~【まおうすくい】~

八咫烏

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第12話『皇帝』

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「ただいま審議が終了しました。」

「審議の結果ですが…二次予選突破はレヴィンの街、ただひとつに決まりました!」

「これにより、大会史上初の、本戦を行う前に優勝者が決定してしまいましたね。」

「そうですね、こんな事は初めてなのでとても驚いてますよ!」

「しかも、2位以下6位までの入賞者も、一切いません。」

「という事…6位までの賞金を、全てレヴィンの街の代表者が獲得できるという事ですか?」

「いや…さすがにそれはないと思われますよ。」

「それでは、優勝を決めた、レヴィンの街の代表者である、おふたりに、勝利者インタビューを行いたいと思います!」

そう言うと、司会の男女はユーカとヴェルの所までやって来て、質問をし始める。

「支部戦に出場するのは初めてだとか?」

「えぇそうよ。なんだか拍子抜けだわ。」

「昨日の一次予選も凄かったですね。」

「まぁの、あれくらい余裕じゃの。」

「おふたりは、かの英雄サラミス氏の推薦だと伺っておりますが?」

「あのおじさんには贔屓にして貰っているわ。」

「それでは、最後にひと言、お願いします。」

その瞬間、ユーカとヴェルはお互いに顔を見合わせ、強く頷く。
ふたりは心の中でガッツポーズをしながら、高らかに宣言をする。

「では、ひと言申し上げます。言ってやりなさいヴェル!」

すると、ヴェルは帽子をとり、綺麗なレディシュの髪を、額から掻き上げ、観客に見せつける。

「我の髪色は赤、帝都じゃと、魔女じゃなんじゃと騒ぎ、捕まってしまうらしいの?」

ヴェルは周りを見渡し、少し間を置いてから尚も続ける。

「我を魔女と思うならば、捕らえてみるがよい!しかし、我を見逃すのであれば、それは道理に合わぬ!」

今度は身体から殺気を放ち、声に力を込めていう。
観客たちは、すでに黙り込んでしまっていて、誰も魔女だと叫ぶ者はいなかった。

「我らの望みはただひとつ。即刻、捕らえられた赤い髪を持つ我が同志たちを、解放するがよい!」

「もし解放してくれるなら、賞金は辞退するわ!私たちは、捕らえられた人たちの解放、ただそれだけを望んでいるのよ。」

「この前の地震も、先ほどの翼竜も、ある事件をキッカケに暴走した帝国が撒いたタネが芽吹いた結果なのじゃてな?」

「捕らわれた人たちを解放したら赤神の、魔王領への侵攻を中止したら魔王の、彼らの怒りも鎮まるのではなくて?」

「もし、願いを聞き入れてくれぬのであれば…3度目の怒りは、我らがもたらすと思うが良い!」

ふたりの要望と宣言を聞いた観客たちは、一斉に騒ぎ始め、要望に賛成する者、反対する者、宣言に恐怖する者、に別れていた。
しかし、その騒ぎが唐突に鎮まり、全員が揃って、こうべを垂れた。
そして、ふたりの元に近づく人影。

その人物こそが、皇帝領、帝国を支配する、皇帝その人であった。
皇帝は、ゆっくりとふたりに近づき、十分に距離を詰めたところで、ふたりに話しかけた。

「なかなかに面白い茶番だったよ。」

「これはこれは皇帝陛下、このような下賎な我らに何用かの?」

「ふむ…ここでは少し目立ちすぎるな。後日、遣いを出すから、宮殿に来てくれるとありがたい。」

「それはどういう意味かしら?私たちを謀殺でもするの?」

「そんなつもりはないさ。僕も少し、軍部の暴走には手を焼いていてね。まぁ、そんなわけだから頼むよ。」

それだけ言うと、皇帝はふたりの元から去っていった。

「ねぇヴェル、今のって…。」

「この大陸を支配する、皇帝じゃな。」

「もっとヨボヨボのお爺さんかと思っていたわ。」

「あぁ、我も驚いた。あの体臭は、女じゃな。」

「え?」

「えっ…?」

ふたりがとっさに思った言葉はただひとつ、(こんなやり取り、前にもあったわ。)
それをお互いに察したのか、ユーカとヴェルはくすくすと笑い始めた。

「はぁあっ…笑い疲れたわ。」

「それはこっちのセリフじゃ!」

「それで、話を戻すけど…皇帝って女だったの?」

「うむ、上手く隠してはいたがの。我は騙されんじゃてな。」

「それじゃあ、宮殿へ行くときの手土産に、櫛でも買いに行こうかしらね。」

「それは良いの!それと、かわいいフリフリの服も買って行ってやろうぞ!」

「それじゃあ決まりね。ヴェル、サイフ出しなさい。」

「えぇ…我のお金で買うのかや?」

「あら…だって私は誰かさんのせいで、借金が沢山あるのだもの。」

「うむぅ…何度謝れば良いのじゃ。」

「もちろん何度でもよ。それじゃあ、露店でも見てから帰りましょ。」

「服はなしにしよう、の?」

「服はあなたが言い出したのでしょ…。私は初めから買うつもりなんてないわ。」

「ホッ…。では行くとしようかの。」

「なに、ホッとしてるのよ…。」

「むむっ…だってだって。」

「はいはい、分かったから。早く行くわよ。」

その後、ふたりは、露店でキレイな櫛を買い、ヴェルは串焼きを買って、泊まっている宿まで帰った。

宿に帰ると、真っ先に宿の主人が飛んできて、ジャンピング土下座をキレイに決める。

「ちょちょ…ちょっと、どうしたのかしら?」

「ユーカ様、ヴェル様、この度は本当に、ありがとうございました。」

「礼を言うのはまだ早いわ。無事に帰ってきてから言うことね。」

「そうじゃぞご主人。それに、我は腹が減ったのじゃ。」

「ははーっ!ただいま夕食の準備を致します。」

「うむ、よろしく頼むぞ!」

ようやく宿の店主から解放されると、次は子どもたちの番だった。

「お姉ちゃん、スゲーな!あのビリビリーってヤツもっかい見せてよ!」

「おねぇちゃん、かっこよかった!まぶしくてね、きれいでね、すごかったの!」

「あら、ありがとうふたりとも。でもね、あれは危ないから、見せることはできないの。」

「えーっ…1回だけおねがーい!」

「ね、おねぇちゃん。わたしもできるようになる?」

「そうね、ヤル気さえあればできるようになるわ。それとね、よく見ときなさいよ。」

そう言うと、ユーカは光と水の魔法を応用して、ダイアモンドダストをふたりに作って見せた。

「うわぁ…スゲー!おれ明日みんなにジマンする!」

「きれー、ありがとうおねぇちゃん。」

「どういたしまして、じゃあお姉さんたちは少し部屋に戻るから、後でお話ししようね。」

ようやく、店主親子に解放され、部屋に戻ると、先ほどからずっとニヤけているヴェルに文句を言う。

「なによ?そんな目で見ないでくれる?」

「いや…ははは。なんというか、ほんわかして良いのぉ。」

「ふんっ、さっさと夕食を食べに行くわよ。」

ふたりは夕食を済ませた後、宿の店主と今後の活動について、話し合いを行った。

「いい、ここまで来ればなるようにしかならないわ!絶対焦ってはダメよ!」

「うむ、ご主人、それだけは頼む。ここで問題を起こしては、すべてが水泡に帰してしまう。」

「分かりました、同志たちにもしっかりと伝えておきます。」

「それと、私たち、皇帝に呼ばれたから、何日経っても帰って来なかったら、この手紙を出してくれると助かるわ。」

「分かりました、くれぐれもお気をつけてください。」

「えぇ、この交渉が上手くまとまれば、捕らわれた人たちを全員助けることができるはずよ。」

「しかし…あの皇帝も、少し気になる事を言うておったな。」

「軍部の暴走がどうたらってやつかしら?」

「そう、それじゃ!軍部が暴走してるとなると…やつは我らを利用したいのやも知れぬ。」

「それは無いわね。私たちが命令なんて聞くわけ無いじゃない。」

「確かにそうじゃの。なにを犠牲にされても、おそらくは動かぬであろうな。」

「あら、私が人質にされていても?」

「うむぅ…それは我もさすがに努力するぞ。」

「嬉しいこと言ってくれるわね、相棒。」

「お主も逆の場合は、我の事を助けてくれるのであろう?」

「まぁ、努力はするわよ。」

「なんじゃ、ツンツンしおって、これじゃから若いもんわ…。」

「あらヴェル、それっておばさんが言う言葉よ。」

「ぬぅわっち…今のは、今のはナシじゃ!」

「それじゃあタイルさん、ここ数日間、手伝ってくれてありがとう。」

「えぇ…我はムシなの?我鳴いちゃう。」

「いえ、それはこちらのセリフです。それに、私はほとんど何もしていません…。」

「立ち上がる事は立派な事よ。私はあなたに頼まれなかったら、おそらくは気付かないフリをしていたもの。」

「ぐりゆーぅん!」

「ちょっとヴェル、うるさいわよ。夜なんだから、ご近所さんに迷惑でしょ!」

「このご恩は一生涯、忘れません。」

「よしてよタイルさん、まだこれからなんだから。」

「うむぅ…我の扱いヒドくない?ねぇ?」

「はいはい、行くわよヴェル。それじゃあタイルさん、お休みなさい。」

ユーカとヴェルは部屋に戻り、今度はふたりで会話を始める。

「とりあえず、翼竜さんたちの街道封鎖は必要なくなったわね。」

「別に続けても良いのではないか?」

「不必要な事はしなくて良いのよ。」

「それもそうじゃな。ではその様に伝えておこう。」

「それと…もうひとつ引っかかっている事があるのだけど…。」

「むむっ…まだ何かあるのか?」

「ほら、皇帝が私たちに『茶番だ。』って言ったでしょ。」

「確かに…その様な事を言うておったの。」

「それって…バレてるってことかしら?」

「どちらにせよ、今回の捕縛令や侵攻令は、皇帝の意に反しておるのだろう?」

「それはまだ分からないわ。私たちを嵌めるワナかもしれないじゃない。」

「その可能性も否定はできぬが…我々を嵌めて、どんなメリットがあるのじゃ?」

「脅して、いう事を聞かせたい、とかかしら?」

「我らと彼女との間に、戦力差がありすぎる。イヤだと押し通せば、相手も強制はできないだろう。」

「じゃあ…ハッタリなのかしら?」

「もしくは…我々に対しての言葉ではない、とかかの?」

「あら…盲点だったわ。確かに、その可能性もあるわね。」

「どちらにせよ、もう一度会うのじゃから、その時にでも聞いたら良いのじゃ。」

「それもそうね、断る理由も特にないわけだし。」

「うむ、宮殿とやらに行ってやろうではないか!」

「決まりね。呼ばれたらいきましょうか。」

「やはり宮廷料理が楽しみじゃの!」

「ーーそうね…。」



翌日、皇帝からの使者がやって来て、明日の昼ごろに、馬車で迎えを出すので、準備していて欲しいと言われた。
さらに、皇帝に失礼がない様にと、高そうなドレスをいくつかと、それに加え、靴や装身具なども渡された。

これらを全て売り払うと、借金を完済でき、なおかつ、手元にもいくらか残るほどの、とても高価なものばかりで、ふたりは少し、戸惑いを隠せなかった。
恐縮した様子でいると、使者としてやって来た初老の男性が、にこやかな笑顔で、気にするなと告げてきたので、ふたりは恐る恐る受け取り、男に謝辞を伝えた。
男は、用事は済んだとばかりに、一礼して、そのまま馬車に乗り込み、宮殿へと帰って行った。

