118 / 247
第二章 イシェラ王国
ついにゲームが始まり?ます
しおりを挟む
学園入学前日。アリアドネ妃に呼ばれて部屋に行くと何故か王宮の美容スタッフさんが待ち構えていてゆったりとマッサージを受けるアリアドネ妃の横で全身をピカピカに磨きたてられるという苦行が行われた。
「いい?マリー。入学初日は一大イベントなの。ゲームのストーリーに関わらず初対面の生徒がたくさんいるんだから磨きをかけておかなくっちゃ。」
つわりはおさまったものの行動を制限されているせいでアリアドネ妃は退屈しているらしい。
「私はあまり目立ちたくないのですが…」
「無理無理、無理に決まってるじゃない。
今年の新入生の中で一番の話題になっているんだから。もう一人の話題は南の帝国の第5皇女の留学ね。」
「え?!南の帝国の皇女様がいらっしゃるんですか?」
「そうよ~この国からかなり離れてるから今まで活発な交流はなかったけどね。第5皇女に魔法の才があることが分かってこの国の魔法学園に入学させることに…というのが建前で実はエドワードの相手にどうかと言われてるらしいわ。
あっ、これ内緒よ?」
「分かりました…ってえ?私はその皇女様よりウワサされてるって事ですか?」
「だって~あまり交流のない遠くの皇女より何かと話題の隣国の辺境伯令嬢の方が気になるじゃない?学生なんてそんなものでしょ。むしろ待ち構えてるのは大人の方ね。
南の帝国は軍事力が高いし他国の介入をあまり許さなかったから外からじゃ分からないことも多いし。
今も到着が遅れていて入学式に間に合うか分からない皇女一行を途中まで迎えに行ってるわ。」
まぁ、貴女は人のこと気にせず明日から頑張るのよ。っとアリアドネ妃に背中を押されたけど、正直不安が増した気がする…
翌日。
何台もの馬車が列をなしているのを横目に王家の紋章が入った馬車は別の道を通り、巨大な鉄門の前に出る。
順番に生徒を下ろしている他家の馬車は50メートルほど離れて止められていてこちらに注目しているのが分かり気まずい。
座り心地抜群で揺れもほとんどない居心地のいい馬車から降りてあの中に入らなきゃいけないと思うと心臓が飛び出そうだ。
リークとリノアは全く気にしていないらしくさっさと降りて行くけど…
躊躇していたら馬車の外から手が差し込まれた。
「大丈夫だよマリー。」
そう微笑んでくれたのは一足先に学園に戻っていたディルだ。
意を決してその手を取り馬車を降りるとビシビシ学園内外から視線を感じる。
でもこんな時こそお祖母様の教えを生かさなければ。
背筋を伸ばし、まっすぐ顔を上げると優しく微笑むディルにリノア。緊張してんのか?とからかうように笑うリーク。周りの視線を制するように視線を巡らしてくれるカストル。門の中からはイライザが手を振ってくれている。
六つの塔を持つ巨大な魔法学園を見上げて思わず息をのんでから私はリノアと目を合わせ小さくうなずいた。
ストーリーは大きく変わったはずだけど、というかあまりストーリー知らないけど。
のんちゃんや私のフラグを折りまくり絶対無事に学園生活を乗り切って二人のハッピーエンドを掴むんだ。
眩しい青空にそう誓って私はようやく一歩踏み出した。
「いい?マリー。入学初日は一大イベントなの。ゲームのストーリーに関わらず初対面の生徒がたくさんいるんだから磨きをかけておかなくっちゃ。」
つわりはおさまったものの行動を制限されているせいでアリアドネ妃は退屈しているらしい。
「私はあまり目立ちたくないのですが…」
「無理無理、無理に決まってるじゃない。
今年の新入生の中で一番の話題になっているんだから。もう一人の話題は南の帝国の第5皇女の留学ね。」
「え?!南の帝国の皇女様がいらっしゃるんですか?」
「そうよ~この国からかなり離れてるから今まで活発な交流はなかったけどね。第5皇女に魔法の才があることが分かってこの国の魔法学園に入学させることに…というのが建前で実はエドワードの相手にどうかと言われてるらしいわ。
あっ、これ内緒よ?」
「分かりました…ってえ?私はその皇女様よりウワサされてるって事ですか?」
「だって~あまり交流のない遠くの皇女より何かと話題の隣国の辺境伯令嬢の方が気になるじゃない?学生なんてそんなものでしょ。むしろ待ち構えてるのは大人の方ね。
南の帝国は軍事力が高いし他国の介入をあまり許さなかったから外からじゃ分からないことも多いし。
今も到着が遅れていて入学式に間に合うか分からない皇女一行を途中まで迎えに行ってるわ。」
まぁ、貴女は人のこと気にせず明日から頑張るのよ。っとアリアドネ妃に背中を押されたけど、正直不安が増した気がする…
翌日。
何台もの馬車が列をなしているのを横目に王家の紋章が入った馬車は別の道を通り、巨大な鉄門の前に出る。
順番に生徒を下ろしている他家の馬車は50メートルほど離れて止められていてこちらに注目しているのが分かり気まずい。
座り心地抜群で揺れもほとんどない居心地のいい馬車から降りてあの中に入らなきゃいけないと思うと心臓が飛び出そうだ。
リークとリノアは全く気にしていないらしくさっさと降りて行くけど…
躊躇していたら馬車の外から手が差し込まれた。
「大丈夫だよマリー。」
そう微笑んでくれたのは一足先に学園に戻っていたディルだ。
意を決してその手を取り馬車を降りるとビシビシ学園内外から視線を感じる。
でもこんな時こそお祖母様の教えを生かさなければ。
背筋を伸ばし、まっすぐ顔を上げると優しく微笑むディルにリノア。緊張してんのか?とからかうように笑うリーク。周りの視線を制するように視線を巡らしてくれるカストル。門の中からはイライザが手を振ってくれている。
六つの塔を持つ巨大な魔法学園を見上げて思わず息をのんでから私はリノアと目を合わせ小さくうなずいた。
ストーリーは大きく変わったはずだけど、というかあまりストーリー知らないけど。
のんちゃんや私のフラグを折りまくり絶対無事に学園生活を乗り切って二人のハッピーエンドを掴むんだ。
眩しい青空にそう誓って私はようやく一歩踏み出した。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。
《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
悪役令嬢のビフォーアフター
すけさん
恋愛
婚約者に断罪され修道院に行く途中に山賊に襲われた悪役令嬢だが、何故か死ぬことはなく、気がつくと断罪から3年前の自分に逆行していた。
腹黒ヒロインと戦う逆行の転生悪役令嬢カナ!
とりあえずダイエットしなきゃ!
そんな中、
あれ?婚約者も何か昔と態度が違う気がするんだけど・・・
そんな私に新たに出会いが!!
婚約者さん何気に嫉妬してない?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
※他サイト様にも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる