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Ⅰ 転移
紛争
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「おいマジか!早速黒歴史作りやがった!!何て奴だ!」
颯爽と駆け込んだトイレに籠り、俺は頭を抱えて絶叫した。当たり前だ、人前で堂々と野グソをしてたんだぞ!?しかもトイレの横で。……おい!完全にトイレ様に喧嘩売ってるじゃねぇか!ああ、許せ、トイレよ!水とか詰まらせんなよ!?困るから!
そんなことを考えつつ、徐々に落ち着きを取り戻して行った俺はふとトイレを見渡す。
「……しっかし、何て言うんだ?なんか…近未来?的な?感じがするな。ここって本当に異世界なの?」
今飛び込んできたこのトイレのドアの鍵がホログラムになっていやがった。俺の知っているトイレとはだいぶ形状が違っている。なんというか、全体的に壁とかドアとかまるっこいような、歪んでるような……。全体的に白く、どこか鉄っぽい雰囲気。それと、ここのトイレに駆け込む時にチラリと見えただけだが、遠くのほうにあり得ないほど高いビル群があり、そのまわりにこれまたどデカイパネル?みたいなのがこれでもかと浮いてたりしてた。なんかどっかの映画で見たことあるな。
……うーん、ここどこ?
そんなことを色々と考えていると、一瞬、視界がグニャリと曲がった気がした。
「ん……?気のせいか?」
トイレの内装に変化はなかったため、違和感は多少あるものの深く気にすることもなく再び唸っていると、
コンコン
突然の音に驚き、俺はビクッと肩を震わせた。ドアを叩かれたのだろう。音がしたドアのほうに恐る恐る返事をする。
「は、はぁい……?」
するとすぐに凛とした声が帰ってきた。
「変な声出してないで早く出てきて頂戴。」
あっ、こいつ、今俺のこと変って───ん?この声……女!?
「あのー……、ここ、男子トイレ───」
「はあ?何を言っているの?ここはもうトイレじゃないわよ?」
「だから────は?」
物分かりが悪い女だな、ここは男子トイレ────と再び言おうとして、今この目の前にいる女の言葉に混乱する。
え、なに?トイレじゃない?なにを抜かしてんだ、こいつ?
「え、トイレじゃない?つーか誰?トイレじゃ無いんならここどこ?どゆこと?」
「ごちゃごちゃとうるさいわね、質問は一個づつしなさいと習わなかったのかしら?」
うわ、なにこの女!いちいち言葉が辛辣なんだが!?ガラスのメンタルの俺には辛いよ?
ガンガンッ!!
と、いきなり強くドアを叩かれ、焦る。
うお、ドアぶっ壊す気かこいつ!?やめろ!女の子にこの格好見られたら社会的にも精神的にも終わる!
そんな願いも虚しく、再び強くドアが叩かれる。
ガンガンッ、バキッ、メリメリッ!
おい!今完全にしてはいけない音がしたぞ!?メリメリって!やばいぞこの女!!
「い、今出るからドア叩くのやめて!ぶっ壊れ……ぎゃぁぁぁ!!」
これ以上ここにいるのはダメだと思い、俺は音速(……すまん盛った)でズボンを上げ、ドアを開ける……前にドアが吹き飛んだ。飛び散ったドアの破片が俺の至るところに突き刺さり、血が少々吹き出した。
そんな俺の目の前で拳を突きだすような格好で静止している女。
「……おい、この密室でドアぶっ壊したらこうなることわかってやったのか?」
「うるさいわね、少し魔が差したのよ。余りにも遅いから。」
掌を払いながら淡々と告げる女。
やばいこいつ。魔が差したじゃすまねぇだろ。謝りもしないとか、悪魔かよ。
そう思った瞬間、俺の視界ぐらりと傾き、やがて暗闇に包まれた────
颯爽と駆け込んだトイレに籠り、俺は頭を抱えて絶叫した。当たり前だ、人前で堂々と野グソをしてたんだぞ!?しかもトイレの横で。……おい!完全にトイレ様に喧嘩売ってるじゃねぇか!ああ、許せ、トイレよ!水とか詰まらせんなよ!?困るから!
そんなことを考えつつ、徐々に落ち着きを取り戻して行った俺はふとトイレを見渡す。
「……しっかし、何て言うんだ?なんか…近未来?的な?感じがするな。ここって本当に異世界なの?」
今飛び込んできたこのトイレのドアの鍵がホログラムになっていやがった。俺の知っているトイレとはだいぶ形状が違っている。なんというか、全体的に壁とかドアとかまるっこいような、歪んでるような……。全体的に白く、どこか鉄っぽい雰囲気。それと、ここのトイレに駆け込む時にチラリと見えただけだが、遠くのほうにあり得ないほど高いビル群があり、そのまわりにこれまたどデカイパネル?みたいなのがこれでもかと浮いてたりしてた。なんかどっかの映画で見たことあるな。
……うーん、ここどこ?
そんなことを色々と考えていると、一瞬、視界がグニャリと曲がった気がした。
「ん……?気のせいか?」
トイレの内装に変化はなかったため、違和感は多少あるものの深く気にすることもなく再び唸っていると、
コンコン
突然の音に驚き、俺はビクッと肩を震わせた。ドアを叩かれたのだろう。音がしたドアのほうに恐る恐る返事をする。
「は、はぁい……?」
するとすぐに凛とした声が帰ってきた。
「変な声出してないで早く出てきて頂戴。」
あっ、こいつ、今俺のこと変って───ん?この声……女!?
「あのー……、ここ、男子トイレ───」
「はあ?何を言っているの?ここはもうトイレじゃないわよ?」
「だから────は?」
物分かりが悪い女だな、ここは男子トイレ────と再び言おうとして、今この目の前にいる女の言葉に混乱する。
え、なに?トイレじゃない?なにを抜かしてんだ、こいつ?
「え、トイレじゃない?つーか誰?トイレじゃ無いんならここどこ?どゆこと?」
「ごちゃごちゃとうるさいわね、質問は一個づつしなさいと習わなかったのかしら?」
うわ、なにこの女!いちいち言葉が辛辣なんだが!?ガラスのメンタルの俺には辛いよ?
ガンガンッ!!
と、いきなり強くドアを叩かれ、焦る。
うお、ドアぶっ壊す気かこいつ!?やめろ!女の子にこの格好見られたら社会的にも精神的にも終わる!
そんな願いも虚しく、再び強くドアが叩かれる。
ガンガンッ、バキッ、メリメリッ!
おい!今完全にしてはいけない音がしたぞ!?メリメリって!やばいぞこの女!!
「い、今出るからドア叩くのやめて!ぶっ壊れ……ぎゃぁぁぁ!!」
これ以上ここにいるのはダメだと思い、俺は音速(……すまん盛った)でズボンを上げ、ドアを開ける……前にドアが吹き飛んだ。飛び散ったドアの破片が俺の至るところに突き刺さり、血が少々吹き出した。
そんな俺の目の前で拳を突きだすような格好で静止している女。
「……おい、この密室でドアぶっ壊したらこうなることわかってやったのか?」
「うるさいわね、少し魔が差したのよ。余りにも遅いから。」
掌を払いながら淡々と告げる女。
やばいこいつ。魔が差したじゃすまねぇだろ。謝りもしないとか、悪魔かよ。
そう思った瞬間、俺の視界ぐらりと傾き、やがて暗闇に包まれた────
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