ジェンダーレス男子は花を愛でる

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2✿美少女の正体

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 入学式を終えてぞろぞろと教室へ戻っていく生徒達。紫陽と雅紀は同じ一組だったので一緒に教室へ向かっていた。

「いきなりクラス離れなくてよかったよな~。それにしても首席合格の子!めっちゃ美人だったな!!あれは予想外だったわ!」

「ガリ勉男じゃなかったな。」

「いや、あんなの誰が予想出来るかっての!みんな言ってんぜ?まさに高嶺の花だって・・・・・」

 横を歩いていた雅紀が急になにも言わずに周りを見渡して、今度はニヤニヤしながら紫陽の方を見てきた。

「なんだよ?」

「別に?、、、いや相変わらず俺の親友はモテ男ですなぁ~と。流石パーフェクト王子!」

 そう言われて紫陽も周りを見渡すと頬を赤らめながらこちらをチラチラと見つめてきている女子達の視線があった。

「まぁ、紫陽ならあの高嶺の花ちゃんと並んでも遜色ないだろーな!どうよ?狙ってみたら・・・」

「ちょっと、待ちなさいッ!華園さん!!!」

 雅紀の話を断ち切るように慌ただしい女教師の声が廊下に鳴り響いた。よく見れば入学式で肩を震わせていたクラス担任だ。


「はい。何でしょうか?」


 一瞬にして静まり返った廊下。そんな状況にも全く動じた様子なくキョトンとした顔で返事をする華園 葵。

「何でしょうじゃないでしょう!?何てことをしてくれたの・・・入学早々、ましてや主席合格の貴方がまさかそんな、、そんなッ・・・」


 しかしその場にいた生徒達は誰一人としてこの教師が一体何にそんなに慌てふためいているのか全く検討もつかなかった。


「何か問題でも?」

 当の本人もよくわかっていないようだ。
  

「問題?!問題どころじゃないでしょッその制服は一体どういうつもり!?」


(制服???)


 その言葉に皆が華園葵の方を見た。学校指定のブレザーにチェックのスカート。一番上までしっかりと閉められたボタンの上に藍色のリボン。全く着崩すことなく綺麗に着られたその制服姿は誰がどう見ても何も問題がないように見える。


「華園葵さん!!貴方は男子生徒でしょう!?」


「・・・」


「「「はいぃー!??」」」


 誰も想像出来なかったその真実に生徒達は唖然とする。


「今、男子って言ったか!?」

「言った言った!!嘘でしょ?」

「うわぁ~俺普通に一目惚れしちまったよ・・・」

「いや、俺もだって!男でスカートとかヤバくね?変態かよ。」

 
 1組前の廊下は一気に騒然となった。


(おいおい、、まじかよ。どう見ても女にしか見えねぇし・・・

つーか、俺はこんな女装趣味の変態野郎に負けたっていうのかーー!?)

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