かつて××××だった者たちへ

マイリトルジョー

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1章-2

理由

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 青海さん自身も私たちと同じ様に記憶が無い部分があり、且つ、同じ手紙を、私たちより前に貰っていたという。
 「はじめはもちろん、信用していませんでした」
 しかし、なぜそのことを知っているのか。そして、それを知っているのならば、もしかしたら記憶がない事の理由が分かるかもしれない。それがわかれば記憶を取り戻すことが出来るのでは無いか。
 「そう思った私は、話だけでも聞いてみようと思いました」
 招待されたのは今日と同じこの場所で、その時は青海さんだけ。
 手紙を送ったと言う人物は、顔を見せず声でのみのやり取りだったという。
 「わかったのは、その人が女性、ということだけでした」
 その女性から様々な説明を受け、同時に青海さん以外にも記憶を失っている人物を存在を知らされた。
 「その人物、つまり皆さんの存在が、不可欠だと言われたんです」
 「どうして、その人の話を信じられたんですか?」
 今日私たちが集められた理由はわかった。私たちの情報もその女性が持っていたのだ。青海さんはその指示に従っただけなのだろう。

 ただ客観的に聞いていれば、怪しいことには間違いない。
 まず顔を見せない時点で疑わしい 。
 それに記憶が無いことを知っていることもおかしい。
 ただでさえ怪しい内容な上に、名前も顔もわからない人の話を信じる方が難しい。
 「もちろん、すぐに信用出来た訳ではありません。何故、相手は私のことをそれだけよく知っているのか、何より、私に記憶に空白の部分があることを知っているのか。不思議でしたし、怖かった。しかし思ったんです。誰にも記憶を失ったことを話せなかったこと、理解できる人がいることで安心できること」
 その言葉に、私たちは何も返すことは出来ない。
 少なからず、みな同じ経験があったんだろう、特に私は今日子の存在はとてもありがたいと思っていた。
 「それに、私にはその人の言葉が嘘とは思えなかったんです。現に、本当に記憶を失っている皆さんが来てくれましたよね?」
 この話が事実だとしたら、確かに、その人が同じ境遇の私たちの情報を持っていたから私たちを呼んで集めてくれた。
 青海さんからすると、信じるに値するものと思ったのだろう。
 
 しかし私は、青海さんの話しや気持ちに理解を示しつつも、違和感のような、危うさのような、どう表現すれば分からないけど、そのようなものも同時に感じたりしていた。
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