4 / 5
進む日常、来たる不穏 1
しおりを挟む
†
「なぁ、神様」
「何?」
「面白い事ないか?暇なんだよなぁ」
そう言うとシーンは欠伸をした。
「まぁまぁ、もうすぐ空気が凍りつくような事が発覚するから」
†
朝礼が終わった後、スズム達は訓練に参加し、食堂で食事をとり、ハラさんに一通り軍基地内の事を教えてもらい、することもなかったので部屋でだらけていた。
するとドアがノックされた。
スズムがドアを開けると、眠たそうな獣人種のような顔つきの細身で長身の男が立っていた。
「どーも、スズムで合ってるか?後、俺の名前はシマダだ、よろしく」
「はい……なんですか?あ、あとよろしくお願いします」
「ハラがお前らの歓迎会をするらしい、ハラの部屋は知ってるか?」
「知りません」
「着いてこい、案内する」
「ちょっと待ってください、仲間呼んでくるんで」
スズムは皆がいる部屋の真ん中に行き、「歓迎会だって早く行こう!」と声をかけ四人揃ってシマダの前に立った。
「皆来たな、着いてこい」
有無を言わせない用な言い方が鼻につくが、根は優しい人なのだろう。
じゃなきゃ案内してくれないだろう。
数分階段をおりたり、曲がったりを繰り返していると重厚感溢れる扉の前に着いた。「ここが王都軍最高戦闘部隊長ハラの部屋だ」といわれたが幹部の部屋にしてはあまり他の兵士の部屋と見た目は変わらない。
「外はこんなんだけど、中はスゲーぞ」
シマダさん、俺らの心読んでない?
「俺の潜在能力『我前嘘無』だ。心が読めると相手の戦術がわかるから戦いやすい、あと、俺の前で嘘つけると思うなよ」
シマダさんがハラさんの部屋のドアを開けながら言ってきた、潜在能力って怖い。自分も持ってるけど。
スズム達は部屋に入った瞬間思わず声が出た。
レンガ調の壁に暖炉、ガラスのおしゃれなテーブルにはサラダやサンドウィッチやクッキーなど、沢山の食べ物が置いてある。その奥にはハラさんの仕事机があり、ハラさんが資料に目を落としている。
大きな観葉植物の下には沢山の包装され、ラッピングした箱がおいてある。
「おい、ハラ、スズム達連れてきたぞ」
ハラさんは目を落としていた、資料を引き出しに直しこちらを見て「もうすぐで他の人が来るまでそこらのイスに座って待っててください」と笑顔で歓迎してくれた。
数分経って、ソファーで座っていたスズム達が眠りこけている頃、扉が開くと、3人、人が入ってきた。
「よぉ、ハラ、スズム一行はこのソファーで寝てる子供たちか?」
「こんにちはニイヤさん、そうです、皆まだ幼いですよね」
「ハラは昔からそんな感じだもんねぇ」
「ハルさんも昔から美人じゃないですか」
「スズムやっぱり、お世辞うまいな」
「お世辞じゃないですよ、そう言うヒラタさんもうまいじゃないですか狩人時代も何人もの女性をお世……」
「その話はするなぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!」
「うわぁぁぁあ!!」
ヒラタの悲鳴でスズムが目を覚まし、スズムの悲鳴でミオ、ユウキ、チトセが目を覚ました。
その後、大きな笑が起こり、スズムとヒラタが頬を赤くした。
笑いが落ち着いた後、スズム達が自己紹介をし、
ハラさんが一応もう一度と前置きし、
「この筋肉ムキムキの奴がニイヤさんでこの美人がハルさんでチャラそうなのがヒラタさんです……後、スズムさんに質問なんですが、女性ですか?」
「え?」
「いや、あの、声も高めですし、身長が男性にしては低いし、細身ですし、でも喋り方が男性のような感じですし」
するとニイヤさんが
「それだけで決めつけるのは良くないぜ、捨て身でヨシズミを倒したんだろ?男でもそんな勇気ないぜ?」
「あの……お、俺、喋り方こんなんですけど、女ですよ?」
ハラの部屋の空気が凍りついた。
「なぁ、神様」
「何?」
「面白い事ないか?暇なんだよなぁ」
そう言うとシーンは欠伸をした。
「まぁまぁ、もうすぐ空気が凍りつくような事が発覚するから」
†
朝礼が終わった後、スズム達は訓練に参加し、食堂で食事をとり、ハラさんに一通り軍基地内の事を教えてもらい、することもなかったので部屋でだらけていた。
するとドアがノックされた。
スズムがドアを開けると、眠たそうな獣人種のような顔つきの細身で長身の男が立っていた。
「どーも、スズムで合ってるか?後、俺の名前はシマダだ、よろしく」
「はい……なんですか?あ、あとよろしくお願いします」
「ハラがお前らの歓迎会をするらしい、ハラの部屋は知ってるか?」
「知りません」
「着いてこい、案内する」
「ちょっと待ってください、仲間呼んでくるんで」
スズムは皆がいる部屋の真ん中に行き、「歓迎会だって早く行こう!」と声をかけ四人揃ってシマダの前に立った。
「皆来たな、着いてこい」
有無を言わせない用な言い方が鼻につくが、根は優しい人なのだろう。
じゃなきゃ案内してくれないだろう。
数分階段をおりたり、曲がったりを繰り返していると重厚感溢れる扉の前に着いた。「ここが王都軍最高戦闘部隊長ハラの部屋だ」といわれたが幹部の部屋にしてはあまり他の兵士の部屋と見た目は変わらない。
「外はこんなんだけど、中はスゲーぞ」
シマダさん、俺らの心読んでない?
