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第二章 イシェラ王国
ついにゲームが始まり?ます
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学園入学前日。アリアドネ妃に呼ばれて部屋に行くと何故か王宮の美容スタッフさんが待ち構えていてゆったりとマッサージを受けるアリアドネ妃の横で全身をピカピカに磨きたてられるという苦行が行われた。
「いい?マリー。入学初日は一大イベントなの。ゲームのストーリーに関わらず初対面の生徒がたくさんいるんだから磨きをかけておかなくっちゃ。」
つわりはおさまったものの行動を制限されているせいでアリアドネ妃は退屈しているらしい。
「私はあまり目立ちたくないのですが…」
「無理無理、無理に決まってるじゃない。
今年の新入生の中で一番の話題になっているんだから。もう一人の話題は南の帝国の第5皇女の留学ね。」
「え?!南の帝国の皇女様がいらっしゃるんですか?」
「そうよ~この国からかなり離れてるから今まで活発な交流はなかったけどね。第5皇女に魔法の才があることが分かってこの国の魔法学園に入学させることに…というのが建前で実はエドワードの相手にどうかと言われてるらしいわ。
あっ、これ内緒よ?」
「分かりました…ってえ?私はその皇女様よりウワサされてるって事ですか?」
「だって~あまり交流のない遠くの皇女より何かと話題の隣国の辺境伯令嬢の方が気になるじゃない?学生なんてそんなものでしょ。むしろ待ち構えてるのは大人の方ね。
南の帝国は軍事力が高いし他国の介入をあまり許さなかったから外からじゃ分からないことも多いし。
今も到着が遅れていて入学式に間に合うか分からない皇女一行を途中まで迎えに行ってるわ。」
まぁ、貴女は人のこと気にせず明日から頑張るのよ。っとアリアドネ妃に背中を押されたけど、正直不安が増した気がする…
翌日。
何台もの馬車が列をなしているのを横目に王家の紋章が入った馬車は別の道を通り、巨大な鉄門の前に出る。
順番に生徒を下ろしている他家の馬車は50メートルほど離れて止められていてこちらに注目しているのが分かり気まずい。
座り心地抜群で揺れもほとんどない居心地のいい馬車から降りてあの中に入らなきゃいけないと思うと心臓が飛び出そうだ。
リークとリノアは全く気にしていないらしくさっさと降りて行くけど…
躊躇していたら馬車の外から手が差し込まれた。
「大丈夫だよマリー。」
そう微笑んでくれたのは一足先に学園に戻っていたディルだ。
意を決してその手を取り馬車を降りるとビシビシ学園内外から視線を感じる。
でもこんな時こそお祖母様の教えを生かさなければ。
背筋を伸ばし、まっすぐ顔を上げると優しく微笑むディルにリノア。緊張してんのか?とからかうように笑うリーク。周りの視線を制するように視線を巡らしてくれるカストル。門の中からはイライザが手を振ってくれている。
六つの塔を持つ巨大な魔法学園を見上げて思わず息をのんでから私はリノアと目を合わせ小さくうなずいた。
ストーリーは大きく変わったはずだけど、というかあまりストーリー知らないけど。
のんちゃんや私のフラグを折りまくり絶対無事に学園生活を乗り切って二人のハッピーエンドを掴むんだ。
眩しい青空にそう誓って私はようやく一歩踏み出した。
「いい?マリー。入学初日は一大イベントなの。ゲームのストーリーに関わらず初対面の生徒がたくさんいるんだから磨きをかけておかなくっちゃ。」
つわりはおさまったものの行動を制限されているせいでアリアドネ妃は退屈しているらしい。
「私はあまり目立ちたくないのですが…」
「無理無理、無理に決まってるじゃない。
今年の新入生の中で一番の話題になっているんだから。もう一人の話題は南の帝国の第5皇女の留学ね。」
「え?!南の帝国の皇女様がいらっしゃるんですか?」
「そうよ~この国からかなり離れてるから今まで活発な交流はなかったけどね。第5皇女に魔法の才があることが分かってこの国の魔法学園に入学させることに…というのが建前で実はエドワードの相手にどうかと言われてるらしいわ。
あっ、これ内緒よ?」
「分かりました…ってえ?私はその皇女様よりウワサされてるって事ですか?」
「だって~あまり交流のない遠くの皇女より何かと話題の隣国の辺境伯令嬢の方が気になるじゃない?学生なんてそんなものでしょ。むしろ待ち構えてるのは大人の方ね。
南の帝国は軍事力が高いし他国の介入をあまり許さなかったから外からじゃ分からないことも多いし。
今も到着が遅れていて入学式に間に合うか分からない皇女一行を途中まで迎えに行ってるわ。」
まぁ、貴女は人のこと気にせず明日から頑張るのよ。っとアリアドネ妃に背中を押されたけど、正直不安が増した気がする…
翌日。
何台もの馬車が列をなしているのを横目に王家の紋章が入った馬車は別の道を通り、巨大な鉄門の前に出る。
順番に生徒を下ろしている他家の馬車は50メートルほど離れて止められていてこちらに注目しているのが分かり気まずい。
座り心地抜群で揺れもほとんどない居心地のいい馬車から降りてあの中に入らなきゃいけないと思うと心臓が飛び出そうだ。
リークとリノアは全く気にしていないらしくさっさと降りて行くけど…
躊躇していたら馬車の外から手が差し込まれた。
「大丈夫だよマリー。」
そう微笑んでくれたのは一足先に学園に戻っていたディルだ。
意を決してその手を取り馬車を降りるとビシビシ学園内外から視線を感じる。
でもこんな時こそお祖母様の教えを生かさなければ。
背筋を伸ばし、まっすぐ顔を上げると優しく微笑むディルにリノア。緊張してんのか?とからかうように笑うリーク。周りの視線を制するように視線を巡らしてくれるカストル。門の中からはイライザが手を振ってくれている。
六つの塔を持つ巨大な魔法学園を見上げて思わず息をのんでから私はリノアと目を合わせ小さくうなずいた。
ストーリーは大きく変わったはずだけど、というかあまりストーリー知らないけど。
のんちゃんや私のフラグを折りまくり絶対無事に学園生活を乗り切って二人のハッピーエンドを掴むんだ。
眩しい青空にそう誓って私はようやく一歩踏み出した。
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