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第一章 リトア王国
アロイス様はすごいらしい
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笑顔で語るアロイス様に苦笑しながらお父様は公爵様に問いかけた。
「ファラス公爵、君は息子にどんな教育をしているんだ?この年で間者のような振る舞いができるとは。末恐ろしいな。」
「知らないよ~生まれた時から大人びた子だったけど、いつの間にか魔法も四属性操ってるし?勝手にあちこち顔を突っ込んでは何かしてるし。
でも悪いことはしてないみたいだから、まぁ自由にさせてるんだ~
ね、アンディーブ。」
ずっと黙っていたアンディーブ様が苦笑している。
「私に話を振らないでください父上。アロイスの性格は父上似だと母上は言っていましたよ。」
「え~なんだよ。みんなして僕のせいにしちゃってさ。」
公爵様はいじけたように身を縮めてコーヒーをすすっている。
「魔法を四属性操る?」
スリジェ家の人たちはみんな唖然としている。
やっぱりすごいことなんだ。
私が勝手に嬉しくなってアロイス様に目を向けると彼はなんとも言えない微妙な表情を浮かべている。
あの顔は絶対、公爵様に似てないって言いたいんだろうな~と私はおかしくなりニヤニヤしてしまった。
「アロイスが我々の理解を超えた存在だって話しただろう?
でなきゃ僕も王家のあんな話即答で断ったよ。我が家の跡取りとしてアンディーブがいるけどアロイスだって公爵家の大事な息子だ。
特にアロイスにはリーク王子の側近になってもらいたかったんだよね~
アンディーブがエドワード王子の右腕とまで言われてるからね。さんざん中立だとほのめかしてるのに我が家を第一王子派だと思ってる連中も多いし。
でもね、このアロイスを家に縛り付けて王家に仕えさせたりするのはどうかと思うんだよね。本人が望まなくてもアロイスの力を狙って他国から戦を仕掛けられる可能性だって十分にある。
そう考えるとあの婚約者の話は案外受け入れられる話かなと思ったんだよね~
とりあえず立太子の時期までは時間が稼げるから。
だって婚約者の話を断れば必ず側近として望まれるだろう、そうするとアロイスは生涯イシェラ王国に縛られる。まぁ、簡単に逃げ出せそうだけど穏便にすまなきゃ公爵家に火の粉がかかる。
だから受ける気なんだけど本人があんまり嫌がるからアランに知恵を借りようと思ってたんだよね。」
「そのお話しなら、条件付きでお受けする覚悟ができています。」
口を開きかけていたお父様がアロイス様の方を向いた。
「ただ、今はそれより緊急の事態が迫っていそうです。」
この言葉に部屋中の視線が集まった。
「カイル伯爵が動き出したようです。」
そう言ったアロイス様の手元から渦巻く小さな風が消えていった。
「ファラス公爵、君は息子にどんな教育をしているんだ?この年で間者のような振る舞いができるとは。末恐ろしいな。」
「知らないよ~生まれた時から大人びた子だったけど、いつの間にか魔法も四属性操ってるし?勝手にあちこち顔を突っ込んでは何かしてるし。
でも悪いことはしてないみたいだから、まぁ自由にさせてるんだ~
ね、アンディーブ。」
ずっと黙っていたアンディーブ様が苦笑している。
「私に話を振らないでください父上。アロイスの性格は父上似だと母上は言っていましたよ。」
「え~なんだよ。みんなして僕のせいにしちゃってさ。」
公爵様はいじけたように身を縮めてコーヒーをすすっている。
「魔法を四属性操る?」
スリジェ家の人たちはみんな唖然としている。
やっぱりすごいことなんだ。
私が勝手に嬉しくなってアロイス様に目を向けると彼はなんとも言えない微妙な表情を浮かべている。
あの顔は絶対、公爵様に似てないって言いたいんだろうな~と私はおかしくなりニヤニヤしてしまった。
「アロイスが我々の理解を超えた存在だって話しただろう?
でなきゃ僕も王家のあんな話即答で断ったよ。我が家の跡取りとしてアンディーブがいるけどアロイスだって公爵家の大事な息子だ。
特にアロイスにはリーク王子の側近になってもらいたかったんだよね~
アンディーブがエドワード王子の右腕とまで言われてるからね。さんざん中立だとほのめかしてるのに我が家を第一王子派だと思ってる連中も多いし。
でもね、このアロイスを家に縛り付けて王家に仕えさせたりするのはどうかと思うんだよね。本人が望まなくてもアロイスの力を狙って他国から戦を仕掛けられる可能性だって十分にある。
そう考えるとあの婚約者の話は案外受け入れられる話かなと思ったんだよね~
とりあえず立太子の時期までは時間が稼げるから。
だって婚約者の話を断れば必ず側近として望まれるだろう、そうするとアロイスは生涯イシェラ王国に縛られる。まぁ、簡単に逃げ出せそうだけど穏便にすまなきゃ公爵家に火の粉がかかる。
だから受ける気なんだけど本人があんまり嫌がるからアランに知恵を借りようと思ってたんだよね。」
「そのお話しなら、条件付きでお受けする覚悟ができています。」
口を開きかけていたお父様がアロイス様の方を向いた。
「ただ、今はそれより緊急の事態が迫っていそうです。」
この言葉に部屋中の視線が集まった。
「カイル伯爵が動き出したようです。」
そう言ったアロイス様の手元から渦巻く小さな風が消えていった。
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