128 / 246
第三章 魔法学園
豪華な豪華なランチタイム
しおりを挟む
「はぁっ」
約束通りご馳走になるランチを待ちながら私はついため息をはきだしていた。
「なんだよ、別のがよかったなら今からでも変えられるぞ?」
「違うよ。」
私は軽くリークを睨む。
「リークはあんな噂をたてられて気にならないの?」
「噂?あぁ、朝のやつな。早い段階で打ち消したから大丈夫だろ。」
リークは拍子抜けするほど気にしていないらしい。
「今回の噂は大丈夫だろうけど問題は彼女だよね。ロベリア・ハフス子爵令嬢。」
のんちゃんの言葉にイライザがうなずく。
「何故周りの方たちが彼女の話を聞くのか不思議ですわ。」
「彼女やハフス家を調べたけど不審な所は見当たらなかったしね。子爵夫妻の次女で幼い頃は病弱だったらしく姉も一緒になってみんなで可愛がり甘やかして育てたらしい。」
さすがのんちゃん。もうハフスさんのことを調べてるなんて。
「典型的なわがまま令嬢ですものね。
セーラさんに失礼な言動をしていたのだって…」
イライザは言いかけた言葉を飲み込んで同じテーブルに着くセーラに申し訳なさそうな目を向ける。
「どうか続けてください。この場にいらっしゃる皆様なら知っていていただきたいことですから。」
私たちがランチをしているこの部屋は王族専用の食事室。
訓練された給事以外が入ってくることもないし個人的な話をするには確かにピッタリの場所だ。
イライザは恐る恐るセーラのお兄さんがリド教に…というよりニリーナ様に入れ込んでしまい起きたスリジェ家襲撃事件をかいつまんで説明してくれた。
「ロベリア・ハフスさんはお兄様に憧れていたようですわね?」
イライザの言葉にセーラは小さくうなずく。
「はい、ハフス家とタシャナン家は同じ子爵家同士だったこともあり子供同士のお茶会などで頻繁に互いの家を行き来していました。
ロベリアさんは少しわがままな部分もありましたが根は優しくて人の陰口をするような子ではなかったのですが…
私のことが許せないのだと思います。憧れていた兄は捕らえられ、家族は皆罰を受けたのに私だけ爵位の高い養父様の元でぬくぬく暮らしていることが。」
「許す許さないなんて彼女には関係ないことですわ。」
イライザは俯きかげんのセーラを励ますように強く言い放つ。
「う~ん、ロベリア嬢の行動の理由は分かったけど一緒にいる令嬢たちの言動に少し不審な点があるね。」
「不審な点?」
尋ねる私にのんちゃんはうなずきながら私たちを見回した。
「彼女の側にいて何か感じた事はない?」
皆んなが黙り込む中、ルルが人差し指をピンと立てた。
「彼女の周りにモヤが見えました。彼女の魔力とはチガウ。でも彼女を守ってる。」
ルルの言葉にのんちゃんは腕を組み考えこむ。
「な~堅苦しい話はこれくらいにして食事を楽しもうぜ。」
空気を全然読まないリークの言葉に従って私たちがひとまずランチを楽しむことにしたちょうどその時、アンディーブ様とエドワード王子が入ってきた。
「やぁ。今日は賑やかだね。」
アンディーブ様の笑顔にイライザが固まる。
「私たちもお邪魔していいかな?」
優しく尋ねるエドワード王子に向かってリークが空いていた自分の隣の席を叩く。
「兄貴、ここ、ここ。早く座れよ。」
エドワード王子は苦笑しながらリークの隣に座る。
「まったく、その言葉使い。やめなさいと言っているのに」
「ダメですよ、エドワード王子。そうやって注意すればするほど面白がってやめないんですから。」
リークはアンディーブ様に向かってニヤっとする。
「さすが次期公爵。聡明だな。」
「お褒めにあずかり光栄です。私にも愚弟がおりますので思い当たっただけのこと。」
チラッとのんちゃんに目を向けるアンディーブ様は珍しくいたずらっ子のような顔をしていた。
テーブルを囲む豪華な面々、イライザはいつもの十割増に大人しい様子でアンディーブ様といくつか会話をしているし、セーラはエドワード王子と書物の話題で盛り上がっている。リークはカストルと一緒にルルから帝国の話を聞いている。私はこの場にいる皆んなの楽しそうな様子を見回しながら学園に来て良かったと心から思ってのんちゃんににっこり笑いかけた。
約束通りご馳走になるランチを待ちながら私はついため息をはきだしていた。
