210 / 245
幕間話2
SS 勘違いの池の主
俺の名前はスリーフラット。
世界を股にかける釣り野郎だ。
今日、俺はホムーロス王国にあるとある池に、幻の主がいるという情報を手にやってきた。なんでも、この池にはバスは全てが体長五メートルを超える化け物がわんさかいるのだとか。さすがにそれは眉唾だとは思うが、その噂の元くらいは確かめたい。
谷池タイプで、透明度が高く推進が深い。こういう池では障害物が多く、バスなどの魚が好んで生息する。こういう場所では、朝や夕方、風が吹いたときに魚は回遊することが多い。昨日は下見だけで終わったが、今日からが本番だ。
朝のうちに勝負を終わらせる――そんな意気込みで俺はやってきた。
「あ、おはようございます」
想定外だった。まさか、先客がいやがるとは。
銀色の髪の少年――まさか、こいつも主を狙ってここまでやってきたのだろうか?
「はじめまして、僕はクルトと申します。ここでは美味しい魚がいるんで、今日の昼食にしようと来たんです。お兄さんもマスを狙って?」
「……まぁそんなもんだ」
なるほど、地元の子供か。
三十歳半ばになろうかという俺のことをおじさんではなく、お兄さんと呼んだことだけは評価してやるが、しかし、素人がいるのは厄介だな。
まぁいい、少し離れた場所から狙うとするか。
しかし、ここはハズレかもしれん。
池の浅い場所を見ると、おたまじゃくしが群れをなしていた。巨大な肉食魚がいる池でおたまじゃくしが繁殖することはあまりない。そう思って少年の方を見たら、立派なバスを釣り上げていた。
――訂正する。ここはどうやら大きな魚がいるようだ。
俺は針に羽虫をつける。この羽虫はまだ生きており、ずっと羽を動かして逃げようとしている。これが魚をおびき寄せるのだ。
そして、俺は竿を振るった。
いきなり竿に反応があった。
釣り上げる――なかなかの大きさのバスだ。しかも色もいい。これなら、軽く泥を吐かせればいい値で売れるだろう。
俺は水の張った桶の中にバスを入れた。
どうだ、俺のテクニックを見たか――と少年の方を見ると、少年は人間の頭サイズの亀に噛みつかれていた。
なんでそうなるっ!?
あの亀は基本、自分より大きな生物には襲い掛からない。よほど少年のことを弱そうに見えたのだろうか?
さすがに放っておけない。
そうだ、助けるついでに、「亀にやられるようならこの場所は危ない。そうそうに町に帰るんだ」とでも警告して追い出そう。
――そう思ったとき、どこからともなく矢が飛んできて、亀に突き刺さった。
なにがあったのかわからない。
それは少年も同じのようで、亀から矢を抜いて、不思議そうにしている。
「あなたが矢を放ったことにしてください。あと、クルト様の邪魔はしてはいけませんよ」
突然、背後から女の声が聞こえてきた。
振り返ってもそこには誰もいない――まるで幻でも見たかのようだ。だが、それは幻聴ではなかった。なぜか俺の汗ばむ手には弓が握られていた。
恐ろしい――いったいなんなのだ? 森の精霊のいたずらか?
少年は俺が弓を持っていることに気付き、近付いてきて、
「ありがとうございました。助かりました」
と矢を俺に渡した。返しにきてくれたつもりだろう。
「あ、あぁ、気にするな。釣り人同士、助け合うのはマナーだからな」
少年が尊敬する眼差しで俺を見てきた。
居心地が悪い。俺は助けようとはしたが、この少年を池から追い出そうとしていたのに
その後、私は少年のことが気になってしかたがなかった。
少年が竿を振るう。
魚が食いつく。
竿を上げる。
ひとつの針にバスが三匹食いついている。
「――ってなんでだっ!」
「え? どうかしましたか?」
「い、いや、なんでもない」
俺は首を振った。
間違いだ。何かの間違いだ。同じ針で魚が三匹も釣れるなんて、どういう現象だ?
「ん?」
ふと池の変化に気付いた。
池の様子がおかしい。
俺ほどの熟練者になると、魚がどこにいるかだいたいわかる。
しかし、俺の前にいたはずの魚がどこにもいなくなっていた。すべての魚が少年の前に行ったのだ。まるで、自分から釣られに行っているかのように。
池の魚だけではない。俺が釣り上げた魚までも、少年の方に行こうと桶の淵に体当たりしている。
もしや――
「少年っ!」
俺は少年の方に駆け寄った。
邪魔するなと言われたが、そんなこと関係ない。
「その餌なんだが――」
「これですか?」
少年が差し出したのは、練り餌だった。
通常、この池で釣れるバスに練り餌は有効ではない。なぜなら、鯉や鮒と違い、ここにいる奴らは匂いにあまり敏感ではない。練り餌は動かないから、匂いを感じても動かなければ興味を失せてしまうのだ。
にもかかわらず、三匹も同時に釣った。
「俺もここで釣っていいだろうか?」
「ええ、構いませんよ。よかったら僕の餌も使いますか? 朝御飯の残りで作ったんですけど」
「あ、あぁ、使わせてもらおうかな」
俺はそう言って、数回分の練り餌を貰った。
物は試しだ。
俺はその練り餌を使ってみることにした。
(え? 朝御飯の残りって言わなかったか?)
いまさらそんなことを考える。
竿を振った。
餌が着水する直前、バスが水から飛び出して食いついた。
海上で、トビウオを網で捕まえたことはある。しかし、空中でバスを釣るのは生まれて初めての感覚だった。というか、もうこれは釣りではない。
「……あぁ、ありがとう。俺はもう帰るよ」
「え? もう帰られるんですか?」
「ああ、これで十分だ」
俺は荷物を片付け、釣った魚を持って立ち去った。
この池には主がいる――そんな噂を聞いてここまでやってきたが、なんてことはない。
主はこの少年だった。
こんな化け物と一緒に釣りをしていたら、俺の釣りの概念が壊れてしまう。
そうだ、今度は東の国にでも行ってみるか。
少年から貰った練り餌の残りを食べながら(とっても美味だった)。
※※※
「クルト様、バス釣りはいかがでしたか?」
「リーゼさん。結構釣れましたよ……あれ? なんで僕がバス釣りをしていたってわかったんですか?」
「それは……風の噂です! そういえば、クルト様、バス釣りに行かれるのは久しぶりですわね。前は三日に一度は行っていらっしゃったのに」
「ユーリシアさんに止められたんです。僕の餌を食べ過ぎると、バスが巨大化して生態系が破壊されるそうで、回数制限しているんです。大袈裟だと思うんですけどね」
「本当に大袈裟な人ですわね(それで先週ファントム十人がかりで巨大バスを処理したのでしたね)」
世界を股にかける釣り野郎だ。
今日、俺はホムーロス王国にあるとある池に、幻の主がいるという情報を手にやってきた。なんでも、この池にはバスは全てが体長五メートルを超える化け物がわんさかいるのだとか。さすがにそれは眉唾だとは思うが、その噂の元くらいは確かめたい。
谷池タイプで、透明度が高く推進が深い。こういう池では障害物が多く、バスなどの魚が好んで生息する。こういう場所では、朝や夕方、風が吹いたときに魚は回遊することが多い。昨日は下見だけで終わったが、今日からが本番だ。
朝のうちに勝負を終わらせる――そんな意気込みで俺はやってきた。
「あ、おはようございます」
想定外だった。まさか、先客がいやがるとは。
銀色の髪の少年――まさか、こいつも主を狙ってここまでやってきたのだろうか?
「はじめまして、僕はクルトと申します。ここでは美味しい魚がいるんで、今日の昼食にしようと来たんです。お兄さんもマスを狙って?」
「……まぁそんなもんだ」
なるほど、地元の子供か。
三十歳半ばになろうかという俺のことをおじさんではなく、お兄さんと呼んだことだけは評価してやるが、しかし、素人がいるのは厄介だな。
まぁいい、少し離れた場所から狙うとするか。
しかし、ここはハズレかもしれん。
池の浅い場所を見ると、おたまじゃくしが群れをなしていた。巨大な肉食魚がいる池でおたまじゃくしが繁殖することはあまりない。そう思って少年の方を見たら、立派なバスを釣り上げていた。
――訂正する。ここはどうやら大きな魚がいるようだ。
俺は針に羽虫をつける。この羽虫はまだ生きており、ずっと羽を動かして逃げようとしている。これが魚をおびき寄せるのだ。
そして、俺は竿を振るった。
いきなり竿に反応があった。
釣り上げる――なかなかの大きさのバスだ。しかも色もいい。これなら、軽く泥を吐かせればいい値で売れるだろう。
俺は水の張った桶の中にバスを入れた。
どうだ、俺のテクニックを見たか――と少年の方を見ると、少年は人間の頭サイズの亀に噛みつかれていた。
なんでそうなるっ!?
あの亀は基本、自分より大きな生物には襲い掛からない。よほど少年のことを弱そうに見えたのだろうか?
さすがに放っておけない。
そうだ、助けるついでに、「亀にやられるようならこの場所は危ない。そうそうに町に帰るんだ」とでも警告して追い出そう。
――そう思ったとき、どこからともなく矢が飛んできて、亀に突き刺さった。
なにがあったのかわからない。
それは少年も同じのようで、亀から矢を抜いて、不思議そうにしている。
「あなたが矢を放ったことにしてください。あと、クルト様の邪魔はしてはいけませんよ」
突然、背後から女の声が聞こえてきた。
振り返ってもそこには誰もいない――まるで幻でも見たかのようだ。だが、それは幻聴ではなかった。なぜか俺の汗ばむ手には弓が握られていた。
恐ろしい――いったいなんなのだ? 森の精霊のいたずらか?
少年は俺が弓を持っていることに気付き、近付いてきて、
「ありがとうございました。助かりました」
と矢を俺に渡した。返しにきてくれたつもりだろう。
「あ、あぁ、気にするな。釣り人同士、助け合うのはマナーだからな」
少年が尊敬する眼差しで俺を見てきた。
居心地が悪い。俺は助けようとはしたが、この少年を池から追い出そうとしていたのに
その後、私は少年のことが気になってしかたがなかった。
少年が竿を振るう。
魚が食いつく。
竿を上げる。
ひとつの針にバスが三匹食いついている。
「――ってなんでだっ!」
「え? どうかしましたか?」
「い、いや、なんでもない」
俺は首を振った。
間違いだ。何かの間違いだ。同じ針で魚が三匹も釣れるなんて、どういう現象だ?
「ん?」
ふと池の変化に気付いた。
池の様子がおかしい。
俺ほどの熟練者になると、魚がどこにいるかだいたいわかる。
しかし、俺の前にいたはずの魚がどこにもいなくなっていた。すべての魚が少年の前に行ったのだ。まるで、自分から釣られに行っているかのように。
池の魚だけではない。俺が釣り上げた魚までも、少年の方に行こうと桶の淵に体当たりしている。
もしや――
「少年っ!」
俺は少年の方に駆け寄った。
邪魔するなと言われたが、そんなこと関係ない。
「その餌なんだが――」
「これですか?」
少年が差し出したのは、練り餌だった。
通常、この池で釣れるバスに練り餌は有効ではない。なぜなら、鯉や鮒と違い、ここにいる奴らは匂いにあまり敏感ではない。練り餌は動かないから、匂いを感じても動かなければ興味を失せてしまうのだ。
にもかかわらず、三匹も同時に釣った。
「俺もここで釣っていいだろうか?」
「ええ、構いませんよ。よかったら僕の餌も使いますか? 朝御飯の残りで作ったんですけど」
「あ、あぁ、使わせてもらおうかな」
俺はそう言って、数回分の練り餌を貰った。
物は試しだ。
俺はその練り餌を使ってみることにした。
(え? 朝御飯の残りって言わなかったか?)
いまさらそんなことを考える。
竿を振った。
餌が着水する直前、バスが水から飛び出して食いついた。
海上で、トビウオを網で捕まえたことはある。しかし、空中でバスを釣るのは生まれて初めての感覚だった。というか、もうこれは釣りではない。
「……あぁ、ありがとう。俺はもう帰るよ」
「え? もう帰られるんですか?」
「ああ、これで十分だ」
俺は荷物を片付け、釣った魚を持って立ち去った。
この池には主がいる――そんな噂を聞いてここまでやってきたが、なんてことはない。
主はこの少年だった。
こんな化け物と一緒に釣りをしていたら、俺の釣りの概念が壊れてしまう。
そうだ、今度は東の国にでも行ってみるか。
少年から貰った練り餌の残りを食べながら(とっても美味だった)。
※※※
「クルト様、バス釣りはいかがでしたか?」
「リーゼさん。結構釣れましたよ……あれ? なんで僕がバス釣りをしていたってわかったんですか?」
「それは……風の噂です! そういえば、クルト様、バス釣りに行かれるのは久しぶりですわね。前は三日に一度は行っていらっしゃったのに」
「ユーリシアさんに止められたんです。僕の餌を食べ過ぎると、バスが巨大化して生態系が破壊されるそうで、回数制限しているんです。大袈裟だと思うんですけどね」
「本当に大袈裟な人ですわね(それで先週ファントム十人がかりで巨大バスを処理したのでしたね)」
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
【完結】転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。