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第七話
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頭がガンガンと痛かった。全身が重く気怠い。重くへばりつく瞼をなんとか開ける。
暗がりに光が僅かに差している。鉄格子がぼやけて見える。薄汚れた便器が部屋の端についている。便器の臭気が鼻をついて臭う。
ここは、牢屋?なぜ、私が?
体を起こし、しばらく呆然としている。確か、意識が遠のく前に、ダリアン王子が見えた。
「なぜ?ダリアン王子が?」
ぼそっと声に出して聞いてみる。
「それは、貴方が知り過ぎたからです」
鉄格子方向から、王子の答えが返ってくる。いつからいたのだろう、視界が朦朧としているからか、全く気づかなかった。
私は、ゆっくりと王子の方を向いて聞いた。
「知り過ぎた?」
私の頭は、妙に冷静だった。
「ミンティア令嬢から、聞きました。貴方は、今回の感染症が、作為的なものだと気づいたと。まだここに来て、たった2週間もたたないのに、よく辿り着きましたね。さすが、天才研究者と呼ばれるだけあります」
ダリアン王子は、漆黒の目を光らせ、誘惑的に私を見て話す。
「ミンティア令嬢と貴方は共犯だったのね。貴方が、ミンティア令嬢に頼んだの?父親の研究材料を手に入れて欲しいと」
私は、微かに笑顔を浮かべる。なぜだろう、真の王子に近づけたことが、嬉しいのかもしれない。
「そうです。そして、チースト科の猿の遺伝子を組み換え、研究所で作ったウイルスを混注させ、人を襲わせた。貴方がいなければ、誰もがチースト科の猿の細胞からであると疑わなかった」
「なぜ、そんなことを?貴方は、この国の王子でしょ?」
私は、心底疑問であることを聞いた。
「私は、王子とはいえ、王の愛人の子だ。王位継承者ではない。愛人の母は、元娼婦だった。父も私には冷たい。母は、鬱病となり私のことを忘れている。皆、陰では私がいかに品がなく、第一王子と違うと噂話をしているのを知っている。幼き頃から、味方はミンティアだけだった。私は、段々とこの国が憎くなってきた」
ダリアン王子の辛い表情から悲しみと、今まで溜まっている怒りが伝わってくる。
ダリアン王子は、世間というものと、ずっと独りで闘ってきたのかもしれない。
「ダリアン王子、私はずっと貴方が好きでした。今もずっと愛してます」
今言うべきことではないのは、わかっている。だけど、王子の悲しい目を見ていると、王子が愛しくて愛しくて仕方がなくなる。
母性本能だろうか?
ダリアン王子は、私の告白を聞くと、一瞬驚いた表情が走ったが、すぐに能面のように無表情となった。
「あなたが愛する王子は、王子の仮面を被る虚像だ。本当の私は、憎しみに溺れた汚い犯罪者だ」
「憎しみに溺れた汚い王子が、私は好きです。本当の貴方を知りたい。そして、愛していく」
ダリアン王子の目を見つめ、はっきりとした口調で言った。
私の愛が、伝わっていないことが、悲しかった。
「悪いな、サーラさん。貴方の体に、ウイルスを注入した。チースト病と言われる流行の病に貴方は犯されている」
「!そんな、、」
全身が気怠いのは、ウイルスのせいだったのか。。
「私は、悪人だ。貴方は、間違った恋をしている」
「間違ってなんかない!私は、全力で貴方を愛する。貴方が悪人なら、悪人の貴方を受け入れる」
残っている力、全てを込めて叫んだ。
ダリアン王子は、私の気迫に怯んだ色を、一瞬浮かべる。
「わかってない。サーラさんは、これから死ぬんですよ」
ダリアン王子は、冷ややかな微笑を作る。私の叫んだ愛を、シャットアウトした、そんな感じだった。
「ダリアン王子!わかってないのは貴方よ!」
私は叫んだが、王子は聞く耳持たず、重い十字架を背負うように、ゆっくりと去っていく。
私は王子に伝わらないことが悔しくて、とめどなく涙が出てくる。涙で歪んだダリアン王子の背中をずっと追いかける。
見えなくなるまで、ずっと、追いかけた。
暗がりに光が僅かに差している。鉄格子がぼやけて見える。薄汚れた便器が部屋の端についている。便器の臭気が鼻をついて臭う。
ここは、牢屋?なぜ、私が?
