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木漏れ日の森ダンジョン その1
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『木漏れ日の森』
危険度:2
初回最速クリアタイム:3時間49分01秒
最速クリアタイム :1時間03分12秒
クリア条件 :ボスを討伐
隠しクリア条件:???
「うん。やっぱり同じだな」
俺は前世と一緒のクリア条件が表示されて、小さく頷く。
これで11個目のダンジョンだが、それら全てのクリア条件はブレイブダンジョンクエストと変わりなかった。
もうそろそろ信じてもいいだろう。この世界はブレイブダンジョンクエストそのものなんだと。
俺は今まで疑いながらダンジョン攻略をこなしてきた。もしかしたら、この世界はブレイブダンジョンクエストに似ているだけなのではないか……と。
蓮は無意識に握りこぶしを作る。
もしかしたら……ここはただの夢の世界で、寝て起きたら現実に戻されているのではないかと。
昨日から何度も俺の脳裏にちらつき、その度に恐怖してきた。
しかし、朝目覚めてもあの辛い現実に戻されること無く、ダンジョンRTAに勤しむことが出来る現在。本当に少しだけだが、あの頃の辛さを忘れる瞬間が増えてきた。
「ふぅー。今はこれぐらいにしておこう。何たって……今回からは討伐クエストだからな」
俺は一瞬目を閉じ、小さく息をする。
討伐クエスト――ある特定のモンスターを討伐する事でクリアとなるクエストの事を指す。木漏れ日の森ダンジョンではボスを討伐する事でクリアとなる。
「それに……」
俺は隠しクリア条件という項目を注視する。
隠しクリア条件――本来のクリア条件とは別に用意されたクリア条件の事。どちらのクリア条件を達成してもダンジョンクリアとなるが、隠しクリア条件の方が基本的に難しい条件が設定されていることが多く、その他にも条件が明確になっていない事から、正規のクリア条件に比べて苦労する事が多い。初心者は大人しくクリア条件の方で我慢しよう。
「今回も稼がせて貰うぞ……」
悪巧みを考えているかのような笑みを浮かべる蓮。
そして、表示されているウィンドウを次に進め。
『ダンジョンRTAを始めますか?』
「あぁ!」
勢いよく返事をし、光に呑まれていくのであった。
~~~
「……森だな。思ったよりは木々が鬱蒼としていなくて先が見通せるが、死角は十分に注意しないと」
ダンジョンの景色が急に変わる現象に慣れてきた蓮は、周りが森のステージに変わった瞬間、首を左右に振り、今回の舞台の状況を把握する。
『木漏れ日の森ダンジョン開始まで……3……2』
光が指している方角は……こっちか。
俺は唯一光が指す場所を見つけ、その方向に体の向きを変える。
そして、カウントダウンは1を過ぎ。
『スタート!』
人間味を感じさせないアナウンスがされたと同時に走り出す。
今回のダンジョン、木漏れ日の森はブレイブダンジョンクエスト内で非常に有名な場所だった。
それはブレイブダンジョンクエストが発売され、数年が経過した時。一人のユーザーがブレイブダンジョンクエスト専用の掲示板にとある内容を発信した事から始まった。
『木漏れ日の森ダンジョンの隠しクリア条件が分かった件について』
1:名無し
本当か?
2:
嘘っぽいよな
3:
ガチ勢たちが全力を尽くしても分からなかったんだ。今更何を言ってるんだ
「木漏れ日の森ダンジョン? あーあれか。ジャイアントラットを討伐するクエストの」
この時の俺はゲームをやりながら、適当に見ていたブレイブダンジョンクエスト専用の掲示板で偶然にもこのスレを見つけたんだ。
木漏れ日の森ダンジョンの本来のクリア条件はジャイアントラットと呼ばれる、危険度1のモンスターの討伐。そいつの住処は森の中心にあり、そこに隠れ住むジャイアントラットとこれまた危険度1のニードルラット数匹を倒せばクリアできるという、討伐クエストの中でも簡単な部類に位置していた。しかし、簡単なクエストにはある犠牲が付き物。
「でも、あのクエスト。報酬が渋いんだよな」
それは報酬が激マズというものだった。そんなダンジョンでもあり、挑戦するプレイヤーはいつしかいなくなり、木漏れ日の森ダンジョンの隠しクリア条件というものが忘れ去られていた時だった。
12:
すまん。遅れた。俺が見つけたのは……
13:
>>12
マジかよ!?
14:
本当だったら凄い発見だな
15:
>>13
騙されるなっての
16:
>>12
嘘乙ww
「本当かよ……? でも、やってみる価値はありそうだな」
スレに書き込まれた方法を実際に試してみた所。
「これホントだったのか」
序盤の攻略で非常に助かるダンジョンへと様変わりしたのだった。
そのスレに書き込まれた木漏れ日の森ダンジョンの隠しクリア条件とは……
危険度:2
初回最速クリアタイム:3時間49分01秒
最速クリアタイム :1時間03分12秒
クリア条件 :ボスを討伐
隠しクリア条件:???
「うん。やっぱり同じだな」
俺は前世と一緒のクリア条件が表示されて、小さく頷く。
これで11個目のダンジョンだが、それら全てのクリア条件はブレイブダンジョンクエストと変わりなかった。
もうそろそろ信じてもいいだろう。この世界はブレイブダンジョンクエストそのものなんだと。
俺は今まで疑いながらダンジョン攻略をこなしてきた。もしかしたら、この世界はブレイブダンジョンクエストに似ているだけなのではないか……と。
蓮は無意識に握りこぶしを作る。
もしかしたら……ここはただの夢の世界で、寝て起きたら現実に戻されているのではないかと。
昨日から何度も俺の脳裏にちらつき、その度に恐怖してきた。
しかし、朝目覚めてもあの辛い現実に戻されること無く、ダンジョンRTAに勤しむことが出来る現在。本当に少しだけだが、あの頃の辛さを忘れる瞬間が増えてきた。
「ふぅー。今はこれぐらいにしておこう。何たって……今回からは討伐クエストだからな」
俺は一瞬目を閉じ、小さく息をする。
討伐クエスト――ある特定のモンスターを討伐する事でクリアとなるクエストの事を指す。木漏れ日の森ダンジョンではボスを討伐する事でクリアとなる。
「それに……」
俺は隠しクリア条件という項目を注視する。
隠しクリア条件――本来のクリア条件とは別に用意されたクリア条件の事。どちらのクリア条件を達成してもダンジョンクリアとなるが、隠しクリア条件の方が基本的に難しい条件が設定されていることが多く、その他にも条件が明確になっていない事から、正規のクリア条件に比べて苦労する事が多い。初心者は大人しくクリア条件の方で我慢しよう。
「今回も稼がせて貰うぞ……」
悪巧みを考えているかのような笑みを浮かべる蓮。
そして、表示されているウィンドウを次に進め。
『ダンジョンRTAを始めますか?』
「あぁ!」
勢いよく返事をし、光に呑まれていくのであった。
~~~
「……森だな。思ったよりは木々が鬱蒼としていなくて先が見通せるが、死角は十分に注意しないと」
ダンジョンの景色が急に変わる現象に慣れてきた蓮は、周りが森のステージに変わった瞬間、首を左右に振り、今回の舞台の状況を把握する。
『木漏れ日の森ダンジョン開始まで……3……2』
光が指している方角は……こっちか。
俺は唯一光が指す場所を見つけ、その方向に体の向きを変える。
そして、カウントダウンは1を過ぎ。
『スタート!』
人間味を感じさせないアナウンスがされたと同時に走り出す。
今回のダンジョン、木漏れ日の森はブレイブダンジョンクエスト内で非常に有名な場所だった。
それはブレイブダンジョンクエストが発売され、数年が経過した時。一人のユーザーがブレイブダンジョンクエスト専用の掲示板にとある内容を発信した事から始まった。
『木漏れ日の森ダンジョンの隠しクリア条件が分かった件について』
1:名無し
本当か?
2:
嘘っぽいよな
3:
ガチ勢たちが全力を尽くしても分からなかったんだ。今更何を言ってるんだ
「木漏れ日の森ダンジョン? あーあれか。ジャイアントラットを討伐するクエストの」
この時の俺はゲームをやりながら、適当に見ていたブレイブダンジョンクエスト専用の掲示板で偶然にもこのスレを見つけたんだ。
木漏れ日の森ダンジョンの本来のクリア条件はジャイアントラットと呼ばれる、危険度1のモンスターの討伐。そいつの住処は森の中心にあり、そこに隠れ住むジャイアントラットとこれまた危険度1のニードルラット数匹を倒せばクリアできるという、討伐クエストの中でも簡単な部類に位置していた。しかし、簡単なクエストにはある犠牲が付き物。
「でも、あのクエスト。報酬が渋いんだよな」
それは報酬が激マズというものだった。そんなダンジョンでもあり、挑戦するプレイヤーはいつしかいなくなり、木漏れ日の森ダンジョンの隠しクリア条件というものが忘れ去られていた時だった。
12:
すまん。遅れた。俺が見つけたのは……
13:
>>12
マジかよ!?
14:
本当だったら凄い発見だな
15:
>>13
騙されるなっての
16:
>>12
嘘乙ww
「本当かよ……? でも、やってみる価値はありそうだな」
スレに書き込まれた方法を実際に試してみた所。
「これホントだったのか」
序盤の攻略で非常に助かるダンジョンへと様変わりしたのだった。
そのスレに書き込まれた木漏れ日の森ダンジョンの隠しクリア条件とは……
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この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
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