見やる。
「ええ、今はその名を呼ぶのを許しましょう。けれど、覚えておきなさい。貴方が最後に呼ぶのは私の名だ」
「いやだぁ! フェラム!! フェラム!」
彼の叫びは、フェラムの深い愛のなかに、そして閉ざされた寝室の分厚い壁のなかに、吸い込まれて消えていった。
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そして、郁也も過ぎただろう。あれから毎晩のようにフェラムは主であるリュシアンを抱いていた。もののように、あるいはしつけが必要なペットのように。その愛と執着はリュシアンを凍り付かせた。
逃げられない。逃げられない逃げられないにげられない!!
昼も夜も、眠っている間さえフェラムの視線からは逃れられない。気が狂いそうになるほどの束縛。
その夜もリュシアンは屈辱的な体位で床に転ばされ、フェラムによる支配を受けていた。真上から杭を打つように肉棒を打ち込まれる。暴力的な性交でも、リュシアンの身体は快感を拾えるようになっていた。
絶頂が近づいたその時、フェラムの瞳に、これまでにないほど昏く、鋭い狂気が宿った。
彼は、もがくリュシアンの身体を正面から抱きしめると、その長い両手をリュシアンの細い首にかけた。
「う、あ……っ!」
リュシアンの細い喉が、フェラムの掌の下で押し潰される。酸素を求めるリュシアンの紫の瞳が大きく見開かれ、視線が宙を泳ぐ。
フェラムは、苦痛に歪むリュシアンの美しい顔を、至近距離で見つめ続けた。リュシアンが苦しめば苦しむほど、その首にかける力は強まり、フェラムの腰の動きは激しさを増していく。
死の淵に立たされる恐怖と、脳に突き抜けるような凄絶な快楽が、リュシアンの中で混濁し、爆発した。
「ああ、リュシー様! 私と一緒に…、奈落の底に堕ちましょう!」
フェラムは、リュシアンの首を全力で絞め上げながら、獣のような咆哮と共に自らの欲望を主の深奥へと叩き込んだ。
リュシアンの意識が白濁し、痙攣した身体がベッドに沈み込む。
果てた後の静寂の中で、フェラムはまだ意識の戻らぬリュシアンの喉に、愛おしそうに何度も口づけを落とした。その首に残った赤い指の痕は、フェラムがこの小鳥に与えた、一生消えることのない真実の首輪だった。
その夜、ローゼンベルグ家の寝室では、金貨の擦れる音と、男の喘ぎ、そしてただひたすらに、深い絶望の嗚咽だけが響き渡っていた。リュシアンは、自分の心が完全にフェラムのものとなり、自分が人間という存在から遠ざかっていくのを感じていた。
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