体を起こし、しばらく呆然としている。確か、意識が遠のく前に、ダリアン王子が見えた。
「なぜ?ダリアン王子が?」
ぼそっと声に出して聞いてみる。
「それは、貴方が知り過ぎたからです」
鉄格子方向から、王子の答えが返ってくる。いつからいたのだろう、視界が朦朧としているからか、全く気づかなかった。
私は、ゆっくりと王子の方を向いて聞いた。
「知り過ぎた?」
私の頭は、妙に冷静だった。
「ミンティア令嬢から、聞きました。貴方は、今回の感染症が、作為的なものだと気づいたと。まだここに来て、たった2週間もたたないのに、よく辿り着きましたね。さすが、天才研究者と呼ばれるだけあります」
ダリアン王子は、漆黒の目を光らせ、誘惑的に私を見て話す。
「ミンティア令嬢と貴方は共犯だったのね。貴方が、ミンティア令嬢に頼んだの?父親の研究材料を手に入れて欲しいと」
私は、微かに笑顔を浮かべる。なぜだろう、真の王子に近づけたことが、嬉しいのかもしれない。
「そうです。そして、チースト科の猿の遺伝子を組み換え、研究所で作ったウイルスを混注させ、人を襲わせた。貴方がいなければ、誰もがチースト科の猿の細胞からであると疑わなかった」
「なぜ、そんなことを?貴方は、この国の王子でしょ?」
私は、心底疑問であることを聞いた。
「私は、王子とはいえ、王の愛人の子だ。王位継承者ではない。愛人の母は、元娼婦だった。父も私には冷たい。母は、鬱病となり私のことを忘れている。皆、陰では私がいかに品がなく、第一王子と違うと噂話をしているのを知っている。幼き頃から、味方はミンティアだけだった。私は、段々とこの国が憎くなってきた」
ダリアン王子の辛い表情から悲しみと、今まで溜まっている怒りが伝わってくる。
ダリアン王子は、世間というものと、ずっと独りで闘ってきたのかもしれない。
「ダリアン王子、私はずっと貴方が好きでした。今もずっと愛してます」
今言うべきことではないのは、わかっている。だけど、王子の悲しい目を見ていると、王子が愛しくて愛しくて仕方がなくなる。
母性本能だろうか?
ダリアン王子は、私の告白を聞くと、一瞬驚いた表情が走ったが、すぐに能面のように無表情となった。
「あなたが愛する王子は、王子の仮面を被る虚像だ。本当の私は、憎しみに溺れた汚い犯罪者だ」
「憎しみに溺れた汚い王子が、私は好きです。本当の貴方を知りたい。そして、愛していく」
ダリアン王子の目を見つめ、はっきりとした口調で言った。
私の愛が、伝わっていないことが、悲しかった。
「悪いな、サーラさん。貴方の体に、ウイルスを注入した。チースト病と言われる流行の病に貴方は犯されている」
「!そんな、、」
全身が気怠いのは、ウイルスのせいだったのか。。
「私は、悪人だ。貴方は、間違った恋をしている」
「間違ってなんかない!私は、全力で貴方を愛する。貴方が悪人なら、悪人の貴方を受け入れる」
残っている力、全てを込めて叫んだ。
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「わかってない。サーラさんは、これから死ぬんですよ」
ダリアン王子は、冷ややかな微笑を作る。私の叫んだ愛を、シャットアウトした、そんな感じだった。
「ダリアン王子!わかってないのは貴方よ!」
私は叫んだが、王子は聞く耳持たず、重い十字架を背負うように、ゆっくりと去っていく。
私は王子に伝わらないことが悔しくて、とめどなく涙が出てくる。涙で歪んだダリアン王子の背中をずっと追いかける。
見えなくなるまで、ずっと、追いかけた。
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