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第一章 リトア王国
お父様に認められました
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アイリーンが扉を少し開きこちらを向く。
「旦那様が公爵様をお連れです。」
私がうなずくとすぐにアイリーンが扉を開きお父様と疲れた様子の公爵様が入ってきた。
「やっぱりアロイスここに来てたね。」
公爵様に手招きされたのんちゃんはすぐに側に駆け寄る。
お父様はさっきまで彼が座っていた席に座り
両手を組んでテーブルに乗せる。
アイリーンの勧めで公爵様たちはソファーに腰掛けコソコソ何か話している。
「リド教の方々とお話ししていらしたのですか?」
お父様は私の問いにうなずきながら口を開いた。
「マリーベルは本当にアロイス殿との結婚を望んでいるのか?」
急に尋ねられて驚き真っ赤になりながらも私は必死に答えた。
「はい。」
「そうか、ならば…」
お父様は立ち上がりアロイス様の前に立った。アロイス様も立ち上がりお父様を真っ直ぐに見上げている。
「アロイス・エシャルロット殿。貴殿の娘への結婚の申し込み。お受けしよう。後ほど用意した婚約証明の書類もお渡しする。」
「認めていただきありがとうございます。
必ずマリーベル嬢を幸せにしてみせます。」
お父様はあまり嬉しくなさそうにうなずき私に顔を向けた。
「とはいえ二人はまだ幼い。気持ちの変化や悩みができたならば二人とも遠慮なく言うように。」
そんなことないと思うけど未来なんて誰にも分からないもんね。はい。っと元気に返事をした私を少し悲しそうにアロイス様が見ている。
「二人ともデビュー前だから婚約式とかは無しだけど両国の王家に許可を貰わなきゃね。まぁ、アロイスはその辺りもぬかりないんだろうけど。」
公爵様の言葉にアロイス様はニコッと笑ってみせた。
それから四人で腰を落ち着けて話をした。
お父様たちは捕まえたリド教の人たちから色々聞き出したらしくアロイス様の将来賢者になって旅に出る計画にも思いの外理解を示している。
辺境伯家を継がなくても私がスリジェ家の娘であることは生涯変わらないと言われて嬉しくて涙が出そうになった。
でもそうするとスリジェ辺境伯を継ぐのは…?
そう疑問を浮かべる私にお父様は答えてくれた。
「リド教の話とカイルの話を聞くかぎり、カイル・ランギャーはいいように使われたようだ。多少罪は軽くなるだろうが伯爵位は取り上げられるだろう。カイルの精神が正常な状態ではないのも考慮に入るだろうし本人はとりあえず専門機関で療養することになるだろう。マーガレットは息子を連れて実家に帰りたがるだろうが…
ディル・ランギャーは調べた所魔力はさほど強くはないが優秀な子らしい。
後継ぎとしてスリジェ家に養子に来させようと思う。」
お父様はじっと私の表情を伺っている。
「マリーベルと縁組させることも考えたが、本人の希望をなるべく優先したいからな。」
アロイス様はまるでこの話が出るのが分かっていたかのように慌てている私と違ってチラッとも表情を変えない。
「まぁ養子の件も婚約の件も陛下の許可を得なければ話が進まないが。ディル本人にもまだ話していないしな。公爵が協力してくれて明日にはディルとマーガレットが屋敷にやって来る。二人が来てからまた話し合う。」
「はい、お父様。」
神妙にうなずきドキドキし始めた胸を押さえ込む。
明日も大変な1日になりそうだ。
「旦那様が公爵様をお連れです。」
私がうなずくとすぐにアイリーンが扉を開きお父様と疲れた様子の公爵様が入ってきた。
「やっぱりアロイスここに来てたね。」
公爵様に手招きされたのんちゃんはすぐに側に駆け寄る。
お父様はさっきまで彼が座っていた席に座り
両手を組んでテーブルに乗せる。
アイリーンの勧めで公爵様たちはソファーに腰掛けコソコソ何か話している。
「リド教の方々とお話ししていらしたのですか?」
お父様は私の問いにうなずきながら口を開いた。
「マリーベルは本当にアロイス殿との結婚を望んでいるのか?」
急に尋ねられて驚き真っ赤になりながらも私は必死に答えた。
「はい。」
「そうか、ならば…」
お父様は立ち上がりアロイス様の前に立った。アロイス様も立ち上がりお父様を真っ直ぐに見上げている。
「アロイス・エシャルロット殿。貴殿の娘への結婚の申し込み。お受けしよう。後ほど用意した婚約証明の書類もお渡しする。」
「認めていただきありがとうございます。
必ずマリーベル嬢を幸せにしてみせます。」
お父様はあまり嬉しくなさそうにうなずき私に顔を向けた。
「とはいえ二人はまだ幼い。気持ちの変化や悩みができたならば二人とも遠慮なく言うように。」
そんなことないと思うけど未来なんて誰にも分からないもんね。はい。っと元気に返事をした私を少し悲しそうにアロイス様が見ている。
「二人ともデビュー前だから婚約式とかは無しだけど両国の王家に許可を貰わなきゃね。まぁ、アロイスはその辺りもぬかりないんだろうけど。」
公爵様の言葉にアロイス様はニコッと笑ってみせた。
それから四人で腰を落ち着けて話をした。
お父様たちは捕まえたリド教の人たちから色々聞き出したらしくアロイス様の将来賢者になって旅に出る計画にも思いの外理解を示している。
辺境伯家を継がなくても私がスリジェ家の娘であることは生涯変わらないと言われて嬉しくて涙が出そうになった。
でもそうするとスリジェ辺境伯を継ぐのは…?
そう疑問を浮かべる私にお父様は答えてくれた。
「リド教の話とカイルの話を聞くかぎり、カイル・ランギャーはいいように使われたようだ。多少罪は軽くなるだろうが伯爵位は取り上げられるだろう。カイルの精神が正常な状態ではないのも考慮に入るだろうし本人はとりあえず専門機関で療養することになるだろう。マーガレットは息子を連れて実家に帰りたがるだろうが…
ディル・ランギャーは調べた所魔力はさほど強くはないが優秀な子らしい。
後継ぎとしてスリジェ家に養子に来させようと思う。」
お父様はじっと私の表情を伺っている。
「マリーベルと縁組させることも考えたが、本人の希望をなるべく優先したいからな。」
アロイス様はまるでこの話が出るのが分かっていたかのように慌てている私と違ってチラッとも表情を変えない。
「まぁ養子の件も婚約の件も陛下の許可を得なければ話が進まないが。ディル本人にもまだ話していないしな。公爵が協力してくれて明日にはディルとマーガレットが屋敷にやって来る。二人が来てからまた話し合う。」
「はい、お父様。」
神妙にうなずきドキドキし始めた胸を押さえ込む。
明日も大変な1日になりそうだ。
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