4 / 11
設立準備
しおりを挟む山田は、近くのコンビニのATMで貯金残高を確認した。
564万8560円、かなりの額だった。
陸自時代から貯め続けた給料、そして任期満了金、二ヶ月分のバイトの給料。
そして、武内物産での給料。
かなり節制しながら生活してきたからか、会社設立への資金は大分貯まった。
まず、社を構えるために、物件を紹介探さなければならない。
そんなことを考えながら山田は自宅へと急いだ。
帰宅して早速、スマホで近くに空きテナントが無いか調べた。
幸い、自宅から歩いて3分程の所にあるビルの一画が空いていた。
業者に調べてもらうと約40万で購入できるらしい。
少し高いと思ったが、妥協する事にした。
諸々の手続きが終了し、実際にその場所に足を運んだのは、一ヶ月後の10月20日だった。
不動産に関わったのは初めてだったので、高いと思っていたが、42.5坪であの値段は破格の値段だと思った。
光熱費の支払いもしばらくは保つ。
問題は武器の方だ。
どこぞのRPGのように、ひのきの棒や、棍棒なぞを社員に持たせたくないし、自分も持ちたくない。
やはり、拳銃や、警棒、ナイフなどを本格的に購入したい。
だが、自分の力だけでは無理だ。アメリカを始めとした同盟国から、銃器の輸入が活発化してはいるが、個人がそういったものを買うと公安警察や組対(組織犯罪対策部)から目を付けられる。
そんな面倒は避けねばならない。
そうすると、調達屋だ。
調達屋には、様々な人間がいる。
彼らは、自衛隊、警察、暴力団、傭兵達、各PMCから依頼され、銃器を調達するのだが、一口に調達屋と言っても色々な身の上の者がいる。
まず、今挙げた5つの職業を退職し、それらの組織にコネを持ち、銃器を融通してもらい、他の方面へ売りさばく者。
または、直接銃器店から買い、売りさばく者。
他にも、政府、非政府問わずだが、諜報機関が、その地域の内情を探りたい、或いは、その地域の政権を維持、崩壊させたいという思惑から派遣された諜報員が調達屋になる場合がある。
しかし、山田の場合、2番目に挙げた奴らに頼りたくは無かった。
いくら仲介があるとは言え、その調達に関わった人間があまりにも少ない。
警察や暴力団がその気になれば簡単に足がつく。
楽で安全なのは、最初に挙げた奴らだ。
元々、同僚だった者に売りさばくというのは数十年前から暗黙の了解のような物だ。
さらに、足がつきにくい。
この場合、仲介する人間が1人も居ないのがミソだ。
物事に関わる人間が少なければ少ないほど情報は漏れない。
大前提として、友好的な協力関係が築かれていなければいけないが、ここをクリアしていれば、情報が漏れるリスクは少ない。
今や、自衛隊、警察の両組織が自己防衛力強化の名の下、銃器を公共の場での所持及び、銃器店での購入が内閣府より認可されている。
今の山田のような民間人が銃器店から買うのは怪しまれるが、彼らならその心配はない。
「気に入った物があるので買いに来た。」とでも言えば、そうそう怪しまれない。
結果として、山田はこちらを選んだ。
山田の陸自時代の後輩の1人に甲斐田駿太という隊員がいる。
頭の切れる人間であるため、頼り甲斐がある。
電話で銃器を融通してほしい旨を伝えると快諾してくれた。
陸自時代に良い意味でも悪い意味でもかわいがった甲斐があったと、山田は思った。
まだまだ、やる事はたくさんあるが、今日はもう眠る事にした。
陸自時代から身に付いた早寝の技術のおかげで、5分とかからず眠った。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる