~【まおうすくい】~

八咫烏

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第26話『侵入』

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「ほぅ…黒くて巨大で、いかにも悪の権化が住んでいそうな城じゃの。」

「まぁ…魔王の城だもの。ここからは今まで以上に、気を引きしてなさいな。」

魔王の城、その敷地内に入って、一番にふたりを出迎えるのは、金属質の巨大な門。
色は黒いが、金属特有の光沢があり、てらてらと怪しげな光を放っていたる。
その門の両脇には、人の5倍以上の高さはあるであろう、青銅色のガルグイユの像。
それが、石でできている台座に鎮座していた。
台座の上に、静かに眠るような表情で置かれていた、左右ふたつのガルグイユの像は、ユーカとヴェルが門を越えようとした瞬間に、ピクリと反応して、一瞬でユーカとヴェルの前に降り立った。

「止マレ、貴様タチハ何者ダ?」

赤いルビーのような眼を開き、左に立つガルグイユがふたりに問う。

「私たちは、帝国領から皇帝の遣いとして来たの。通してくれるかしら?」

ユーカが答えると、右に立つガルグイユが、続けて問う。

「此処ガ魔王様ノ城ト知ッテ参ッタトデモ言ウノカ?」

「そうじゃぞ。我は早く帰ってマウミ牛の肉を喰らいたいのじゃ。さっさと通してくりゃれ。」

「悪イガ、許可ノ無イ者ハ、ヒトリタリトモ通ス事ハ出来無イ。」

「即刻立チ去ラネバ、実力ノ行使ニテ貴様等ヲ排除スル。」

「困ったわね…。立ち去れないし、魔王の城の庭先で、暴れるなんて、バレちゃうわ。」

ユーカがあれこれと思案している内に、ヴェルは、先手を取ろうと、さっそく2体のガルグイユに攻撃を仕掛け始めた。
しかし、ここしばらくの強行軍で疲れているためか、はたまたガルグイユたちが思った以上に強力な相手だったためか、ヴュが放った攻撃は、ガルグイユの目の前で消し飛んでしまった。

「なっ…!?ユーカ!こやつらケッコー強いぞ!」

「あぁもうっ!なんで先に手を出してるのよっ!」

「本能的に危険を感じたのじゃ、先にやらねばやられるぞ!」

「先にやったくせに、何もできてないじゃないの。」

「我が思ってた以上に強力じゃということじゃの。」

「それってつまり…?」

「かなりヤバい相手なのじゃ。」

「そう、じゃああなたは左ね。」

「えぇっ…。我の話聞いてたかや?強力な相手じゃから、ふたりで協力して倒そうと…。」

「できるの?できないの?」

「分かったわかった、やれば良いのであろう?」

「さすがヴェルね、じゃあそっちは頼んだわよ。」

「うむ、なんなら我もお主、どちらが先に倒せるか、競争するかや?」

「負けた方は勝った方に肩もみ1時間よ。」

「うむ、では我もちぃっと本気を出そうかの。」

こうして、右のガルグイユはヴェルが、左のガルグイユはユーカが相手をすることになり、ふたりの魔王領での初めての戦闘らしい戦闘の火蓋が切って落とされた。

ユーカは2匹のガルグイユの真ん中に割って入り、そこから左に向き直り攻撃を仕掛け、ヴェルは右から後ろに回り込み、攻撃を仕掛けようとする。
ユーカの攻撃を、左のガルグイユは見事にさばき、そのまま自分の後ろへと回り込もうとするユーカに対して、的確に反撃をする。

ヴェルの、回り込んでの攻撃は、右のガルグイユが事前に察知したせいで、失敗に終わり、逆に、右にいたガルグイユがヴェルの目の前に突然現れ、一瞬の隙をついてヴェルに攻撃を仕掛ける。
攻守が入れ替わり、ヴェルは防御の秘法で覆った両手を器用に使い、ガルグイユのすべての攻撃を弾いていく。

ユーカとヴェルの距離が、程よく開き、1対1の戦闘に、キレイに移行した。

ユーカは回り込む事を諦め、フェイクに使い、ガルグイユが向き直った瞬間に、真上に跳躍して、ガルグイユを見下ろす。
そのまま地面を抉る様にして魔法を放ち、土けむりで辺り一面の視界が悪くなる。

ヴェルはなおも、ガルグイユとの攻防が続いていたが、不意に後方から襲ってくる土けむりに身を隠し、その隙にガルグイユから少し距離をとる。
そのまま、ユーカに光で合図を送ると、ヴェルが退避した目と鼻の先を、土が溶けてドロドロになる様なくらい高温の熱線が通り過ぎる。

「わっ、ちょっ…。危ないではないか!」

「何よ、私の大技を利用しようとしたくせに。」

「何か大きな魔力の気配がしたから、我の分まで一緒に倒してもらおうと思っただけじゃぞ。」

「でも…この程度の技じゃ足りなかった様ね。」

「うむ、それに…目の色変わってないかや?」

「あら、本当だわ。鮮やかでキレイだったのに、ドス黒い赤になってるわね。」
 
ユーカの言った通り、赤いルビーの様に明るくキレイで鮮やかだった2匹のガルグイユたちの目は、ドス黒く、血の固まった後の様な色に変化していて、明らかに危険な雰囲気を放っていた。
さらには、青銅色だった身体の色が、だんだんと黒に近い色に変わっている最中だった様で、みるみるうちに黒い体へと変化を遂げた。

「ちょっと…さっきより強くなってるじゃないの。」

「これは想定外じゃな…。どうするのじゃ?」

「どうするもこうするも、さらに強い力で押し通ったら良いのでしょ?」

「それもそうじゃな。では我も、尻尾まで出すとするかの。」

「ハネはダメよ、この前の帝都での戦いの時、服まで破ったでしょ。」

「うむ、いつの間にか繕ってあったのじゃが、ユーカが直してくれたのかや?」

「さぁ?どうかしらね、っと。」

ふたりが呑気に会話している最中も、2匹のガルグイユは、ふたりに向かって様々な攻撃を仕掛けてきた。
色が変わったことにより、パワーアップした2匹のガルグイユは、先程までとは段違いに強い力だったが、それでもユーカとヴェルの会話を中断させるほどでもなかった。
しかし、最後の攻撃だけは、とても強力で、重さの乗った一撃だったので、その攻撃から、腕一本で凌いだユーカも、さすがに声が出てしまった。

「まぁヴェル、話は後にしましょう。ガルグイユさんたちに失礼だわ。」

「そうじゃの。それじゃあ、第二ラウンドと行こうかの?」

「ふふっ…楽しくなってきたわね。」

「な、なぁ…じゃからソレは、戦闘狂の言葉じゃて…。」

「少しくらい楽しんでも、別にバチは当たらないでしょ。」

そう言うと、ふたりは再び二手に分かれ、それぞれ1匹ずつ、ガルグイユに相対した。
そのまま、第二ラウンドへと突入すると、ガルグイユは、先程まではガードにしか使っていなかった魔法を、今度は攻撃にも使う様になっていた。

大きく腕を振り、カマイタチによってバラバラに切り裂こうとしたり、叫び声をあげながら、何やら変な物質を撒き散らしたり、目線を動かした先に瞬間移動をしたりと、先ほどよりも圧倒的に戦い方が多彩になり、厄介な相手となっていた。

しかし、ユーカはもともと気にしていなかったが、ヴェルももう既に、気にする様子もなく、一人で1匹を相手する事が当たり前かのように、先ほどよりも強力な攻撃を、迷うことなくガルグイユへと向けて放っていた。

ユーカは手を緩めることなく、絶えずガルグイユへと爆発する焔を放ち続け、相手の視界を遮っていた。
そして、ガルグイユがヨロヨロと後ろにバランスを崩した瞬間、土の魔法で地面にぽっかりと穴を開けて、その穴の下へとガルグイユを落とした。
さらに、その穴の中にガルグイユが落ちたことを確認すると、すぐに穴を閉じて、ガルグイユを中心として、土を加圧していった。
30秒ほど加圧し続け、ぺったんこになったと思い力を弱めた瞬間、地面の中から、漆黒の身体に、燃える様な紅い目を持つガルグイユが姿を現した。

ヴェルは、しっぽを出したことによって、秘法の質も量も上がり、圧倒的な火力と、圧倒的な手数でガルグイユをボッコボコにしていく。
最後に、ガルグイユを中心として大爆発が起こり、焔の光が辺り一面を照らし、視界を失った。
しかし、爆炎が収まった後に、ゆっくりと目を開けて前を見ると、そこには、漆黒の身体に燃える様な紅い目でギラギラと睨めつけてくるガルグイユが立っていた。
その異様さを察知したヴェルは、とっさにその場から距離を取り、様子を伺った。

漆黒のガルグイユは、地面から這い出てきた刹那、激しい怒りに身を任せて、大きな声で叫び声をあげた。
その叫び声には、濃厚な殺気が含まれており、少し先ほどまで、2匹のガルグイユが静かに座っていた台座は、その殺気のために、もろくも砕け散り、小さな粒の小石や砂へと変わり果てていた。
金属質な漆黒の門にしても、既に原形がわからないほどに、変形してしまっていた。

殺気を込めて叫びをあげたガルグイユは、ユーカに向き直ると、先ほどとは比べ物にならない、一点集中のとても強力な魔法を、何度もなんどもユーカに向けて、絶えず撃ち続けた。

しかし、いくら撃ち込んでもビクともしないユーカを見て、ガルグイユは距離を詰めて、格闘戦に持ち込もうとした。
それを待ってましたと言わんばかりに、ユーカも一歩、ガルグイユの方へと歩き出した。
一歩どころか、二歩三歩と、止まることなく進み、遂にはガルグイユの懐へと飛び込んだ。
そのままユーカは、ガルグイユのアゴをめがけて、拳を振り上げた。
いつかの帝都の戦闘で見せた様に、強力な魔力を帯びさしただけの、単なる右手で思いっきり。
ドゴーんっ!と岩が何かにぶつかって砕け散る様な音がした後、天高くへと一直線に高速で上昇していく、漆黒の塊があった。
放物線を描くために、徐々にスピードが落ちてきたと思ったその瞬間、したから猛スピードで上昇してきた何かの物体が、漆黒の物体を追い抜かし、そのまま漆黒の物体を地面へと叩きつける様に再び右手を振り下ろした。
漆黒のガルグイユは、なす術なく、高速で地面へと激突し、その威力は、地面にクレーターができるほどだった。

フラつきながらも、ボロボロの体で、クレーターの中から這い出てくる漆黒のガルグイユに対して、ユーカは敬意を払って優雅に一礼する。
そして、サヨウナラと小さな声で呟き、土の魔法でクレーターごと地中の奥深くへと埋め込んだ。
その様子はまるで、地面がクレーターを飲み込んだ様にも見え、もう二度とガルグイユが地表に上がってくる事はないと思わせるほどだった。
その後、ユーカは封印の結界でガルグイユを埋めた一帯をガチガチに固め、ヴェルに歩み寄った。

