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聖女は友達が欲しい
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「う、うん?友達かあ……。なんでまた急に……?」
突然友達が欲しいと言い出したノルンに、ラインハルト様が少し困った顔で尋ねます。
「あのね、さっき女の子のグループがお店に入ってきたでしょ」
「ああ、そう言われてみれば。ノルン以外どうでもいいから気にもしなかった。それがどうかしたの?」
「あの子達みんな同い年位ですっごく仲良さそうで、羨ましくなっちゃったの……。ぼく、年が近い友達っていないんだもん……」
「そうなの?でもノルンには俺やリライザに、レイリィとガリアードがいるじゃないか」
ラインハルト様がそう言うと、ノルンは思いきり否定しました。
「違うの!!そうじゃないの!!だーりんはぼくの彼氏で恋人で未来の旦那様だもん!!リライザは友達って言うより、相棒って言った方がしっくりくるし!!レイリィおねーちゃんとガリアードさんは前世のママとパパだもん!!もう幼なじみだとか仲間だとかそういう目で見られないもん!!」
彼氏で恋人で未来の旦那様と言われた事が嬉しかったのか、ラインハルト様は少し照れた様子でノルンに言いました。
「そう言われてみればそうだね。ノルンの言うとうりだ」
「でしょ!?」
「ああ、うん。ノルンにはその、今まで同い年の子達と知り合う機会とかなかったの?ノルンなら友達なんていくらでも」
「……ない」
「え?」
「なかったの!!仲良くしたいと思う子達と出会う機会なんかなかったもん!!」
嫌な事を思い出したのか、ノルンは不機嫌そうな顔でそう答えました。
私はノルンの事をずっと見守ってきたので、ノルンが不機嫌な理由を知っています。
ノルンは1才になる前に今世の実母を病で失っています。
奥様を亡くしたノルンのお父様はノルンの事を溺愛して育てました。
そのせいか、わがままでおてんばな子に育ったノルンは、3才6か月の頃からお祖母様に厳しく躾け直されました。
当然、お祖母様はノルンが憎くて厳しくしてる訳ではありません。
一人前のレディになって幸せになって欲しいからです。
それにノルンが嵐の夜に雷が怖くて一人で眠れない時や、母親に甘えている他所様の子供を見て寂しそうにしてた時など、ノルンを優しく抱きしめてくれた、決して厳しいだけではない良いお祖母様です。
ーー問題はノルンのお祖父様にありました。
ノルンのお祖父様はラギアン王国から、少し離れた港町を治める公爵様です。
領主としての責務から、ノルンや奥様と一緒に暮らしたくても暮らせない為、お休みの度にノルンと奥様に会いに来ています。
ノルンのお父様は4人の姉がいる末っ子長男で、聖騎士に憧れ家を飛び出した為に両親から勘当されていたのですが、ノルンの存在を知られた時に勘当が解かれました。
ノルンの為にも将来は公爵家を継ぐよう両親に諭され、渋々ながらも了承されました。
ちなみにノルンのお父様がすぐに公爵の跡を継がないのは、ノルンが生まれる2年前に突如現れて暴れ回った邪竜を討ち取った英雄として、ラギアン王家に仕えているからです。
こうして、ノルンはフォルシオン公爵の孫娘として、社交界デビューさせられる事になるのです。
その時、ノルンは5才でした。
着たくもないドレスを着せられ、ボロを出さないようずっとニコニコしていなければならず、ノルンは終始不機嫌でした。
美味しそうなお菓子が目の前にあっても食べられず、物心ついた頃から貴族としての教育を受け、ノルンから見て子供らしくない言葉遣いと態度を取る子供達と、何の興味もない会話をさせられるのは、ノルンにとって苦痛でしかありません。
男の子達はノルンのあまりのかわいらしさに惹かれ、我先にと自分をアピールしてきますし、女の子達は男の子達の興味を独り占めするノルンの事が面白くありません。
結果、ノルンに同年代の友達は出来ませんでした。
突然友達が欲しいと言い出したノルンに、ラインハルト様が少し困った顔で尋ねます。
「あのね、さっき女の子のグループがお店に入ってきたでしょ」
「ああ、そう言われてみれば。ノルン以外どうでもいいから気にもしなかった。それがどうかしたの?」
「あの子達みんな同い年位ですっごく仲良さそうで、羨ましくなっちゃったの……。ぼく、年が近い友達っていないんだもん……」
「そうなの?でもノルンには俺やリライザに、レイリィとガリアードがいるじゃないか」
ラインハルト様がそう言うと、ノルンは思いきり否定しました。
「違うの!!そうじゃないの!!だーりんはぼくの彼氏で恋人で未来の旦那様だもん!!リライザは友達って言うより、相棒って言った方がしっくりくるし!!レイリィおねーちゃんとガリアードさんは前世のママとパパだもん!!もう幼なじみだとか仲間だとかそういう目で見られないもん!!」
彼氏で恋人で未来の旦那様と言われた事が嬉しかったのか、ラインハルト様は少し照れた様子でノルンに言いました。
「そう言われてみればそうだね。ノルンの言うとうりだ」
「でしょ!?」
「ああ、うん。ノルンにはその、今まで同い年の子達と知り合う機会とかなかったの?ノルンなら友達なんていくらでも」
「……ない」
「え?」
「なかったの!!仲良くしたいと思う子達と出会う機会なんかなかったもん!!」
嫌な事を思い出したのか、ノルンは不機嫌そうな顔でそう答えました。
私はノルンの事をずっと見守ってきたので、ノルンが不機嫌な理由を知っています。
ノルンは1才になる前に今世の実母を病で失っています。
奥様を亡くしたノルンのお父様はノルンの事を溺愛して育てました。
そのせいか、わがままでおてんばな子に育ったノルンは、3才6か月の頃からお祖母様に厳しく躾け直されました。
当然、お祖母様はノルンが憎くて厳しくしてる訳ではありません。
一人前のレディになって幸せになって欲しいからです。
それにノルンが嵐の夜に雷が怖くて一人で眠れない時や、母親に甘えている他所様の子供を見て寂しそうにしてた時など、ノルンを優しく抱きしめてくれた、決して厳しいだけではない良いお祖母様です。
ーー問題はノルンのお祖父様にありました。
ノルンのお祖父様はラギアン王国から、少し離れた港町を治める公爵様です。
領主としての責務から、ノルンや奥様と一緒に暮らしたくても暮らせない為、お休みの度にノルンと奥様に会いに来ています。
ノルンのお父様は4人の姉がいる末っ子長男で、聖騎士に憧れ家を飛び出した為に両親から勘当されていたのですが、ノルンの存在を知られた時に勘当が解かれました。
ノルンの為にも将来は公爵家を継ぐよう両親に諭され、渋々ながらも了承されました。
ちなみにノルンのお父様がすぐに公爵の跡を継がないのは、ノルンが生まれる2年前に突如現れて暴れ回った邪竜を討ち取った英雄として、ラギアン王家に仕えているからです。
こうして、ノルンはフォルシオン公爵の孫娘として、社交界デビューさせられる事になるのです。
その時、ノルンは5才でした。
着たくもないドレスを着せられ、ボロを出さないようずっとニコニコしていなければならず、ノルンは終始不機嫌でした。
美味しそうなお菓子が目の前にあっても食べられず、物心ついた頃から貴族としての教育を受け、ノルンから見て子供らしくない言葉遣いと態度を取る子供達と、何の興味もない会話をさせられるのは、ノルンにとって苦痛でしかありません。
男の子達はノルンのあまりのかわいらしさに惹かれ、我先にと自分をアピールしてきますし、女の子達は男の子達の興味を独り占めするノルンの事が面白くありません。
結果、ノルンに同年代の友達は出来ませんでした。
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