「なんだよ、別のがよかったなら今からでも変えられるぞ?」
「違うよ。」
私は軽くリークを睨む。
「リークはあんな噂をたてられて気にならないの?」
「噂?あぁ、朝のやつな。早い段階で打ち消したから大丈夫だろ。」
リークは拍子抜けするほど気にしていないらしい。
「今回の噂は大丈夫だろうけど問題は彼女だよね。ロベリア・ハフス子爵令嬢。」
のんちゃんの言葉にイライザがうなずく。
「何故周りの方たちが彼女の話を聞くのか不思議ですわ。」
「彼女やハフス家を調べたけど不審な所は見当たらなかったしね。子爵夫妻の次女で幼い頃は病弱だったらしく姉も一緒になってみんなで可愛がり甘やかして育てたらしい。」
さすがのんちゃん。もうハフスさんのことを調べてるなんて。
「典型的なわがまま令嬢ですものね。
セーラさんに失礼な言動をしていたのだって…」
イライザは言いかけた言葉を飲み込んで同じテーブルに着くセーラに申し訳なさそうな目を向ける。
「どうか続けてください。この場にいらっしゃる皆様なら知っていていただきたいことですから。」
私たちがランチをしているこの部屋は王族専用の食事室。
訓練された給事以外が入ってくることもないし個人的な話をするには確かにピッタリの場所だ。
イライザは恐る恐るセーラのお兄さんがリド教に…というよりニリーナ様に入れ込んでしまい起きたスリジェ家襲撃事件をかいつまんで説明してくれた。
「ロベリア・ハフスさんはお兄様に憧れていたようですわね?」
イライザの言葉にセーラは小さくうなずく。
「はい、ハフス家とタシャナン家は同じ子爵家同士だったこともあり子供同士のお茶会などで頻繁に互いの家を行き来していました。
ロベリアさんは少しわがままな部分もありましたが根は優しくて人の陰口をするような子ではなかったのですが…
私のことが許せないのだと思います。憧れていた兄は捕らえられ、家族は皆罰を受けたのに私だけ爵位の高い養父様の元でぬくぬく暮らしていることが。」
「許す許さないなんて彼女には関係ないことですわ。」
イライザは俯きかげんのセーラを励ますように強く言い放つ。
「う~ん、ロベリア嬢の行動の理由は分かったけど一緒にいる令嬢たちの言動に少し不審な点があるね。」
「不審な点?」
尋ねる私にのんちゃんはうなずきながら私たちを見回した。
「彼女の側にいて何か感じた事はない?」
皆んなが黙り込む中、ルルが人差し指をピンと立てた。
「彼女の周りにモヤが見えました。彼女の魔力とはチガウ。でも彼女を守ってる。」
ルルの言葉にのんちゃんは腕を組み考えこむ。
「な~堅苦しい話はこれくらいにして食事を楽しもうぜ。」
空気を全然読まないリークの言葉に従って私たちがひとまずランチを楽しむことにしたちょうどその時、アンディーブ様とエドワード王子が入ってきた。
「やぁ。今日は賑やかだね。」
アンディーブ様の笑顔にイライザが固まる。
「私たちもお邪魔していいかな?」
優しく尋ねるエドワード王子に向かってリークが空いていた自分の隣の席を叩く。
「兄貴、ここ、ここ。早く座れよ。」
エドワード王子は苦笑しながらリークの隣に座る。
「まったく、その言葉使い。やめなさいと言っているのに」
「ダメですよ、エドワード王子。そうやって注意すればするほど面白がってやめないんですから。」
リークはアンディーブ様に向かってニヤっとする。
「さすが次期公爵。聡明だな。」
「お褒めにあずかり光栄です。私にも愚弟がおりますので思い当たっただけのこと。」
チラッとのんちゃんに目を向けるアンディーブ様は珍しくいたずらっ子のような顔をしていた。
テーブルを囲む豪華な面々、イライザはいつもの十割増に大人しい様子でアンディーブ様といくつか会話をしているし、セーラはエドワード王子と書物の話題で盛り上がっている。リークはカストルと一緒にルルから帝国の話を聞いている。私はこの場にいる皆んなの楽しそうな様子を見回しながら学園に来て良かったと心から思ってのんちゃんににっこり笑いかけた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
106
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる