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第五話 闘わなければいけない理由
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「カトレア!そなたは、サンドリア城内に入ってしまったのか!?」
城下町がめらめらと燃える中、城内にダルビン王の怒鳴り声が響き渡る。
ダルビン王は、激しく怒りを見せていた。その後ろを母のアーリャ王妃が憔悴の表情でついていた。
ダルビン王はカトレアの前まで行くと、
「サンドリア城に入ったのか??!」
もう一度、同じ質問を口にした。
「はい、、昨日、飛行船で行きました」
カトレアは、王の怒りに怯えた表情で答える。いつもは温厚で、大声など出したことのない父親であった。
怒りに震え出した王を目の当たりにしたカトレアは、今までにない失態をしてしまったのだと気づいた。
「なんてことだ。あれだけ言っておいただろう?ドラゴン伝説のことだ。王家の者が隣国に入ったとき、災いがおこると」
「それは、嘘話でしょう、、、?」
「嘘などではない!!伝説は、真実だ!見ろ!そなたがサンドリア城内に入ったから、サンドリア兵が襲ってきているのだ。今、城下町で無罪に死んでいる民は、お前が隣国に行ったことが原因なのだ、お前が殺したのだ!!」
ダルビン王はカトレアの無知に逆上し、怒声を浴びせる。わなわなと震えながら、どうしようもない状態に悲嘆した。
「もう、だめだ。和平は望めない。白のドラゴンの怒りはおさまらないだろう」
「ど、どうなってしまうのですか?」
アーリャ王妃は涙ぐみながら、王に寄り添って聞いた。
「闘うしかない。サンドリアかメリムダか。どちらかが滅びなければいけない運命なのだ」
ダルビン王は肩を落として、落胆する。
カトレアは王と王妃の絶望的な姿を見て、とんでもない過ちを犯してしまったのだと理解した。
(まさか、伝説が本当だったなんて)
事の重大さを知ると、足がガクガクとしてくる。カトレアは、今、何人もの焼け死んでいく人の苦しみを想像した。
(私のせいで、、私がサンドリア城内に入ってしまったから、、)
「すぐに騎兵隊と陸軍を総動員する。一刻も早く、国を守らなければ、最悪の事態になってしまう」
ダルビン王は気持ちを取り戻すと、一転して冷静な光を目に宿して言った。
「わかりました、私は騎兵隊の隊長に連絡します」
アーリャ王妃も背筋を正し、強い気持ちを込めて言った。
二人とも、国を救うために落胆などしている時間はなかった。
「私も、私も何かできることは?」
カトレアは、弱々しい声でダルビン王に聞いた。
「そなたは、監禁する。重大な罪を犯した。厳罰は覚悟しなさい」
ダルビン王は冷たい目をカトレアに注ぎ、くるりと背を向けて行ってしまう。
軍兵がカトレアの手首を縄で縛り、地下牢へと誘導する。
婆やだけが、最後までカトレアの身を案じて泣いて見送っていた。
「闘わなければ、私も、、、」
カトレアは、自分が蒔いた種で、戦争が起こってしまうなら、自分で刈らなければいけないと心に誓いながら、地下牢に入った。
城下町がめらめらと燃える中、城内にダルビン王の怒鳴り声が響き渡る。
ダルビン王は、激しく怒りを見せていた。その後ろを母のアーリャ王妃が憔悴の表情でついていた。
ダルビン王はカトレアの前まで行くと、
「サンドリア城に入ったのか??!」
もう一度、同じ質問を口にした。
「はい、、昨日、飛行船で行きました」
カトレアは、王の怒りに怯えた表情で答える。いつもは温厚で、大声など出したことのない父親であった。
怒りに震え出した王を目の当たりにしたカトレアは、今までにない失態をしてしまったのだと気づいた。
「なんてことだ。あれだけ言っておいただろう?ドラゴン伝説のことだ。王家の者が隣国に入ったとき、災いがおこると」
「それは、嘘話でしょう、、、?」
「嘘などではない!!伝説は、真実だ!見ろ!そなたがサンドリア城内に入ったから、サンドリア兵が襲ってきているのだ。今、城下町で無罪に死んでいる民は、お前が隣国に行ったことが原因なのだ、お前が殺したのだ!!」
ダルビン王はカトレアの無知に逆上し、怒声を浴びせる。わなわなと震えながら、どうしようもない状態に悲嘆した。
「もう、だめだ。和平は望めない。白のドラゴンの怒りはおさまらないだろう」
「ど、どうなってしまうのですか?」
アーリャ王妃は涙ぐみながら、王に寄り添って聞いた。
「闘うしかない。サンドリアかメリムダか。どちらかが滅びなければいけない運命なのだ」
ダルビン王は肩を落として、落胆する。
カトレアは王と王妃の絶望的な姿を見て、とんでもない過ちを犯してしまったのだと理解した。
(まさか、伝説が本当だったなんて)
事の重大さを知ると、足がガクガクとしてくる。カトレアは、今、何人もの焼け死んでいく人の苦しみを想像した。
(私のせいで、、私がサンドリア城内に入ってしまったから、、)
「すぐに騎兵隊と陸軍を総動員する。一刻も早く、国を守らなければ、最悪の事態になってしまう」
ダルビン王は気持ちを取り戻すと、一転して冷静な光を目に宿して言った。
「わかりました、私は騎兵隊の隊長に連絡します」
アーリャ王妃も背筋を正し、強い気持ちを込めて言った。
二人とも、国を救うために落胆などしている時間はなかった。
「私も、私も何かできることは?」
カトレアは、弱々しい声でダルビン王に聞いた。
「そなたは、監禁する。重大な罪を犯した。厳罰は覚悟しなさい」
ダルビン王は冷たい目をカトレアに注ぎ、くるりと背を向けて行ってしまう。
軍兵がカトレアの手首を縄で縛り、地下牢へと誘導する。
婆やだけが、最後までカトレアの身を案じて泣いて見送っていた。
「闘わなければ、私も、、、」
カトレアは、自分が蒔いた種で、戦争が起こってしまうなら、自分で刈らなければいけないと心に誓いながら、地下牢に入った。
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