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第一話
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私の名は、サーラ・ローランド。父は医師で、カール王国の首都にある、大病院の院長をしている。
私は、幼い時から専業主婦の母にスパルタの教育を施され、飛び級を繰り返し、18歳で医師国家試験に合格した。
その後、大学院へ進学し、伝染病などのワクチン開発の研究を始め、今まで、30件のワクチン開発の研究に成功している。顕微鏡と微生物を最も愛していた。
しかし、いつだっただろう、2年前頃だろうか。隣国のハルファス王国に、研究発表に行ったとき、私はダリアン王子に一目惚れをしてしまった。
ダリアン王子は、伝染病研究発表に聴講で参加していた。甘い顔立ち、黒髪に漆黒の瞳、顔も好みだったが、王子自身も様々に勉強をしていて、適切な数々の質問を積極的にしていた。
研究発表が終わると、私のところに来て、熱心に様々な質問を聞いてきた。
「民の健康を守りたい」と熱い眼差しで語る王子はキラキラと輝いていた。
私は、その時には王子に恋をしていた。微生物も顕微鏡も、王子が現れたことで、私の愛するランクが落ちてしまう。
私は、帰国をしても、ダリアン王子のことばかり考え、想い耽っていた。どうしたら、ダリアン王子の婚約を解消させられるかだけを考え始めていた。
ダリアン王子の婚約者、ミンティア令嬢は、伯爵の娘で家柄良く、綺麗で、性格も良いと聞いている。しかし、私は、ミンティア令嬢をダリアン王子に巣食う悪性の微生物っあると考えた。
(ダリアン王子のためなら、命をかけても良い。何とか、救わなければ)
と、私は毎日毎日、頭を悩ませていた。
機会がきたのは、1カ月前だ。最近、ハルファス王国で流行し始めた伝染病のワクチン開発依頼を父から聞いた。
「どうだ?ダリアン王子が、2年前の研究発表を聞いて、どうしてもサーラを指名してきている。行ってあげるか?」
父は、最近多忙で、疲労を浮かべた顔で言った。私の気持ちは、すぐに決まっていた。ダリアン王子に会える上に、時間をかけてミンティア令嬢と別れさせられる。絶好のチャンスだった。
しかし、即答すると何かやましいことがあるのではないかと疑われるかもしれない。少し考える振りをする。
「ええ、今回のハルファス王国で流行っている伝染病は、未知の微生物です。しかも、感染すると高熱がでて、死の危険がある。命を救うためにも、依頼を受けさせて頂きます」
私は、ゆっくりと頷いて答えた。
「すまないな、サーラ。医師というのは、責任がある大変な職業だ。伝染病にはくれぐれも気をつけて、無事に帰ってきてくれ」
父は、私と離れることに寂しい哀愁を見せながらも、医師の務めを諭す。父は、正義感溢れる、立派な医師であった。
「はい、必ずワクチン開発を成功させて、無事に帰って来ます」
私は、父の手をとって、力強く言った。
しかし、内心は、私の気持ちは、ダリアン王子にしか向いていなかった。ダリアン王子を射止めるためにも、ミンティア令嬢をどのように退けようか、そればかりが頭を悩ませていた。
まさか、今回のハルファス王国に流行している伝染病が意図的な流行であり、様々な陰謀や思惑があるとは梅雨知らず、私はダリアン王子に会える嬉しさに酔いながら、一週間後には、カール王国を発った。
私は、幼い時から専業主婦の母にスパルタの教育を施され、飛び級を繰り返し、18歳で医師国家試験に合格した。
その後、大学院へ進学し、伝染病などのワクチン開発の研究を始め、今まで、30件のワクチン開発の研究に成功している。顕微鏡と微生物を最も愛していた。
しかし、いつだっただろう、2年前頃だろうか。隣国のハルファス王国に、研究発表に行ったとき、私はダリアン王子に一目惚れをしてしまった。
ダリアン王子は、伝染病研究発表に聴講で参加していた。甘い顔立ち、黒髪に漆黒の瞳、顔も好みだったが、王子自身も様々に勉強をしていて、適切な数々の質問を積極的にしていた。
研究発表が終わると、私のところに来て、熱心に様々な質問を聞いてきた。
「民の健康を守りたい」と熱い眼差しで語る王子はキラキラと輝いていた。
私は、その時には王子に恋をしていた。微生物も顕微鏡も、王子が現れたことで、私の愛するランクが落ちてしまう。
私は、帰国をしても、ダリアン王子のことばかり考え、想い耽っていた。どうしたら、ダリアン王子の婚約を解消させられるかだけを考え始めていた。
ダリアン王子の婚約者、ミンティア令嬢は、伯爵の娘で家柄良く、綺麗で、性格も良いと聞いている。しかし、私は、ミンティア令嬢をダリアン王子に巣食う悪性の微生物っあると考えた。
(ダリアン王子のためなら、命をかけても良い。何とか、救わなければ)
と、私は毎日毎日、頭を悩ませていた。
機会がきたのは、1カ月前だ。最近、ハルファス王国で流行し始めた伝染病のワクチン開発依頼を父から聞いた。
「どうだ?ダリアン王子が、2年前の研究発表を聞いて、どうしてもサーラを指名してきている。行ってあげるか?」
父は、最近多忙で、疲労を浮かべた顔で言った。私の気持ちは、すぐに決まっていた。ダリアン王子に会える上に、時間をかけてミンティア令嬢と別れさせられる。絶好のチャンスだった。
しかし、即答すると何かやましいことがあるのではないかと疑われるかもしれない。少し考える振りをする。
「ええ、今回のハルファス王国で流行っている伝染病は、未知の微生物です。しかも、感染すると高熱がでて、死の危険がある。命を救うためにも、依頼を受けさせて頂きます」
私は、ゆっくりと頷いて答えた。
「すまないな、サーラ。医師というのは、責任がある大変な職業だ。伝染病にはくれぐれも気をつけて、無事に帰ってきてくれ」
父は、私と離れることに寂しい哀愁を見せながらも、医師の務めを諭す。父は、正義感溢れる、立派な医師であった。
「はい、必ずワクチン開発を成功させて、無事に帰って来ます」
私は、父の手をとって、力強く言った。
しかし、内心は、私の気持ちは、ダリアン王子にしか向いていなかった。ダリアン王子を射止めるためにも、ミンティア令嬢をどのように退けようか、そればかりが頭を悩ませていた。
まさか、今回のハルファス王国に流行している伝染病が意図的な流行であり、様々な陰謀や思惑があるとは梅雨知らず、私はダリアン王子に会える嬉しさに酔いながら、一週間後には、カール王国を発った。
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