「遅かったの。のんびりしおって…。」

「あなたが早すぎるのよ、何よさっきのアレ。」

「んあ?アレかや?まぁ、ユーカには教えてやっても良いがの…。」

「チラチラこっちを見ながら言わないでくれる?少し腹がたつわ。」

「うむぅ…なかなかひどいことを言うの…。」

「それで、さっきのアレは魔法ではないの?」

「アレは我の特殊な技能、言うなれば特技じゃな。」

「ふーん…ドラゴンにはいろいろとズルい力があるのね。」

「お主が簡単に魔法をいじくりまわすのも、おそらくじゃが特技じゃと思うぞ。」

「あら…無自覚だったわ。あなたからはそう見えるのかしら?」

「逆にあの様な不思議パワーを見せられて、特技以外じゃとは思わぬぞ。」

「もしかして、特技って誰でも使えるのかしら?」

「いや…そんな事はないと思うのじゃが…。」

「他に誰か特技を使っている人を見た事があるのかしら?」

「まぁ、我とお主の共通の知り合いの中じゃと、サラミス殿も特技を使えたはずじゃ。」

「ふぅん、やっぱり凄かったのね、あのおじさん。」

「お主がもらった本とて、サラミス殿の特技によるものじゃろ。微かにサラミス殿の魔力を感じるのでな。」

「それは私も感じていたけど、長年サラミスさんが愛用していたからだと思ってたわ。」

「おそらくじゃが、サラミス殿の特技は、自分が体験してきた事を本にする事ができたのじゃろうな。」

「それって私でも、あなたでさえできると思うけど…。」

「うーむ…何と説明したら良いか。とりあえず特技は特別なのじゃ。日記やらを元に、普通に書いたモノとは少し異なる。」

「そう。でも…あなたのさっき使った特技は、少し使い場所を考えなければいけないわね。」

「す、すまぬ…。まさか森が消し飛ぶとは思わなんだ。」

「まぁ、帝都の時に使わなかったのは正解ね。」

「全くその通りじゃな。ここまで威力があるとはの。」

「でも、アレでもハネを出してないから、全力の4分の1なのでしょ?」

「全力で撃てるかは分からぬから、そこまでは言えぬが、アレでも制約があったのは確かじゃな。」

「ヴェル、絶対に城に向けて撃ってはダメよ。魔王の城が消し飛んじゃうんだから。」

「わ、分かったのじゃ。」

「それじゃ、先に進みましょ。」

「うむ、肩たたき1時間、よろしく頼むぞ!」

「はぁ…。肩が粉砕しない様に願う事ね。」

「それ肩たたきじゃないぞ!」

「私流の肩たたきは肩のコリと同時に、肩ともおさらばするのよ。」

「そんな物騒な肩たたきなぞ、聞いた事がないの。」

「あぁでも、しばらく肩たたきなんてして遊んでるヒマはなさそうね。」

「うむ、門番もなかなか手ごわかったの。」

「このレベルがゴロゴロいると思った方が良いわ。」

「恐ろしいを通り越して、凶悪じゃの。」

「それでも、私とあなただったら、勝てない相手じゃないはずよ。」

「確かに、我らはサイキョーやも知れぬの。」

「でも…ねぇヴェル、この先、もしも私たちでは全く歯が立たない相手があらわれたら、あなたはどうするの?」

「我なら…潔く負けを認めるかの。」

「それじゃあ、世界を救う事を諦めるって事なの?」

「それは違うぞ。我はただ、負けを認めずに悪あがきをして、ムダ死にするくらいなのであれば、しっぽを巻いて逃げると言ったのじゃ。」

「逃げても世界は救えないのではなくて?」

「我はな、捲土重来という言葉が好きじゃ。命さえあれば、なんども挑戦できるじゃろ?」

「挑戦できても、勝てなければ意味ないじゃない。」

「百度闘ってみて、一度も勝てなかったとしても、百一度目はどうか分からぬであろ?」

「100回も闘う前に、負けて死んじゃうかもしれないのよ?」

「だから、潔く負けを認めて、死ぬ前に逃げるのじゃ。」

「それはただ、逃げ回っているだけじゃないの。」

「生きていれば、勝てるかもしれない可能性がある。しかし、死んでしまっては絶対に勝てない、絶対にじゃ。そうであろ?」

「じゃあ、自分が犠牲になれば、世界が救えるのだとしたら、あなたはどうするの?」

「そうじゃな…まずは他の方法を探すかの。それが無かったら、次は我が助かる方法を探す。」

「それでも無かったら?」

「それでも無かったら…それは、その時考えるとしようかの。」

「何よそれ…答えになってないじゃない。」

「我の死を悲しんでくれる者がいるうちは、我は死ぬわけにはいかぬ。」

「あなたはあなたのまんま、変わらないわね、ヴェル。」

「ほめ言葉かや?」

「そうよ、珍しく私が、あなたの事を褒めてあげているの。」

「案ずるなユーカ。我はなお主の前で死んだり、お主の前から消えたりはせぬよ。」

「何よ…別にあなたが居なくても寂しくなんかないんだからね!」

「ほほほほ、ユーカは可愛いのぉ。」

「やん、ちょっと…やめなさいよ。ちょ、あっ…やっやめっ、やめなさいってば!」

ごちーんとヴェルの頭の上に拳を振り下ろし、強制的にヴェルの動きをフリーズさせる。

「わわ、我、いま一瞬お花畑が見えたぞ。」

「あら、お花の仲間入りができなくて残念ね。」

「なぁ…さっきまで良い感じの雰囲気じゃったのに、イキナリぶち壊しかや?」

「うっ、うるさいわねっ!さっさと行くわよ。」

「うむ、そうじゃの。これだけ騒いだのじゃ、強いやつらがうじゃうじゃと出てきそうじゃの。」

「まだ門を超えたばかりだなんて…先が思いやられるわ。」

「それにしても、初戦から相手にとって不足なし、と言ったところじゃな。」

「たかだか門番がこんなに強いだなんて、聞いてないわよ…。」

「次はどんな敵がやってくるか楽しみじゃの。」

ふたりは申し訳程度に、壊した門を魔法で直し、左右の台座に座るガルグイユがなくなった門を背に、魔王の城の敷地を堂々とまたいだ。









次回:第27話『魔王の城』
お楽しみにお待ちください。

9月7日 21時を更新予定にしております。
感想や誤字脱字の指摘などなど
よろしければお願いし申し上げます。


9月5日 23時 加筆修正を行いました。
これからも引き続き、よろしくお願い致します。




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