外れスキル【削除&復元】が実は最強でした~色んなものを消して相手に押し付けたり自分のものにしたりする能力を得た少年の成り上がり~

名無し

文字の大きさ
46 / 93

46話 進化

しおりを挟む

「――はぁ、はぁ……」

 僕はいつの間にか、疲れを削除するのも忘れて戦っていた。むしろ、疲れるのが心地いいと感じるくらいだったし、それでも負ける気がしなかったからなのかもね。

 なんせ【難攻不落】スキルがかなり効いてて、飛んできた弓矢の一つに当たってしまいヤバッって思ったら掠り傷で済んだくらいだから、やつらの群れの中に紛れ込めるほど思い切った動きができるようになったんだ。

 もうこの村は虐殺された村人たちよりも、僕に打ちのめされて横たわる猪人族のほうが圧倒的に多いんじゃないかな……? 稀にまだ立ち上がるのもいたけど、これでもかってくらい暴れたから戦おうとする気力さえ残ってないはず。

「……」

 まもなく、僕はなんとも言えない空気を感じて振り返った。。とんでもなくヤバいのが……。

「あははっ……」

 なのに、僕は自分でも信じられないことに笑いが込み上げてくるのに気付いた。あれだけ戦ったのに、まだ足りないって体が求めてるような感じなんだ。血が煮えたぎるようなさらに激しい戦いを。

「――よくもここまでやってくれたものだなああぁ……」

 巻き上がった砂塵の中から現れたのは、今まで戦ってきた獣人よりも一回り大きい程度の猪人族の男だった。ヤバそうなのが来ると思って期待したんだけど、違ったのかな……。

「僕に解体されにきたの……?」

「言うなあ、人間。俺の前でそこまで言える人間、初めて見たじぇええぇ」

「……」

 彼が毛を逆立てて怒りの形相を浮かべたとき、空気が一転するのがわかった。この男、ただでかいだけじゃない。今までの猪人族と同じように見てたら痛い目を見そうだ。それくらいを持っているのがわかった。ここは【鑑定士】スキルで調べておかないとね……。

 名前:クアドラ
 レベル:48
 種族:猪人族
 属性:地
 サイズ:中型

 能力値:
 腕力A
 敏捷A
 体力S
 器用B
 運勢D
 知性C

 装備:
 アイアンメイル
 活力の帯
 効果:
 スタミナ(体力)が二倍になる。

 スキル:
【進化】
 効果:
 所持しているスキルを飛躍的に成長させることが可能。

 特殊防御:
 超再生
 効果:
 身体の内外の重大な状態異常、欠損、及び致命傷を自然回復する。回復スピードはレベル、ステータスに依存する。

 名前:ジギル
 レベル:44
 種族:猪人族
 属性:地
 サイズ:中型

 能力値:
 腕力A
 敏捷A
 体力S
 器用A
 運勢E
 知性F

 スキル:
【寄生】
 効果:
 他者の体の一部となり、同化することができる。

「……」

 な、なんだこりゃ。【鑑定士】スキルを使ったらのステータスが出てきた。しかもクアドラって猪人族の首領だよね。凄い情報ばかりでレア装備の活力の帯が目立たないほどだ。

 ってことは、この【寄生】っていうスキルで一緒になってるからなんだろうか――って……!? ステータスがクアドラのものだけに切り替わったかと思うと、装備と特殊防御を除いてどんどんしていく……。

 名前:クアドラ
 レベル:92
 種族:猪人族
 属性:地
 サイズ:大型

 能力値:
 腕力S
 敏捷S
 体力SS
 器用A
 運勢C
 知性C

 スキル:
【調和】
 効果:
【寄生】スキルが【進化】スキルによって大幅に成長したもの。両者のレベルやステータスを足し合わせることができる。

「う、うあっ……」

【調和】だって……? 思わず声が出るくらい、またとんでもないスキルが出てきちゃった。それを体現するように、クアドラの体も二回りくらい大きくなってるのがわかる。

 っていうか、92レベルって……。あれだけ苦労したドッペルゲンガーが51レベルだから、もう手に負えるようなレベルじゃないような。

「――フウウゥゥッ。力がどんどん湧いてきて溢れそうだじぇえぇ……。兄さん、今は窮屈だろうが待ってろぉ、このガキ、生きたまま丸々食わせてやるうううぅ……」



 ◆◆◆



「なっ、なななっ……なんだよおい、あの化け物はよ……!?」

 死体の少ない場所に移動したナセルたちだったが、彼らが建物の陰から目撃したのは、さらに震え上がるほどに図抜けた巨体の持ち主であった。

「あ、あんなの、絶対戦っちゃいけない存在よね……」

「オー、イエスッ。カインは最早神の生贄になったと思うしかあるまいっ……」

「カインさんみたいに強すぎるっていうのも考えものですよね。最後にあんな化け物に食べられちゃったら嫌ですもん――」

「――ククッ。そうは言うが、虎穴に入らずんば虎子を得ず、とも言うぞ……?」

「「「「……」」」」

 恐る恐る振り返るナセルたち。そこには仮面をつけた一人の男が立っていたが、それを見るやいなや青い顔で一目散に逃げ去っていった。

(ムウ、何故逃げるのだ……? 今の吾輩は【死んだ振り】スキルで死体と同化していないが……って、そうか。以前部下たちを引き連れて拷問したことがあったか。すっかり忘れていた。ククッ……)
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る

神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】 元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。 ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、 理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。 今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。 様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。 カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。 ハーレム要素多め。 ※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。 よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz 他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。 たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。 物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz 今後とも応援よろしくお願い致します。

生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。

水定ゆう
ファンタジー
 村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。  異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。  そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。  生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!  ※とりあえず、一時完結いたしました。  今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。  その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

【完結】魅了の魔法にかけられて全てを失った俺は、最強の魔法剣士になり時を巻き戻す

金峯蓮華
ファンタジー
戦に負け、国が滅び、俺ひとりだけ生き残った。愛する女を失い、俺は死に場所を求め、傭兵となり各地を漂っていた。そんな時、ある男に声をかけられた。 「よぉ、にいちゃん。お前、魅了魔法がかかってるぜ。それも強烈に強いヤツだ。解いてやろうか?」 魅了魔法? なんだそれは? その男との出会いが俺の人生を変えた。俺は時間をもどし、未来を変える。 R15は死のシーンがあるための保険です。 独自の異世界の物語です。

転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜

ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。 アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった 騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。 今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。 しかし、この賭けは罠であった。 アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。 賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。 アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。 小説家になろうにも投稿しています。 なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

追放された回復術師は、なんでも『回復』できて万能でした

新緑あらた
ファンタジー
死闘の末、強敵の討伐クエストを達成した回復術師ヨシュアを待っていたのは、称賛の言葉ではなく、解雇通告だった。 「ヨシュア……てめえはクビだ」 ポーションを湯水のように使える最高位冒険者になった彼らは、今まで散々ポーションの代用品としてヨシュアを利用してきたのに、回復術師は不要だと考えて切り捨てることにしたのだ。 「ポーションの下位互換」とまで罵られて気落ちしていたヨシュアだったが、ブラックな労働をしいるあのパーティーから解放されて喜んでいる自分に気づく。 危機から救った辺境の地方領主の娘との出会いをきっかけに、彼の世界はどんどん広がっていく……。 一方、Sランク冒険者パーティーはクエストの未達成でどんどんランクを落としていく。 彼らは知らなかったのだ、ヨシュアが彼らの傷だけでなく、状態異常や武器の破損など、なんでも『回復』していたことを……。

俺を凡の生産職だからと追放したS級パーティ、魔王が滅んで需要激減したけど大丈夫そ?〜誰でもダンジョン時代にクラフトスキルがバカ売れしてます~

風見 源一郎
ファンタジー
勇者が魔王を倒したことにより、強力な魔物が消滅。ダンジョン踏破の難易度が下がり、強力な武具さえあれば、誰でも魔石集めをしながら最奥のアイテムを取りに行けるようになった。かつてのS級パーティたちも護衛としての需要はあるもの、単価が高すぎて雇ってもらえず、値下げ合戦をせざるを得ない。そんな中、特殊能力や強い魔力を帯びた武具を作り出せる主人公のクラフトスキルは、誰からも求められるようになった。その後勇者がどうなったのかって? さぁ…

処理中です...