~【まおうすくい】~

八咫烏

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第4話『借金』

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少女は大通りを横切りながら、大きなため息をつく。

(はぁあっ…お金って難しいのね。)

現在、少女が手にしているのは、銅貨7枚と高青銅貨2枚。報酬は銅貨8枚だったが、そこから手数料を高青銅貨8枚分引かれ、残ったものが彼女に手渡された。
部屋に置いてきたカバンの中には、お金は1枚の鉄貨すら入っておらず、実質、いま手に持っているのが、少女の全財産だった。

(どうにかして稼がないとまずいわね…。)

それもそのはず、依頼を達成した報酬が、銅貨8枚とは知らず、一泊で高銅貨2枚の宿をとってしまったからだ。
唯一カバンに入っていた、たった1枚の銅貨も、そんなに価値があるとは知らず、従業員にチップとして渡してしまった。

(さて、どうしたものかしら。)

思考が、頭の中で堂々巡りし、少女の頭はパンク寸前で煙を上げていた。
そして、気がつくと、すでに宿に到着していた。
無意識に5階まで階段を登りきって、彼女にあてられた、左奥の大きな部屋の前まで来ていたので、扉を開け、中に入った。
すると…

「ウム、カエッタカコムスメ。」

肉にかぶりついている、小さなドラゴンが声をかけてきた。

「ちょっと、ヴェル。そのお肉、どうしたのかしら?」

少女は呆然として、顔は笑顔だが、額に青いスジを浮かべて聞いた。

「ン?アァ、コレデアルカ?カッテニタノンダゾ。」

チラっと少女の方へ視線を向け、すぐさま戻し、肉にかぶりつく小さなドラゴン。
その行動で、ついに少女に限界が訪れた。
少女は、暗い笑みを浮かべる、先ほどよりも一層、低い声で小さなドラゴンに問いかける。

「ねぇヴェル、そのお金…誰が払うのかしら?」

いまにも噴火寸前の火山のように、しかし、徐かなること林の如く、疾きこと風の如く、小さなドラゴンに詰め寄る。
その動きは、まるで侵略する火のようだった。
小さなドラゴンの前まで来ると、堂々と山のように動かず、もう一度問う。

「ヴェル、私さぁ、お金ないって言わなかったかしら?」

さすがに小さなドラゴンも、その迫力に負けて、肉の誘惑から意識を戻した。
そして、今度は確実に、しっかりと、少女の目を見て、表情を読み取る。
しかし、般若のような形相の彼女の顔を見て、1秒も、目を合わせる事ができなかった。
ガタガタと震える小さなドラゴンに、畳み掛けるように少女は言う。

「ヴェルぅ、反省してるならさぁ、あなたの牙か鱗、出しなさいよぉ?」

「ヒっ、ヒィィイイーっ!スマヌ、スマヌ!ワレガワルカッタ!」

「じゃあヴェルぅ、行動で示しなさいよぉ。」

「ワカッタ、ワカッタノダ、ダカラ、チカヅカナイデクダサイゴメンナサイ。」

そう言うと、小さなドラゴンは部屋のなかで元のサイズに戻ろうとする。

「ちょっと!建物の中で大きくならないで!壊れたらどうするのよっ!!」

しかし、時すでにお寿司!いや、遅し。
元のサイズに戻ったドラゴンによって、壁と天井には穴が開き、床は一部、底が抜け、大きな窓ガラスは粉々に割れた。

「ばかぁ!早く小さくなりなさい!もうっ、最悪だわ!!」

素早く小さいサイズに戻った事で、被害は拡大しなかったが、それでも、部屋の中はめちゃくちゃになっていた。
唯一助かった点は、部屋が、左の端っこでかつ、最上階の5階だったということだ。
もしこれが、最上階でも端っこの部屋でもなかったならば、被害は数倍に及んでいただろう。

騒ぎ、というよりも、大きな音…騒音、を聞きつけて、宿の従業員が、血相を変えて飛び込んできた。

「どどど、どうしたのですかおーー」

『どうしたのですか、お客様。』と言おうとしたのだろうか、先ほど、銅貨をチップとして渡した従業員は、部屋の中に広がる惨状に、声を失っていた。

「あのー…従業員さん、早めに修理費やらその他もろもろの見積もりを出しておいてくださいまし。」

それだけ告げると、少女は、カバンと小さなドラゴンを抱え、逃げるように宿を飛び出した。

「もうっ!ばかばかばかばかばかばかばかっ!どうしてくれるのよ!」

「カエスコトバモナイ、ホントウニモウシワケナイ。」

「謝って済むなら憲兵なんて要らないわよ!」

「コウナッテハ、ワレノキバトウロコヲウルシカ…。」

「さっきのは冗談よ、そんな事できるわけないでしょ。」

「デハ、ワレノネグラカラワレノザイホウヲトッテコヨウ。」

「それも却下よ、あぁもうっ!面倒な事してくれたわね!」

「ソレデハドウスルノダ?ヨニゲカ?」

「そんな事するわけないでしょ!分割払いよ!稼ぐのよ!」

「デハ、ワレモテツダオウ。」

「当たり前でしょ、じゃあ服屋に行くわよ。お金があるうちにあなたの服と、それから赤い果実をたんまりと買わないと。」

「ニクモカッテハクレヌカ?カピカピノデガマンスル。」

「ヴェル、あなた自分の立場分かってる?」

「スっスマヌっ!」

こうしてふたりは、服屋に向かい、ドラゴンがヒト型になった時の為の服を購入した。
その帰り、青果店で赤い果実をカバンに入るだけ買い、肉屋で干し肉を買った。
少女たちに残ったお金は、すでに銅貨を3枚と高青銅貨6枚と少し。
そのまま、宿は取らずにふたりで街を出た。

「さっさと着替えて頂戴。早くギルドに行かないと怒られちゃうわ。」

「ウム、ワカッタ。」

例によって白い煙がドラゴンの周囲に立ち込める。

ムムムムムーっ
ーーーーーーーーポンっ!

そして、ドラゴンの姿から一変して、街を歩けば視線を一身に受けるような、美女が姿をあらわす。
少し強めのレディシュの髪は背中まで伸び、肌は少し浅黒い。目は、どこまでも見通せそうに澄んでいて大きい、色は黄。
ツノやハネは消えるらしく、ドラゴンの面影はあまり感じられないが、口の中には鋭い犬歯が左右に一本ずつ、上から下へ向かって生えていた。
少女も顔立ちは整っていて、将来は美女になる事が約束されているようではあったが、体つきが少し幼い。
しかし、ドラゴンのヒト型は、顔立ちはもちろん、体つきも、全てが完璧な美女であった。

「あんた、なかなかあるわね…。」

「何のこと?それより我は早く肉を喰らいたいのじゃが。」

「あんたの食事は当分、このカピカピの干し肉よ!お金がないから宿もとらないから!」

「何と…そんな殺生な。」

「それもこれも、全部あなたのせいなんだからね!さっさと服を着て頂戴!」

「うむぅ…分かった。そうカリカリしないでくれ。我、鳴いちゃう。」

「気持ちが悪いわ!ムダ口叩いていないで早くしてよね!」

ガォオオーンっ

小さく、そして悲しそうに、ドラゴンだった女性はひと声鳴いた。

「しかし、我もなかなか美人だとは思ったが、貴様もなかなかだな!胸は無いが!」

「うっさい、黙れ。キバ抜いて売っ払うぞトカゲ。」

「とととっ…トカゲじゃないわよ!酷いわね!」

「あら、違ったの?ごめんなさい。だってあなた、弱いんですもの。」

少女は赤い果実をシャクシャクとかじり、美女は干し肉をギチギチと噛む。
もう一度、街に入って歩く事15分。
中心よりやや外れるが、それでも大通りに面していて、とても良い立地に立つ建物をちらりも見る。
そこは、彼女たちが壊した宿。
そこを通り過ぎ、さらに数分歩く。
ようやくたどり着いた、目的地、ギルドの建物である。
その扉を、壊さないようにそーっと開けて、中へ進む。
そのまま、進み続けると、カウンターの方から声をかけられた。

「ユーカ様、お待ちしておりました。」

声をかけてくれたのは、初めて訪れた日に対応してくれた、オリービエという女性だ。
いつもはおっとりしていて、優しげな雰囲気だが、今回に至っては、少し違うようだった。

「えっと…それで、補償金はいくらになったのかしら?」

「誠に言いにくいのですが…高銀貨3枚と銀貨5枚だそうです。」

「…分かったわ。分割でお支払いしたいから、ギルドで立て替えて貰えるかしら?」

「かしこまりました、では、依頼の報酬からその都度、天引きという事でよろしいでしょうか?」

「えぇ、申し訳ないわね。それと、もう一つ頼みがあるのだけれど。」

「はい?何でしょうか。」

「このヒト、私の相棒なのだけれど、冒険者登録をお願いできるかしら?」

「もちろん構いません、しかし…まさかこの方も相当なアレですか?」

「そうね…多分だけど相当なアレよ、良かったらこの前見たく、試験をしてもらえないかしら?」

「分かりました、必要事項をこの用紙に記入しておいてください。私は準備と報告をしてくるので、少し席を外します。」

「申し訳ないわね。」

受付の女性が席を離れた後、少女は横に座る美女に用紙を書くように言う。
また、少女は少女で、借金やその他手続きを契約書に書き込む。
これで、少女たちが持っているお金は、ゼロを通り越して、マイナスになってしまった。

「うむ、書けたぞ!それで…試験とは何の事じゃ?」

「冒険者にはランクがあるのよ、ランクが高い方が報酬が高いの!」

「それで?」

「ランクによって受注できる依頼が異なるから、あなたも最初から高いランクにしてもらうのよ!」

「『も』とは、どういう事じゃ?」

「私も試験を受けて、最初からランクを上げてもらったの。」

「ほぅ、では、試験の内容はどんなものなのじゃ?」

「簡単よ、ちょっと実力の片鱗を見せつければ良いのよ。」

「しかし、我はこの姿では本気を出せぬぞ…。」

「別に本気を出せなくても良いのよ。できるわよね、それくらい?」

「ひぃっ…できます、やらせてください!」

「はい、よろしい。…ん?ちょっと待って、あなた年齢のところしっかり書きなさいよ。」

「何じゃ、我はこれでも恥らう乙女なのじゃ。」

「じゃあさっきの受付の人にも同じ事言うのね。」

「うむぅ、実際、わからんのじゃ。いくつに見えるかや?」

「そうね…大体18ってとこかしら。(まぁ、私よりは年上に見えるわよね。)」

「では、そうしておこう。」

用紙が書き終えたので、少しふたりで雑談をしていると、先ほどの受付の女性が、見覚えのある男をふたり連れてきた。
片方がこのギルドの支部長だという男と、もう片方が本部から出向してきているという男だ。
メガネの方が、サラミスという名前で、メガネじゃない方がハンゲという名前だった気がする。

「お待たせ致しましたかな?ユーカ君、と…そちらの方は?」

「ヴァヴェルです、どうかよしなに。」

「ほぅ、君が今回の受験者だね。今、準備をしているから、もう少しお待ちいただきたい。」

「えぇ、受かるかわからないけれど、頑張ります。」

「それで、ユーカ君。派手にやったらしいじゃないか。」

「すいません、契約書の方は書かせていただきましたわ。」

「いえいえ、こういう時のためのギルドですから。では、確認させてもらいます。」

そう言うと、メガネの男は、少女が書き込んだ契約書に不備がないかを確かめる。

「はい、結構です。では、なるべく早くに返済できるようお祈りします。」

「ええ、その為にも、もっと報酬の良い依頼を回してくださいな。」

「ははは、分かりました。良い案件が有りましたらなるべく回せるようにします。」

「お願いするわ。」

メガネの男と少女が、契約書に互いにサインをして、契約を終わらせた頃に、ギルドの若い男性職員が、試験の準備が整ったと告げに来た。

「では、裏の広場で待っています。」

そう言って、メガネの男は先に、裏口から出て行った。

「早く行くわよヴェル。ちゃんと受かりなさいよ!」

「えぇー、この姿では力が出ないのじゃが。」

「気合入れなさい!ちょっとくらい出せるんでしょ!」

「ハネとしっぽとツノを出して良いのであれば、そこそこ力も湧くんじゃがな。」

「ハネとしっぽはダメよ。ツノは頭を隠すのなら出しても良いわ。」

「では、そのうち我に帽子を買っておくれ。」

「じゃあ今日のところはコレでもかぶってなさい。」

そう言って、少女は、カバンからスカーフを取り出し、美女の頭にグルグルと巻いた。

「すまんな、でも…ちぃっと恥ずかしいのじゃが。」

「気にしなくて良いわ。私は気にしないから。」

「えぇ…我の意見は?」

「あなた…自分の立場分かってるんでしょうね?あなたの借金よ!高銀貨4枚なんだからね!」

「3枚と半分ではなかったのかや?」

「手数料を取られるのよ!この世は何でもかんでも手数料なんだから!」

「ひぃいっ…ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。」

試験の会場は、ギルドの建物の裏なので、すぐに着く。
なので、ふたりで話し込んでいるうちに、すっかりと予定の場所についてしまい、目の前でギルドの職員を待たせていた。

「コホンっ…あのー、よろしいかな?」

「あら、着いてたのね。ごめんあそばせ。じゃ、ヴェル、頑張ってらっしゃい。」

「ひぃっ…顔が怖いぞ小娘。ちゃんと受かれば良いのであろう?」

「そうよ、受かれば良いのよ、受かれば。(落ちたら承知しないからね。)」

「うむ、今、出せる限りの力を出そう。(ひぃぃいいい!ちょー怖い。落ちたらどうしよう…。)」

「では、説明してもいいかな?ヴァヴェル君。」

「お願いします、えっと…どちら様ですか?」

「おや、そういえばまだだったね。私はこの街のギルドの支部長をしているサラミスというものです。」

「はぁ、サラミス…さん。説明をお願いします。」

「はい。今回の試験ですが、その前に、どういった術で受かろうと思いますか?」

「ええと、頑張って燃やし尽くそうと思います。」

「なるほど、それでしたら…、私の水魔法を1分以内に蒸発させて無くならせば、合格ということで良いでしょうか?」

「サラミスさん、水魔法なら私の方が得意ですので、代わりましょうか?」

「良いのですか?ハンゲ君。」

「えっと…(誰この人。)」

「あぁ、申し遅れましたね。本部から派遣されているハンゲと言います。水魔法はわりと得意なので、これ以上『濃白』を増やさないように頑張ります。」

「ハンゲ君…やっぱり本部は怒っているのかい?」

「いえ、サラミスさんの独断というわけではないので。しかし、こうも続くと少し不審がられてしまいます。」

「そうかぁ、悪かったね。」

「んんっ!!あのっ、まだですか?」

「あぁすまない。ヴァヴェルさんだったかな?では、『水よ、すべてを流し尽くせ』」

男は魔法を放ち、空中にとても大きな水塊を浮かべる。
さらに、男は魔力を込め、水を低温に保つように操作し始めた。

「準備はいいですか?ハンゲ君。」

「いつでもどうぞ。ヴァヴェルさんには悪いが、1分きっちり保たせてもらう。」

「では、始めっ!」

「ふぅーっ…。」

しかし、開始の合図を聞いても、美女は魔法を放つ気配すら見せなかった。
大きく深呼吸をして、目を閉じる。
そして、両の手で頬をペシペシと叩き、カっ!と目を見開く。

「残り5秒!」

支部長の男が、一向に動かない美女を見て、困惑しながらも、カウントダウンを始める。
残り時間が0になろうとしたその瞬間…

「ーーーやぁっ!」

それは、あまりにも一瞬の出来事だった。
美女がひと声、叫んだその刹那、男が作っていた水塊が、一気に消し飛んだ。
あまりにも呆気なく、一瞬でカタがついてしまったので、水塊を作り出していた男は、呆然と立ち尽くし、開始の合図を告げた男は、顎が外れそうなほど、口を大きく開いていた。
周りを見てみると、若い青年のギルド職員たちもまた、その強烈な出来事を前に、目をパチクリさせていた。

「ごっ…合格!合格です!」

「まさか、これほど呆気ないとは。ヴァヴェルさん、先ほどの言葉は撤回いたします。」

「いえいえ、お気になさらず。少しホッとしています。」

「やるじゃないヴェル。明日からバンバン稼いでもらうからね!」

「ももももちろんです。(何とか首の皮一枚つながった…。)」

「ではおふたりに『濃白』のプレートを授けます。」

「あら?おふたりって?」

「私の分も届いたのね!」

「はい、遅くなって申し訳ございませんでした。」

そう言って、男は、懐からふたつの木製の箱を取り出した。
箱の中には『濃白』のプレートが入っていた。

「ちょっと…サラミスさん。ふたつ持ってたんですか?僕が負けるのが前提じゃないですか。」

「ユーカ君の相棒なんだ、落ちるわけがなかろう。」

「少し落ち込みますね。こんな若くて美しい女性に、魔法で負けるとは。」

「いえいえ、ハンゲさんの魔法は、とても手強かったですよ。」

「そう言っていただけると幸いです。」

「さてと、じゃあヴェル、早速だけどやっぱりこのまま、依頼を受けに行くわよ。」

「えー…我ちょっと休みたい。」

「そんな時間あるわけないでしょ!ってなわけだから、何かいい感じの依頼はないかしら?」

「そうですね…『濃白』ふたりとなると、少し難しいものでも大丈夫そうですね。」

「支部長、例のアレ、彼女たちに受けて貰ったらいいのでは?」

「アレか…。君たち、いい案件があるんだけど、受けるかい?」

「受ける前に、報酬は良いのかしら?」

「もちろんです!銀貨5枚は出ると思います。」

「じゃあそれを受けるは、良いわねヴェル?」

「ももももちろん、我もそれを受けたいと思っていた!」

「決まりね、じゃあその話、詳しく聞かせてくださいな。」

「分かりました、ズバリ言うと依頼主は我々です。レヴィン支部の代表として、支部対抗の演習に出て貰いたい。」

「あら、随分とラクそうな仕事ね。それだけで銀貨5枚も貰えるのかしら?」

「良い成績を収めると、賞金があるのです。賞金は手数料が発生しない決まりなので、そのまま懐に入るのです。」

「優勝したら銀貨5枚なのかしら?」

「いえ、優勝者は高銀貨2枚です。入賞できるだけで銀貨5枚貰えるのですよ。」

「ふーん、じゃあ高銀貨2枚を戴いて来るわ。それで、依頼料は貰えるのかしら?」

「依頼料は高銅貨5枚と必要経費でどうでしょう?」

「随分と太っ腹なのね、見直したわ。」

「好成績の支部は色々と本部から融通して貰えるのですよ。」

「そう、じゃあ好成績を取れなかったらどうするの?」

「そこは成功報酬という形で、入賞できれば高銅貨5枚、できなくても高銅貨1枚でどうですか?もちろん、必要経費はお支払いします。」

「別に構わないわ、優勝するのは私たちですもの。ねぇ、ヴェル?」

「はひぃーっ!そうであります!」

「ねぇ、サラミスさん。もし、もしだけど、優勝したら、ボーナス出るかしら?」

「分かりました、優勝した場合は、ボーナスも考えておきましょう。」

「契約成立よ、今後ともご贔屓に頼むわね!」


冒険者登録後、1週間の少女と1日の美女。
駆け出しどころか、冒険者の卵のような存在が、支部対抗演習に抜擢された事実は、瞬く間にレヴィンの街を駆け巡り、住民のほとんどが周知の事となり、この後に起こる、小さな騒動を巻き起こすキッカケとなる。








次回:第5話『決闘』
お楽しみにお待ちください。

8月19日 21時を更新予定にしております。
感想や誤字脱字の指摘などなど
よろしければお願いし申し上げます。









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