「俺の潜在能力『我前嘘無』だ。心が読めると相手の戦術がわかるから戦いやすい、あと、俺の前で嘘つけると思うなよ」
シマダさんがハラさんの部屋のドアを開けながら言ってきた、潜在能力って怖い。自分も持ってるけど。
スズム達は部屋に入った瞬間思わず声が出た。
レンガ調の壁に暖炉、ガラスのおしゃれなテーブルにはサラダやサンドウィッチやクッキーなど、沢山の食べ物が置いてある。その奥にはハラさんの仕事机があり、ハラさんが資料に目を落としている。
大きな観葉植物の下には沢山の包装され、ラッピングした箱がおいてある。
「おい、ハラ、スズム達連れてきたぞ」
ハラさんは目を落としていた、資料を引き出しに直しこちらを見て「もうすぐで他の人が来るまでそこらのイスに座って待っててください」と笑顔で歓迎してくれた。
数分経って、ソファーで座っていたスズム達が眠りこけている頃、扉が開くと、3人、人が入ってきた。
「よぉ、ハラ、スズム一行はこのソファーで寝てる子供たちか?」
「こんにちはニイヤさん、そうです、皆まだ幼いですよね」
「ハラは昔からそんな感じだもんねぇ」
「ハルさんも昔から美人じゃないですか」
「スズムやっぱり、お世辞うまいな」
「お世辞じゃないですよ、そう言うヒラタさんもうまいじゃないですか狩人時代も何人もの女性をお世……」
「その話はするなぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!」
「うわぁぁぁあ!!」
ヒラタの悲鳴でスズムが目を覚まし、スズムの悲鳴でミオ、ユウキ、チトセが目を覚ました。
その後、大きな笑が起こり、スズムとヒラタが頬を赤くした。
笑いが落ち着いた後、スズム達が自己紹介をし、
ハラさんが一応もう一度と前置きし、
「この筋肉ムキムキの奴がニイヤさんでこの美人がハルさんでチャラそうなのがヒラタさんです……後、スズムさんに質問なんですが、女性ですか?」
「え?」
「いや、あの、声も高めですし、身長が男性にしては低いし、細身ですし、でも喋り方が男性のような感じですし」
するとニイヤさんが
「それだけで決めつけるのは良くないぜ、捨て身でヨシズミを倒したんだろ?男でもそんな勇気ないぜ?」
「あの……お、俺、喋り方こんなんですけど、女ですよ?」
ハラの部屋の空気が凍りついた。
0
あなたにおすすめの小説
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
【短編】花婿殿に姻族でサプライズしようと隠れていたら「愛することはない」って聞いたんだが。可愛い妹はあげません!
月野槐樹
ファンタジー
妹の結婚式前にサプライズをしようと姻族みんなで隠れていたら、
花婿殿が、「君を愛することはない!」と宣言してしまった。
姻族全員大騒ぎとなった
【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。
断罪イベントの夢を見たから、逆ざまあしてみた
七地潮
ファンタジー
学園のパーティーで、断罪されている夢を見たので、登場人物になりきって【ざまぁ】してみた、よくあるお話。
真剣に考えたら負けです。
ノリと勢いで読んでください。
独自の世界観で、ゆるふわもなにもない設定です。
なろう様でもアップしています。
真実の愛ならこれくらいできますわよね?
かぜかおる
ファンタジー
フレデリクなら最後は正しい判断をすると信じていたの
でもそれは裏切られてしまったわ・・・
夜会でフレデリク第一王子は男爵令嬢サラとの真実の愛を見つけたとそう言ってわたくしとの婚約解消を宣言したの。
ねえ、真実の愛で結ばれたお二人、覚悟があるというのなら、これくらいできますわよね?
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
ヒロインは敗北しました
東稔 雨紗霧
ファンタジー
王子と懇ろになり、王妃になる玉の輿作戦が失敗して証拠を捏造して嵌めようとしたら公爵令嬢に逆に断罪されたルミナス。
ショックのあまり床にへたり込んでいると聞いた事の無い音と共に『ヒロインは敗北しました』と謎の文字が目の前に浮かび上がる。
どうやらこの文字、彼女にしか見えていないようで謎の現象に混乱するルミナスを置いてきぼりに断罪はどんどん進んでいき、公爵令嬢を国外追放しようとしたルミナスは逆に自分が国外追放される事になる。
「さっき、『私は優しいから処刑じゃなくて国外追放にしてあげます』って言っていたわよね?ならわたくしも優しさを出して国外追放にしてさしあげるわ」
そう言って嘲笑う公爵令嬢の頭上にさっきと同じ音と共に『国外追放ルートが解放されました』と新たな文字が現れた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる