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第三章 魔法学園

入部しました

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目の前で美少女にお願いされてしまうと断りづらい…

「分かりました。」

渋々うなずく私にアスターさんだけでなく他の三人も興味津々で集まってくる。

のんちゃんは部屋の入り口に立ち、

「いつでもいいよ~」

とまるでキャッチボールでも始めるかのような気楽さだ。

「仕掛けてもらった方がやりやすいんだけどな…」

小さく呟くと

「了解。」

言いながらのんちゃんがすぐそばまで迫ってきていた。


室内での戦いなら私が少しは有利かななんて自惚れてた。
のんちゃんは息も切らさずひょいひょい動き回って私を惑わせる。

「のんちゃん、なんか楽しんでるでしょう?」

大丈夫とは思うけどケガを負わせたりしないよう注意しながら扇子の飾り紐を操る。

「えぇ?当たり前じゃん。」

右へ左へかわしながらのんちゃんはニコニコしている。

「マリーと学園生活してるとやっぱり退屈とは無縁だろうなと思って嬉しくて。」

グッと紐を掴まれて手繰り寄せられたので身体がのんちゃんにのしかかるようにぎゅっと近づく。

「前より一緒にいられる時間が増えて嬉しいよ。休みの日にはデートもしようね。」

どさくさに紛れて頬にキスをされる。

皆んなが見てるのに、見てるのに!何考えてるの!

私は恥ずかしすぎて全力で紐を引き、のんちゃんはクルクルと回りながら弾き飛ばされる。
それでも嬉しそうに笑ってるけど…

「わぁ、二人ともすごい動きですのね。素敵だわ。」

アスターさんがスススっと近づき私の腕に手を置いた。

「是非、淑女暗器戦闘部への入部を検討してくださいな。」

「マリーは入学前から淑戦部に入るって決めてましたよ。」

のんちゃんの言葉にアスターさんの目が輝く。

「実際に見てますます入りたくなりました。是非入部させてください。」


「私も入部したい。」

黙って私とのんちゃんの戦いを見ていたルルが一歩前に出る。

「まぁ、大歓迎ですわ。嬉しいわね、ソリー」

ソリーさんは黙ったまま何度かうなずいた。

「私も入部したい気持ちはあるのですが、すでに他の部に入部しておりまして…」

「あら、部員でなくとも興味があれば遊びにいらして。いつでも歓迎いたしますわ。」

アスターさんの言葉にセーラが嬉しそうにお礼を言っている。

「セーラもう部活決めてたの?何部?」

気になってヒソヒソ聞いてしまった。

「先ほど入部したばかりなの。イライザ様に誘われて歴史研究部に…」

なるほど、イライザはルルの語学指導の傍らしっかりセーラを勧誘していたらしい。

「そちらの部活にも遊びに行って大丈夫だったら覗きに行くね。」

私の横でルルとのんちゃんもうなずいている。
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