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第二章 イシェラ王国
お父様はお怒りです
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のんちゃんの規格外さを三度突きつけられた私が諦め顔で紅茶を淹れてあげるとアロイスは嬉しそうに香りをかいでいる。
「とにかく無事で良かったよ~あ、マントの端が破れてる。貸して?」
私が針を取り出しチクチク縫うのをアロイスはお茶を飲みながら楽しそうに眺めている。
「なんか、マリーも着々と淑女らしくなってくよね。」
「当たり前でしょう?誰に育てられてると思ってるの?」
お祖母様のおかげで淑女のたしなみは一通りできるようになってるんだから。
楽しくおしゃべりしていたらドスドスと荒い足音が近づいてきて扉がドンドンっと強く叩かれた。
私はアロイスと顔を見合わせてから返事をする。
「はい、どうぞ。」
すぐさま扉が開き青筋を立てたお父様が部屋に入ってくる。
「こんばんは、お父様。」
「お邪魔しています。アラン辺境伯。」
お父様は腕組みをしてアロイスを睨みつける。
「お邪魔していますじゃないだろうアロイス!何度言ったら分かるんだ。夜更けに婚約者とはいえ淑女の部屋を訪れるなんて非常識だ。」
「すみません。マリーに一目だけあったら帰ろうと思っていたんですが一緒の時間を過ごすという魅力に抗えなくてそれにアラン辺境伯にもお会いしたかったんです。急いで報告したいことがあって。」
なんか今またさらっと言ってたけど…もう少し慣れてきた自分が怖い。
「まったく、日に日にファラスに似てきて困ったもんだ。」
「褒め言葉だと信じておきます。」
私の部屋で話すのはダメだと言うので三人でお父様の執務室へ移動する。
歩きながら夕食は食べたのかアロイスに聞いてあげている辺り、お父様もアロイスが好きなんだよね。
朝から携帯食しか食べていないというアロイスは
「そんなことだから背が伸びないのだ。」
と叱られている。
しゅんとしながらもどこか嬉しそうなアロイスもお父様が心配して言っているのがわかるのだろう。
執務室に到着すると机にはカリッと焼いたバケットに新鮮な野菜とお肉が溢れんばかりに挟まれたサンドイッチと暖かいスープが用意されていた。
目を輝かせるアロイスに話はまず食べてからだと告げるとお父様は巨大な執務机の前に座り書類をめくり始めた。
私は再び紅茶を淹れてアロイスとお父様の元に運ぶ。
あっという間に食べ終えたアロイスに足りたのか不安そうに聞くお父様。もはやお母さんみたいですけど…
皆んなで紅茶を飲んでひと心地ついた所でアロイスが例のツノを取り出す。
「今日、ヴェルフィアウルフの女帝からいただいたものです。」
さすがお父様、アロイスの唐突な規格外の話にもまったく動揺せずに黙ってツノをつまみあげしげしげと眺めている。
「切り口を見てください。自然に折れたにしてはおかしい。何度も刃を当てて少しずつ削り切り込みを入れたあとがあります。
調べたところ微量ですが刃物のこぼれカスと血がついていました。」
「誰かがヴェルフィアウルフのツノを密猟していると?」
神妙にうなずくアロイスと眉間にシワを寄せるお父様。
「このツノが最近のものなのかどうかはわかりません。女帝の力も移っているので。ただ最近ヴェルフィアウルフの頭数は減る一方だとアラン辺境伯がおっしゃっていたのを思い出したので。」
「確かにそうだ。もともと希少ではあったが最近成獣になれる数が減っているように感じていた。
まさかツノを採取するために?愚かな…」
「調べる価値はあると思います。
僕の推測ではヴェルフィアウルフの餌となる動物に大量の毒草を食べさせ、魔法で匂いを変えまだ魔法を感知できない子供が近づく場所にしかけ毒にやられた後ツノを奪っていると思われます。」
「とにかく無事で良かったよ~あ、マントの端が破れてる。貸して?」
私が針を取り出しチクチク縫うのをアロイスはお茶を飲みながら楽しそうに眺めている。
「なんか、マリーも着々と淑女らしくなってくよね。」
「当たり前でしょう?誰に育てられてると思ってるの?」
お祖母様のおかげで淑女のたしなみは一通りできるようになってるんだから。
楽しくおしゃべりしていたらドスドスと荒い足音が近づいてきて扉がドンドンっと強く叩かれた。
私はアロイスと顔を見合わせてから返事をする。
「はい、どうぞ。」
すぐさま扉が開き青筋を立てたお父様が部屋に入ってくる。
「こんばんは、お父様。」
「お邪魔しています。アラン辺境伯。」
お父様は腕組みをしてアロイスを睨みつける。
「お邪魔していますじゃないだろうアロイス!何度言ったら分かるんだ。夜更けに婚約者とはいえ淑女の部屋を訪れるなんて非常識だ。」
「すみません。マリーに一目だけあったら帰ろうと思っていたんですが一緒の時間を過ごすという魅力に抗えなくてそれにアラン辺境伯にもお会いしたかったんです。急いで報告したいことがあって。」
なんか今またさらっと言ってたけど…もう少し慣れてきた自分が怖い。
「まったく、日に日にファラスに似てきて困ったもんだ。」
「褒め言葉だと信じておきます。」
私の部屋で話すのはダメだと言うので三人でお父様の執務室へ移動する。
歩きながら夕食は食べたのかアロイスに聞いてあげている辺り、お父様もアロイスが好きなんだよね。
朝から携帯食しか食べていないというアロイスは
「そんなことだから背が伸びないのだ。」
と叱られている。
しゅんとしながらもどこか嬉しそうなアロイスもお父様が心配して言っているのがわかるのだろう。
執務室に到着すると机にはカリッと焼いたバケットに新鮮な野菜とお肉が溢れんばかりに挟まれたサンドイッチと暖かいスープが用意されていた。
目を輝かせるアロイスに話はまず食べてからだと告げるとお父様は巨大な執務机の前に座り書類をめくり始めた。
私は再び紅茶を淹れてアロイスとお父様の元に運ぶ。
あっという間に食べ終えたアロイスに足りたのか不安そうに聞くお父様。もはやお母さんみたいですけど…
皆んなで紅茶を飲んでひと心地ついた所でアロイスが例のツノを取り出す。
「今日、ヴェルフィアウルフの女帝からいただいたものです。」
さすがお父様、アロイスの唐突な規格外の話にもまったく動揺せずに黙ってツノをつまみあげしげしげと眺めている。
「切り口を見てください。自然に折れたにしてはおかしい。何度も刃を当てて少しずつ削り切り込みを入れたあとがあります。
調べたところ微量ですが刃物のこぼれカスと血がついていました。」
「誰かがヴェルフィアウルフのツノを密猟していると?」
神妙にうなずくアロイスと眉間にシワを寄せるお父様。
「このツノが最近のものなのかどうかはわかりません。女帝の力も移っているので。ただ最近ヴェルフィアウルフの頭数は減る一方だとアラン辺境伯がおっしゃっていたのを思い出したので。」
「確かにそうだ。もともと希少ではあったが最近成獣になれる数が減っているように感じていた。
まさかツノを採取するために?愚かな…」
「調べる価値はあると思います。
僕の推測ではヴェルフィアウルフの餌となる動物に大量の毒草を食べさせ、魔法で匂いを変えまだ魔法を感知できない子供が近づく場所にしかけ毒にやられた後ツノを奪っていると思われます。」
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