VR世界の双剣少女は初めてのゲームを満喫する

時野洋輔

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初心者ダンジョンを攻略しました(その3)

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「ふぅ、終わった」

 ノワバットを倒し終えた。
 チャージ攻撃、結構便利かも。
 でも、三秒のチャージが必要っていうのがやっぱりネックだな。
 接戦ではやっぱり使えそうにないや。
 足下には【蝙蝠の羽】と【蝙蝠の牙】、【ダンジョンメダル(E)】が落ちていた。
 蝙蝠の羽と蝙蝠の牙は加工できたりギルドに売ったりできて、ダンジョンメダルはランクに応じたアイテムと交換できるんだよね?
 全部拾っておこう。

「でも、あれだけのノワバットを倒したのに、レベルが上がらないのはなんでだろ?」

 確かまだレベル2だったよね?
 リーフさんは初心者ダンジョンに潜ればすぐにレベル10まで上がるって教えてくれたんだけど。
 ステータスを確認してみる。

「ステータスオープン!」

――――――――
NAME:コトネ
RACE:人間種
LEVEL:13

HP:235/235
SP:65/65
ATK:50
DEF:25
INT:15
MGR:10
AGL:35
DEX:20
LUK:20

POINT:120

TITLE:【冒険者】【期待の新人】【大型ルーキー】【無謀な挑戦者】【全滅しました(※敵が)】【片付け最速王】
――――――――

なにこれ? レベルが13になってる?
それに、知らない称号が増えてる。

【無謀な挑戦者:HPが5アップする】
【全滅しました(※敵が):取得経験値が1%アップする】
【片付け最速王:AGLが5アップする】

 称号の効果はわかりやすいけれど、いつの間に取得したんだろ?
 あ、ここを調べれば取得条件がわかるらしい。

【無謀な挑戦者:モンスターハウスに挑んだ勇者に与えられる称号】
【全滅しました(※敵が):モンスターハウスの敵を全滅させた者に与えられる称号】
【片付け最速王:モンスターハウスの敵を一定のタイム以内に全滅させた者に与えられる称号】

 モンスターハウス?
 なにそれ?
 さっきのノワバット……じゃないよね、さすがに。

 もしかして私、蜘蛛から逃げ回っているうちに何かやっちゃったの!?
 …………よし、見なかったことにしよう!
 それより、ポイントが結構貯まってるよ。
 確か、HPとSP以外のステータスに割り振ることができるんだよね?
 ちゃんと教えてもらっててよかったよ。
 何も知らなかったら、買い物のときに現金の代わりに使えるお買い物ポイントみたいなものかと思うところだった。
 それに、ステータスの意味もちゃんと覚えてるよ。
 ATKは相手に与えるダメージ量が増えて、DEFは相手から受けるダメージが減る。
 INTは魔法で与えるダメージが増えて、MGRは相手から受ける魔法のダメージが減る。
 AGLは素早くなって、DEXは器用になる。
 最後にLUKは運がよくなる。
 運がよくなるって言ってもギャンブルが強くなるわけじゃなくて、クリティカルダメージっていういつも以上にダメージを与える攻撃が発生しやすくなったり、逆に相手のクリティカル攻撃が発生しにくくなったりするらしい。
 んー、とりあえずAGLに20ほど振ってみようかな?
 速く動ければ何度も攻撃できるし相手の攻撃だって避けやすくなるよね?
 ステータスを割り振る。
 これで速くなれるのかな?
 ノワバットのいた通路を走ってみる。

「わぁ、速い速い! 陸上選手になったみたい!」

 カマキリのモンスター発見!
 名前は『カマンティス』か。
 昆虫の中ではカマキリは好きな方なんだよね。
 二本の鎌が二刀流みたいでカッコいいから。
 でも、カワイイ魔物よりは遥かに戦いやすい。

「行くよ!」

 カマンティスの鎌と私の双剣がぶつかる。
 うーん、結構鎌が鋭利で当たると痛そう。
 それに力負けして、剣が押されてる。
 なら、一度引いて受け流して斬る!

 私が一歩引いたことでバランスを崩したカマンティスの懐に一撃を叩きこむ。
 あ、いまのはいい感じにダメージが入ったみたい。
 カマンティスが倒れて、液体の入った薬瓶だけが残った。 
 初心者ダンジョンに入る前に買った初級ポーションという傷薬だ。

「魔物も薬とか持ってるんだ」

 一体どうやって手に入れたんだろ?
 もしかして、他の冒険者を襲って?
 ……ゲームだからそういうことは深く考えなくていいのかな。
 んー、もうちょっと速くてもよさそうだけど、さっきカマンティスに力負けしちゃったな。
 やっぱりATKを上げた方がいいのかもしれない。
 あと、さっきカマンティスに剣が当たったとき、いつもよりいい感じにダメージを与えた気がしたんだよね。たぶんあれがクリティカルなんだと思う。
 あれは気持ちよかった。
 LUKを上げたらもっとクリティカルが出やすくなるのかな?
 だったら、残り100ポイントのうちATKに50、AGLとLUKに25ずつ割り振ろう。
 これでダメだったら、またレベルを上げて考えればいいよね。
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