異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる

名無し

文字の大きさ
15 / 38

第15話

しおりを挟む

 変動ステータス

 名前:栖海《すかい》 来翔《らいと》
 性別:男
 レベル:20

 HP:8/15
 SP:100/100
 腕力:1
 俊敏:1
 器用:11
 知力:1
 魔力:1

 固定ステータス

 才能:B
 人柄:A
 容姿:C
 運勢:B
 因果:C

 スキル:【100互換】【PH】

 装備:皮の服 皮の靴


 変動ステータス

 名前:赤《あか》 結理《ゆうり》
 性別:女
 レベル:20

 HP:19/20
 SP:8/15
 腕力:1
 俊敏:1
 器用:6
 知力:1
 魔力:1

 固定ステータス

 才能:B
 人柄:A
 容姿:A
 運勢:C
 因果:A

 スキル:【糸目】【観覧】

 装備:皮の服 魔法の靴(無限)皮の袋


 オルトン村を出発する際、僕はこんな具合で【互換】スキルを使って自分と結のステータスを弄ってみた。

 あと、弓や魔法の矢筒、それに棍棒は魔法の袋に収納しておいた。武器もその人を特定できる特徴の一つだろうからね。もちろん何かあったらすぐに取り出すつもりだ。

 入れ替えるときに偶然できた魔法の靴(無限)っていうのが、鑑定スキルで見られたら怪しいところ。でもまあ、そういう珍品もあるんだろうとギリギリ見逃されるレベルなはず。

【互換】スキルで見た目にしても変えられるのがわかったので、早速イメージチェンジしてみた。目を指で吊り上げてから吊り上がった目→釣り目に変換したり、血を髪につけてから赤色が付着した髪→赤髪に置き換えたりと、自分なりに工夫したつもりだ。

「クルスさん、なんか見た目のキャラが凄く変わってますよ⁉」

「そういうユイもね……」

「似合ってますか? へへっ……」

 容姿を簡単に説明すると、僕は気が弱そうな感じからいかにも気が強そうな雰囲気になり、ユイはというと天然な小動物タイプからの切れ長の目の凛々しさが漂う女性になった感じだ。





 オルトン村からしばらく歩いたところで、僕たちは関所に差し掛かる。そこで屈強そうな兵士に呼び止められた。

「おい、そこの二人組、待て。冒険者のような恰好だが、それならギルドカードを出しなさい」

「あ、はい」

 それについては何度も確認したので大丈夫なはず……。僕は内心ドキドキしつつ、ユイとともにギルドカードを兵士に提出した。

「……」

 兵士は気難しそうな顔で僕とユイのカードを交互に見たのち、うなずいて返してくれた。

「うむ、問題ないな……っと、そうだ。お前たちにも一応注意喚起をしておこう。オルトン村から、凶悪犯がここへ向かっているらしい」

「きょ、凶悪犯……⁉」

「そうだ。弓と棍棒を持った凶悪犯で、通り魔を繰り返しているらしいから気をつけるんだ」

「は、はい」

「怖いですね」

「まあ、そう怖がることはない。そんなやつら、ここに来たとしても私がなんとかしてやるから大丈夫だ。私は門番としてキャリアがあるのだからな」

「……」

 ここにいるのがその二人組なだけに、僕はユイと気まずそうな顔を見合わせる。

 それにしても、召喚士のガリュウのやることには本当に腹が立つ。散々悪さをしておいて僕らを通り魔だなんてよく言えたもんだ。盗人猛々しいとはこのことだね。

「ん、どうした? 早く通らないか」

「あ、はい!」

 兵士に促される格好で僕らは関所の門を潜り抜け、その場を早歩きで去った。

 自分たちが姿を変化させてるのもあってか、誰かがあとをつけてきている気配は今のところない。

 関所からしばらく歩いたのち、ユイが酷く疲れた様子で座り込む。その気持ち、凄くわかるなあ。

「――ふう……。クルスさん、心臓に悪かったですね。もう大丈夫でしょうか……?」

「今のところはね。でも、油断大敵だよ」

「は、はい……」

 なんせ、右列の中には隠蔽能力に長けたスキルを持ってるやつがいるかもしれないんだ。そう思うと油断はできない。オルトン村には大したことのないスキル持ちばかりいたけど、逆に言えば当たりスキル持ちはどこか別の場所にいるだろうってこと。

 ガリュウが右列の中でも特に有能なのを呼び戻して、僕たちを追跡させる可能性だってある。

 そんな事情もあって、僕とユイは次の町までなるべく急ぐことにした。

 あ、そうだ。村の外れにぽつぽつと家が立ってるのが見えるから、そこの住人から次の町までどれくらいかかるのか聞いてみよう。

 もちろん、その前に人柄を調べるのを忘れない。下手したら危害を加えられる可能性もあるわけだし。うーん……今のところめぼしい人がいないなあ。

 ん、なんか一軒だけ凄く離れてるところがある。あそこで聞いてみるか。


「――は、二十日……⁉」

「ああ、そうさ。それくらい日数を跨いで歩けば、オルトン村に最も近いクラインの町が見えてくるだろうさ。もちろん、あんたが目指してるっていうエルフの国へも近づくよ」

 ぽつりとある一軒家前、人柄Aのおばあさんに道を尋ねたらそう返ってきた。ほかの人たちはみんなEとかDばかりだったので彼女に聞いたってわけだ。

 なので嘘はついてないと思うけど、それにしても歩いて二十日もかかるって……。

 僕は【互換】スキルで知力を100にして、クラインの町までの距離を計算してみる。すると、徒歩で二十日かかるというのは距離にして大体1000キロくらいだと判明した。

「はあぁ……。クルスさん、これから私たち、いっぱい歩くことになりそうですねえ」

「だね……」

 1000キロも歩かないといけないなんて、ただでさえ心が折れかかってそうなユイには言えない……。

 それでも、エルフの国を目指す上でクラインの町はオルトン村から最も近い場所にある町なんだそうだ。だからそこまで頑張って歩くしかなさそうだね。食料はある程度魔法の袋に入れてあるから持つと思うし。

 俊敏値100にして、ユイを引っ張って一気に走ることも考えた。ただ、罠とか仕掛けられている可能性を考えたら慎重に行動せざるを得ない。

 あんまり時間がかかりすぎると包囲網を敷かれちゃいそうだから、それはそれで凄く困る。

「あ……」

「クルスさん、どうしました?」

「そうだ。山道を進めば最短でいけるんじゃないかな?」

「な、なるほど! クルスさん賢いです!」

 念のためにさっきのおばあさんに聞いてみると、それなら歩き続ければ七日くらいでクラインの町へ着けるだろうって。でも、山道は険しい上に強力なモンスターや山賊が出るからやめといたほうがいいよとのこと。

 それでも僕たちは行きたいと伝えると、山に詳しいおばあさんは地図を書いてくれた。ありがたい。しかも食べられるキノコまで分けてもらった。さすが人柄A。頼りになるなあ。

 ただ、調子に乗ってエルフの国についても質問したら、おばあさんですらも口を噤んでしまった。箝口令でも出されているかのようだ。

 もしかしたら、それを具体的に言うことでエルフと内通していると疑われ、兵士に連行される恐れがあるのかもしれない。
しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ
ファンタジー
 主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?  管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…  不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。   曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!  ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。  初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)  ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

処理中です...