破天荒聖女ノルン・フォルシオンが征く!!

マギレ公

文字の大きさ
98 / 101

ごめんね、だーりん

しおりを挟む
 「やったあ♡土のオーブゲットぉ♡これ、欲しかったんだよねぇ。これもぼくの日頃の行いが良いからだね♡」

 以前リライザとの何気ない会話の中で、土のオーブの持つ特性を聞いてから、ずっとずっと欲しかったんだよねぇ。

 「そ、そうですね……」
 「……そ、そうか。よかったな、ノルン」

 ぼくが喜んでると、リライザとアルバは他に何か言いたそうな様子で、ぼくにそう言ってきた。

 「……なあに?二人共、ぼくに何か言いたい事でもありそうだけど?」
 「い、いえ、別に何も……」
 「気の所為だ。気にするな」
 「……そう?まあいいけどね」

 土のオーブを異次元ポケットに収納すると、先程殴り飛ばしたジェイガンがよろよろとこちらに向かってきた。

 「き、貴様……。聖女の癖に人が話してる所に不意打ちするとは……」
 「あれ?まだ動けるの?いかにもな青白い顔した引きこもりらしいのにタフだねえ」
 「こ、このクソガキが!!土のオーブを返せ!!」
 「はあ?何言ってるの?土のオーブは元々は光の聖女ノエルの物だよ?だったらぼくの物でしょー?」
 「なんだその理屈は!!……いや、待て。まさか、貴様は光の聖女の生まれ変わりなのか?」
 「あら。あんな馬鹿王子と手を組むような三下の癖に勘だけは鋭いのね?」

 ジェイガンを挑発してやると、意外な事に落ち着いた様子で返してきた。

 「なるほどなるほど……。光の聖女の転生者と言う事であれば、その力も納得が行くと言う物。我が研究の実験相手に相応しい!!」

 ジェイガンはそう言うと、低くて聞き取りにくい声で何かを呟きはじめた。

 「気をつけろノルン。奴は何らかの術式を発動したようだ」

 アルバがぼくにそう警告した次の瞬間、ぼく達を取り囲むように黒い稲妻が迸る。

 「何なの!?」
 「見るが良い!!これが我が研究成果よ!」

 ジェイガンの得意気な声と共に、全身を鋼鉄の鎧で包んだ異形の騎士が9人、いや、9体現れた。
 人と言うにはやけに手足がひょろ長くて、頭が人の頭を2つ繋げた位、縦に細長かった。
 どう見ても中身は人間じゃない。
 9体共に分厚くて重そうな斬馬刀を軽々と片手で持ってる。

 「これぞ、我が秘術によって生み出した最強の人造人間!!土のオーブの力で施した超合金装甲によって、どんな武器も魔法も跳ね返す無敵の戦士達よ!!」
 「……かっこわるい」
 「……何?」
 「何そのクソダサなデザイン。いかにもなやられ役その物じゃないの。顔と性格だけでなくセンスの欠片もないとか、あなたホントに終わってるね」

 得意気にしてるジェイガンに思わずそう言ってしまった。
 どうせ作るなら、もっとかっこいいデザインにすれば良いものを。
 悪役ってなんで、こんなクソダサデザインにするんだろうね。

 「こ、こ、こ、このクソガキがああ!!ちょっとばかりかわいい顔してるからって調子に乗りやがって!!」

 顔を真っ赤にしたジェイガンが、クソダサ人造人間を起動させ、ぼくに向かって攻撃してきた。
 斬馬刀を両手で振り上げながら跳躍した人造人間が、ぼくを肉塊にしようと襲いかかってくる。

 「防御陣プロテクションぱんち!!」

 ーーガキイィィィン!!

 防御陣プロテクションぱんちで迎撃する物の、金属のぶつかり合う音を立て、人造人間の装甲に防御陣プロテクションぱんちが弾かれてしまった。

 「えっ!?やばっ!?」

 相手の想像よりもずっと速い動きに防御陣プロテクションを展開する暇がない!!
 ぼくが焦った次の瞬間、アルバがさっと背後に飛び退き、人造人間の攻撃が床を破壊した。

 「危なかったぁ……。アルバ、ありがとう」
 「まさか、ノルンの防御陣プロテクションぱんちがまったく効かないとは……。こうなれば闇のオーブを使わないといけないかもしれませんね」
 「えぇ~!?あれだけは使いたくないよぉ……」

 破戒なら絶対倒せるけど、あれを使うのはやだ……。
 リライザの助言を拒否するとアルバがぼく達に告げた。

 「我がいる以上、必要ない。ノルン。リライザを落とさないようしっかり持ちながら、振り落とされぬよう我にしっかり掴まれ」
 「う、うん」

 リライザをぎゅっと握りしめながらアルバの体毛を握りしめた次の瞬間、アルバの体は宙に飛んでいた。
 先程攻撃してきた人造人間の頭が、アルバの振るった右前足の爪によって、一瞬で壁に思いきり叩きつけたリンゴのように粉々に砕け散った。
 人造人間の頭を粉々に砕きアルバが着地すると、頭を失った人造人間が首側から一瞬で石化していき、直後に跡形もなく粉微塵に砕け散って粉塵と化した。

 「うわあ……すっごーい……」

 たった一撃であんな硬い相手をまるでトマトを潰すかのように……。

 「アルバライザー!!新手が来ます!!」

 ぼくがアルバの力に驚いてると、リライザがぼくの手の中からアルバに叫ぶ。
 4体の人造人間がこちらに迫ってくる。
 2体は先程の人造人間と同じように両手で斬馬刀を振りかぶりながら、飛びかかってくる。
 もう2体は両手で斬馬刀を構えながら、アルバを串刺しにしようと突進してくる。

 「くだらん」

 アルバの両目が光った次の瞬間、人造人間達は手にした武器ごと石化し、粉々に砕け散り粉塵と化した。

 「強い……。アルバ強いね!!」

 ぼくが歓喜の声を上げると、アルバはガオオオンっと咆哮をあげた。

 「大した事ないね。もう諦めて降参したら?」

 アルバに跨りリライザを突き出しながら、ジェイガンに降伏するよう告げると、ジェイガンは口元を歪めながら言った。

 「まだだ!!いつそれで我が研究の成果が終わりだと言った!!」
 「それはどういう意味?」

 ぼくが聞き返したその時、王城の外から複数の悲鳴が聞こえてきた。

 「何!?シャイン!!」

 光の上級精霊シャインに外の様子を伺わせると、アルバが倒したのと同型の人造人間達がみんなを襲っていた。
 農具や鉄の武器ではまったく歯が立たず、逃げ惑う事しか出来ない人々の姿をシャインの目を通じて見た。
 まだ死人は出てないようだけど、時間の問題だった。

 「アルバ!!外のみんなが危ない!!」
 「ふははははは!!外の人造人間達の数は100体!!虫けら共が何人死ぬかな!?はははははは!!」

 アルバの力なら、人造人間を全部倒すのは容易い事のはず!!
 すぐに助けに行かないと!!

 「アルバお願い!!みんなを助けに行かないと!!」

 ぼくがそう叫んだその時だった。
 アルバは一言呟いた。

 「ーー来る」
 「……えっ?」

 ーーズガアアアアアンッ!!

 轟音と共に王城の天井をぶち抜いて、一人の男性がぼく達の前に降り立った。
 瓦礫の埃が舞う中、ゆっくりと立ち上がる聖騎士の鎧を身に着けたその人は……。

 「……だーりん!!」

 ぼくがずっと会いたかった、勇者ラインハルト・レオス様その人だった。
 思わずアルバの背中から飛び下りて、リライザを腕輪モードにしてだーりんに駆け寄ると、そのまま飛びつく。
 だーりんは驚いた顔をしつつも、ぼくを受け止めてくれた。

 「……え?ノルン?」
 「そうだよ!!だーりん会いたかった!!」

 だーりんの首に両手を回しながら頷く。
 残り4体の人造人間が武器を振り上げながら、だーりんに襲いかかってくる。

 「だーりん!!」

 ぼくを左手で抱き上げながら、右手で神剣を一閃させた次の瞬間、人造人間達は真っ二つにされて粉塵と化した。

 「迎えに来るのが遅くなってごめん」

 だーりんは抱き上げたぼくの顔を見つめてそう謝ってくれる。

 「だーりん……。ぼくだってわかるの?」
 「例え、どんな姿だろうと俺がノルンの事見間違えるはずないだろ?」

 そう言ってだーりんは微笑んでくれる。

 「ぐす……。だーりん会いたかったよぉぉっ!!」
 「俺も会いたかった。君がさらわれてからずっと、生きた心地がしなかった。生きててくれて良かったよ」
 「うわあああん!!だーりん~!!」
 「よしよし」

 だーりんに抱きついてわんわん泣いてると、だーりんは優しくぼくの背中をぽんぽんしてくれた。

 「ところでこの状況は?」

 だーりんがもっともな質問をしてくると、だーりんが空けた天井の穴から見知った顔ぶれが次々と下りてきた。

 「ノルンー!!無事かああっ!!」
 
 飛空戦艦から垂らされたロープに掴まって鎧を着たパパが降りてくる。

 「パパ!!」
 「「ノルンー!!」
 「レイリィおねーちゃん!!ガリアードさん!!」

 続いて前世の両親が神器の力で飛んできた。

 「「お姉様ぁぁぁっ!!」」
 「ノルンー!!」
 「リィちゃん!!アイちゃん!!ルフィア!!」

 他にも聖騎士団のおじさん達も次々と降りてきた。

 「みんな!!」

 みんなが迎えに来てくれた!!
 すっごく嬉しい!!

 「役者は揃ったようだ。全員に我が見てきた事を見せてやろう」

 アルバがそう言って、リライザに状況を教えた時と同じ事をする。
 全員のおでこが光った瞬間、みんなは今何が起きているのか、ぼくがどんな目にあってきたのかを理解した。

 「若返りの薬……?それで小さかった頃のノルンと同じ姿なのね」

 幼い頃のぼくを知るレイリィおねーちゃんがそう呟いた。

 「ともかく、ノルンが無事で良かった。アルバライザー。これまでノルンを守ってくれてありがとう」
 「気にするな。我が友よ」

 だーりんのお礼にアルバはそう答えた。

 「だーりん」
 「なんだい?ノルン」
 「ごめんね……。ぼく、こんな姿にされちゃって……」
 「ノルンのせいじゃない。気にしなくていいんだよ」

 ぼくが謝るとだーりんは優しい顔でそう言ってくれた。
 でも……。

 「だって、元はと言えばぼくがわがまま言ったのが原因だもん……」
 「いや、ノルンに寂しい思いをさせた俺が悪かったんだ。もう二度とそんな思いはさせないから。だから、これからも俺の側にいてほしい」

 そう言って、だーりんはおでこをぼくのおでこに触れさせる。

 「……だーりん!!ぼくの方こそごめんなさい!!だーりんはお仕事で忙しかったのに!!ぼくわがままだった!!」
 「いいんだ。好きな子にわがままのひとつやふたつ言われるのも男の甲斐性さ」
 「……ふえぇぇぇんっ!!だーりーん!!」

 だーりんの優しい言葉にぼくはだーりんの首元に抱きついて、わんわん泣きじゃくる。

 「ごめんなさい。だーりんごめんなさい……」
 「俺は怒ってないから。だからもう泣きやんで」
 「だってえ……。ぼくのわがままのせいで、だーりんだけじゃなくて、みんなにも迷惑かけて……」
 「みんなノルンの事を心配こそすれ、怒ったりしてないから」
 「ぐす……うん……」

 みんなの方を見ると、みんな優しい顔でぼく達を見てた。
 あとでみんなにも謝らなきゃ……。

 「ぐす……ごめんね、だーりん。せっかくだーりん好みの大きさに育ってたのに……」
 「うん?」
 「こんなぺったんこになっちゃって」
 「えぇと、何の事?」
 「だって、だって、だーりんはおっきな胸が好きなんでしょ?旅の時とか、ルフィア達を紹介した時とか、胸のおっきな女の子に会ったらちらちら胸見てたし……」
 「な!?な、なに言ってるんだか」
 「最近はちらちらぼくの胸とかおしりとか見てたし、おっきいのが好きなんでしょ?なのにこんな……」
 「い、いやいやいや、ノルンさん。それは誤解」
 「ノルン。そのくらいにしてあげてください。それに今はそんなこと言ってる場合ではありませんよ」

 リライザがぼくとだーりんの会話を遮りそう告げる。
 そうだよ。今はそれどころじゃなかった。
 慌てて周囲を見回すと、いつの間にかジェイガンは姿を消していて、みんなは何故か白い目でだーりんの事を見ていた。

 「そうだったよ!!外にいる人達が大ピンチなの!!みんな力を貸して!!」

 アルバの力で状況を把握していたみんなは頷くと武器を手に外へと飛び出す。

 「だーりん。ぼくはアルバの背中からみんなを助けるね」
 「わかった。とりあえず外のを全滅させよう」
 「うん!!全部終わったら、離れてた間の分いっぱいお話しようね」
 「ああ。話したい事が沢山あるんだ」
 「うん!!」

 神剣を手にしただーりんと聖杖モードにしたリライザを手にアルバの背に乗ったぼく。
 みんながいて、だーりんも来てくれた今、もう何人たりともぼくらは止められないよ!!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『王都の神童』と呼ばれた俺、職業選定でまさかの【遊び人】三連発で追放される。……が、実は「全職業のスキル」を合算して重ねがけできる唯一のバグ

よっしぃ
ファンタジー
王都で「神童」の名をほしいままにしていた少年、ディラン・アークライト(17歳)。   剣を握れば騎士団長を唸らせ、魔法を学べば賢者を凌駕する。誰もが彼を「次代の勇者」と信じて疑わなかった。  しかし、運命の職業選定で彼が得たのは――【遊び人】。   それも、三つの職業スロットすべてが【遊び人】で埋まるという、前代未聞の怪現象だった。 「期待外れだ」 「国の恥晒しめ」   掌を返した周囲によって、ディランは着の身着のままで街を追放される。  だが、かつて神童と呼ばれた彼の「分析力」は死んでいなかった。 『……Lv1なのに、ステータスが異常に高い? それに経験値が分散せず、すべて加算されている……?』  彼だけが気づいた真実。  それは【遊び人】という名に偽装された、この世界の管理者権限(Free-Hander)であり、全職業のスキルを制限なく使用・強化できるバグ技(デバッグモード)への入り口だったのだ。  これは、理不尽に捨てられた元・神童が、その頭脳とバグ能力で世界を「攻略」し、同じく不遇な扱いを受けていた美少女騎士(中身は脳筋)と共に、誰よりも自由に成り上がる物語。 【著者プロフィール】アルファポリスより『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』を出版、オリコンライトノベル部門18位を記録。本作は2月に2巻刊行予定。

アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身

にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。  姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~

白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。 王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。 彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。 #表紙絵は、もふ様に描いていただきました。 #エブリスタにて連載しました。

悪女の針仕事〜そのほころび、見逃しません!〜

陰陽@4作品商業化(コミカライズ他)
ファンタジー
公爵令嬢として生まれながら、子ども時代からメイドや周囲の陰謀で、次々と濡れ衣を着せられ、「悪女」扱いされてきたミリアム。 第3王子との婚約を聖女に奪われ、聖女への嫌がらせの冤罪で国外追放された後、平民として生き延びる中で、何度も5年前へのロールバック(逆行)を繰り返すことに。 生計をたてる為に、追放後の平民生活で極めた針仕事が、ロールバックが繰り返されることで、針仕事の能力だけは引き継がれ、天才的な実力を手に入れる。 その時女神「アテナ」の加護を得て、2つの力を手にすることに。 「加護縫い」 (縫った布に強力な祝福を込められる) 「嘘のほころびを見抜く力」 (相手の嘘を布のほころびとして視覚的に捉え、引き抜く、または繕うことで、真実を暴いたり修正したりする) を手にしたミリアムは、5歳の幼女時代まで遡り、2つの力で悪評をぬりかえ、仲違いしていた家族も、加護の力を与えることで協力な味方へと変貌。 さらに、女神から可愛いしもべ「アリアドネ」を授かり、元婚約者と聖女にザマァを狙う中、加護縫いの能力が最も高い人間を王太子妃に迎える決まりのある大国、ルーパート王国の王太子が近付いて来て……?

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています

六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。 しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。 「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

処理中です...