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第三章 魔法学園
反省塔でもめてます
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ニリーナ様は獲物を捕らえた肉食獣のような鋭い眼差しに薄らと笑みを浮かべてベルン先生を眺めている。
「あんたが指導って名目で生徒を人目のないこの塔やら勝手に自分専用にした書斎やらに呼び出してセクハラまがいのことをしてんのは分かってんだよ?
証言も証拠もある。」
「証言?なっ、まさか…」
「あんた言ってたらしいね?自分にされたことを訴え出ても傷物になったと自ら触れ回るようなもんだって。確かに貴族令嬢にとって致命的だろうよ。令息にとってもね。
でもね、黙って泣き寝入るだけの生徒ばっかりじゃないってこった。」
はぁ、と理事長はため息をついてベルン先生を見つめる。
「前学園長のご子息と言うことで大目に見ている部分が多々あったことをもっと早く指摘するべきでした。」
「優秀な人物の息子もまた優秀たぁ限らないってね。」
「なっ、失礼な。いくら賢者でも言っていいことと悪いことがある。」
「へぇへぇ、そんだけ元気なら査問もさっさと始められるだろう。
下に迎えが来てるからおとなしくついていきな。」
「査問だと?私を誰だと思ってるんだ誰が私を裁くと言うんだ!」
「学園のお偉方連中にあんたの親父だよ。遠路はるばる呼び出されて高齢だってのにかわいそうにな。
そうそうクリアフォルト王弟やエシャルロット公爵も騒ぎを聞き付けてちょうど学園に来てるから非公式だけど参加するだろう。」
ベルン先生の顔は真っ青を通り越して真っ白になってきた。
「さっさと下に行ったらどうなんだい?待たせれば待たせただけ心証は悪くなる一方だよ。」
力が抜けたように座り込んで動かないベルン先生を理事長がそっと部屋の外へと連れ出す。
「あれの親父はねぇ、優秀な奴だったんだよ。学園長引退する直前も息子のことを学園に残すのは不安がってた。
何しろ学生時代から色々やらかしてたらしいからね。
そのたびにこの塔に入れて階段一段一段上らせながら反省させてたんだと。
んな周りくどいことさせるよりもっといい方法がありそうなもんだけどね。
できれば他の道で生きるように本人にも言ってたみたいだけどね。自分にも偉大な父の血が流れているはずだと意固地になっちまって。
結局教員じゃなく事務員補佐として裏方で働かせてたらしいけどさ。
どこの世界にもアホな奴を煽って面白がる人間ってぇのがいるんだよね。
いつの間にか先生って呼ばせ始めてそっからはもうやりたい放題だよ。
教員連中も頭は優秀でもそういうアホへの対応が下手すぎるしね。
だぁっから隙を突かれて変なのに入りこまれんだ。」
「変なの…ですか?」
ニリーナ様はジッと私を見る。
「お前おかしいと思ってないのかい?他の生徒たちの様子。」
言われてクラスメイトの様子を思い出す。
あの時は言われた言葉に傷ついて何も言えなかったけど確かに皆んな熱を帯びたどんよりした目をしていた。
「どうするね?やられっぱなしで後は大人に解決してもらうかい?
まぁそれも悪か無いけど。
面倒事はなるべく関わらないってぇのが私の信条だし?自分で立ち向かうべきだとかそういう説教たれるつもりもサラサラないしね。
ただむかっ腹立ってんなら腹ん中の言葉ぶつけちまったほうがすっきりはするけどね」
どうするね?もう一度そう問いかけるニリーナ様を私はサッと見上げた。
「あんたが指導って名目で生徒を人目のないこの塔やら勝手に自分専用にした書斎やらに呼び出してセクハラまがいのことをしてんのは分かってんだよ?
証言も証拠もある。」
「証言?なっ、まさか…」
「あんた言ってたらしいね?自分にされたことを訴え出ても傷物になったと自ら触れ回るようなもんだって。確かに貴族令嬢にとって致命的だろうよ。令息にとってもね。
でもね、黙って泣き寝入るだけの生徒ばっかりじゃないってこった。」
はぁ、と理事長はため息をついてベルン先生を見つめる。
「前学園長のご子息と言うことで大目に見ている部分が多々あったことをもっと早く指摘するべきでした。」
「優秀な人物の息子もまた優秀たぁ限らないってね。」
「なっ、失礼な。いくら賢者でも言っていいことと悪いことがある。」
「へぇへぇ、そんだけ元気なら査問もさっさと始められるだろう。
下に迎えが来てるからおとなしくついていきな。」
「査問だと?私を誰だと思ってるんだ誰が私を裁くと言うんだ!」
「学園のお偉方連中にあんたの親父だよ。遠路はるばる呼び出されて高齢だってのにかわいそうにな。
そうそうクリアフォルト王弟やエシャルロット公爵も騒ぎを聞き付けてちょうど学園に来てるから非公式だけど参加するだろう。」
ベルン先生の顔は真っ青を通り越して真っ白になってきた。
「さっさと下に行ったらどうなんだい?待たせれば待たせただけ心証は悪くなる一方だよ。」
力が抜けたように座り込んで動かないベルン先生を理事長がそっと部屋の外へと連れ出す。
「あれの親父はねぇ、優秀な奴だったんだよ。学園長引退する直前も息子のことを学園に残すのは不安がってた。
何しろ学生時代から色々やらかしてたらしいからね。
そのたびにこの塔に入れて階段一段一段上らせながら反省させてたんだと。
んな周りくどいことさせるよりもっといい方法がありそうなもんだけどね。
できれば他の道で生きるように本人にも言ってたみたいだけどね。自分にも偉大な父の血が流れているはずだと意固地になっちまって。
結局教員じゃなく事務員補佐として裏方で働かせてたらしいけどさ。
どこの世界にもアホな奴を煽って面白がる人間ってぇのがいるんだよね。
いつの間にか先生って呼ばせ始めてそっからはもうやりたい放題だよ。
教員連中も頭は優秀でもそういうアホへの対応が下手すぎるしね。
だぁっから隙を突かれて変なのに入りこまれんだ。」
「変なの…ですか?」
ニリーナ様はジッと私を見る。
「お前おかしいと思ってないのかい?他の生徒たちの様子。」
言われてクラスメイトの様子を思い出す。
あの時は言われた言葉に傷ついて何も言えなかったけど確かに皆んな熱を帯びたどんよりした目をしていた。
「どうするね?やられっぱなしで後は大人に解決してもらうかい?
まぁそれも悪か無いけど。
面倒事はなるべく関わらないってぇのが私の信条だし?自分で立ち向かうべきだとかそういう説教たれるつもりもサラサラないしね。
ただむかっ腹立ってんなら腹ん中の言葉ぶつけちまったほうがすっきりはするけどね」
どうするね?もう一度そう問いかけるニリーナ様を私はサッと見上げた。
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