「ヴェル…コレ、どうしよう?」

「うむ、なかなかのものじゃな。」

「手触りも良いし、見た目もすごくかわいいわ。」

「そうじゃな、この装身具もこのドレスも、きっととんでもない値段であろうな。」

「借金…返せそうね。」

「なっ…ダメじゃぞ!我コレ着たいもん!」

「明日バックレたら、借金を完済できるかもしれないのよ!」

「いやじゃいやじゃ、我は宮廷料理を喰らいたいんじゃ!」

「まぁウソだけど…。あなたの本心が聞けて良かったわ。」

「しっ、しまった…。今のはナシじゃ。」

「遅いわよ…。それじゃ、明日に備えてファッションショーでもしましょうか。」

「我は服よりメシの方が良いぞ。」

「もうっ、ノリが悪いというか、空気が読めないというか…。」

「海苔は喰らうものじゃし、空気は読むことなどできぬぞ?」

「そういう事じゃないわよっ!もう良いわ…そうね、出かけましょ。」

「どこに行くのじゃ?」

「捕らわれた人たちの様子を見に行くのよ。一応は私が頼んだから、丁重に扱ってると良いのだけど。」

「頼んだ、ね…。」

「なによ、文句あるっていうの?」

「ひぃいーっ。なんでもない、なんでもないぞ!」

「まぁ良いわ、少し心配だから、早く見に行くわよ。」

「うむ、コレで死人が出ていたら、後味が悪すぎるからの。」

「その時はその時よ、私、帝国を滅ぼす自信しかないから、あなたが私を止めて頂戴ね。」

「では、ユーカの前に、我が滅ぼしておけば良いのじゃな?」

「あら、それは良い案ね。私も止まるし帝国も滅ぶし、WinWinじゃないの。」

「まぁ冗談はこれくらいにしておこうぞ。」

「そうね、明日は皇帝のところに行かなくてはならないのだもの。思い出して、顔に出たら、笑い事じゃ済まないわ。」

「では、その場所へ案内してくりゃれ。」

「じゃあ行きましょうか。」

ふたりは、赤い髪を持つ人たちが捕らえられている収容所へ行くと、見張りの人にお願いして、中へと入れて貰った。
その後、健康状態をチェックして、特に異常がないとわかると、近いうちに必ず解放すると約束をして、収容所を後にした。
収容所を出る際に、もう一度、見張りの人に、くれぐれも、とお願いする事は忘れなかった。

用事が終わり、宿へと戻ると、宿の店主に、明日の予定を告げ、フローラさんの無事を確認してきた事を伝えて、近日中に解放される事も併せて、伝えておいた。
そろそろ、子供たちにも教えてあげて欲しいと、タイルさんに頼むと、さっそく伝えてくると言い、その隙に、泊まっている部屋へと撤退した。
それにも関わらず、部屋でゆったりと過ごしていると、ご主人の子どもたちが、部屋に突撃をしてきて、兄の方は冷静に、そして嬉しそうに、感謝の言葉を1時間ほど言って、出て行った。
妹の方は、泣きに泣いて、手が付けられなかったが、ヴェルが頑張って対応していたので、次第に落ち着きを取り戻し、すっかりヴェルには懐いた様子で、ヴェルの胸の中で泣き疲れて眠ってしまったので、そのままご主人のところまで抱っこして運ぶと、ご主人にパスした。

「賑やかというか、何というか…。」

「うむ、愉しい家族であるな。」

「そうね、キライじゃないわ。」

「これで、後には引けなくなったの。」

「そうね、必ず解放してみせるわよ。」

「それもこれも、明日に掛かっておるな。」

「えぇ楽しみだわ。」

ユーカはニヤりとした笑みを浮かべ、ヴェルも少し長く鋭い犬歯を見せる。
全ては明日、そうふたりは心に刻み、皇帝の使いが来るのを楽しみに待った。

翌日の昼ごろ、ほとんど時間通りにふたりを迎えに来た馬車は、美しいドレスに身を包み、豪華な装身具を身に纏ったふたりを中へと迎へて、そのまま宮殿を目指して走り出した。
もちろん、ドレスと装身具を身に付けた彼女たちが、とても美しい事は、言うまでもないだろう。







次回:第13話『お告げ』
お楽しみにお待ちください。

8月28日 07時を投稿予定にしております。
感想や誤字脱字の指摘などなど
よろしければお願いし申し上げます。





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