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第三章 魔法学園
無邪気なホープにハラハラです
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アロイスの説明を聞きながら改めて偽ニリーナ様って何者なんだろう。とア然としてしまった。
自ら異空間を創り出してそこに精神体を閉じ込めることができるなんて…
アロイスが規格外で本当に良かったと心の底から思う。
そして、ホープとリーダー、他にもたくさんのヴェルフィアウルフとサバニアタイガーが彼女の実験のせいでひどい目に遭ったなんて許せない。
得体が知れない恐怖よりも今は怒りの方が上回っている。
「ひとつ疑問なんだが…」
アロイスがリーダーと知り合い絆を結んだ経緯を聞くとエライザ王妃が考え込んだ様子で声をあげた。
「リーダーとマリーの連れている…」
「ホープと名付けましたエライザ様。」
視線で尋ねられて急いで答える。
「ホープとリーダー、双方は創り出された存在とはいえ伝説の聖獣であることに変わりないのだろうか?」
この質問にアロイスは首をかしげているし、私もホープは否定してるけど本当のところはよくわからない。
「あたしゃ聖獣として認めたほうがいいと思うけどね。
他の仲間に比べて魔力量も知性も比べ物にならないほど高い。
野放しにしておける存在じゃないことは確かだ。
それに…
いくら寛容な神々でも自らの意思に反する存在が生まれることを良しとはしないだろう。
偽ニリーナが聖獣を生み出そうとし始めたのはずいぶん前からさ。
それが今になって成功してるのはやっぱりお前たちが関係してんだろうよ。」
フーッと吐き出された煙をホープが興味深そうに眺めている。
「聖獣に釣り合うものが現れたからこそ彼女の実験は成功したということか?」
陛下の言葉にニリーナ様は首を傾げる。
「さぁね、神々の崇高な考えがまるっと分かるわけじゃないからね。でもまぁ、何らかの意味はあるんだろうよ。
本来なら出会うはずのなかったコイツらが出会って、魔力の相性もピシッとハマってて」
(ホープ聖じゅじゃないけど聖じゅってこと?)
(う、うん。たぶんそうみたい。)
(ふ~ん。)
ホープはバサっと翼を広げて伸びをしてから私の左肩に頭をのせる。
(まぁ、どっちでもいいかな。
ホープはホープだし。マリーと一緒なら何でもいいよ)
かわいいなぁ、もう。
コツンと頭をくっつけてスリスリする。
周りが呆気にとられていて我にかえる。まずい、陛下たちの前だった。私たちの話すことは聞こえてないんだし突然変なこと始めたと思われたよねきっと。
真っ赤になって小さくなるとリーダーが私の前までちょこちょこと歩いてきた。
(なるほど、魔力が溢れて変異しないように新たに魔力を貯めることができる翼を加えたのか。奴らもなかなか考えたものだな。)
ジッとホープを見つめているリーダーから聞こえてきた声は年輩の男性…つまりお祖父ちゃんの声みたいでびっくりした。
(リーダーはホープとおんなじだけどすごく小さい。すごいね~)
ホープの言葉にリーダーはニヤッと笑ったように見えた。
(そなたと我では生きた時間が違いすぎる。まぁ、同じ変わり者同士協力していこう)
(仲良しになろうってこと?もちろん。よろしくねリーダー)
ホープが口を大きく開けてベロンっとリーダーの顔を舐めた。
小さなリーダーが飲み込まれるんじゃないかと私はヒヤヒヤだ。
(ホープ。体格差!体格差があるからね。
えっとつまりホープの方が体が大きいから気をつけて優しく接して!)
アロイスは毛が逆立ってしまったリーダーを見て笑い転げてるし、もう!笑ってる場合じゃないでしょ?
自ら異空間を創り出してそこに精神体を閉じ込めることができるなんて…
アロイスが規格外で本当に良かったと心の底から思う。
そして、ホープとリーダー、他にもたくさんのヴェルフィアウルフとサバニアタイガーが彼女の実験のせいでひどい目に遭ったなんて許せない。
得体が知れない恐怖よりも今は怒りの方が上回っている。
「ひとつ疑問なんだが…」
アロイスがリーダーと知り合い絆を結んだ経緯を聞くとエライザ王妃が考え込んだ様子で声をあげた。
「リーダーとマリーの連れている…」
「ホープと名付けましたエライザ様。」
視線で尋ねられて急いで答える。
「ホープとリーダー、双方は創り出された存在とはいえ伝説の聖獣であることに変わりないのだろうか?」
この質問にアロイスは首をかしげているし、私もホープは否定してるけど本当のところはよくわからない。
「あたしゃ聖獣として認めたほうがいいと思うけどね。
他の仲間に比べて魔力量も知性も比べ物にならないほど高い。
野放しにしておける存在じゃないことは確かだ。
それに…
いくら寛容な神々でも自らの意思に反する存在が生まれることを良しとはしないだろう。
偽ニリーナが聖獣を生み出そうとし始めたのはずいぶん前からさ。
それが今になって成功してるのはやっぱりお前たちが関係してんだろうよ。」
フーッと吐き出された煙をホープが興味深そうに眺めている。
「聖獣に釣り合うものが現れたからこそ彼女の実験は成功したということか?」
陛下の言葉にニリーナ様は首を傾げる。
「さぁね、神々の崇高な考えがまるっと分かるわけじゃないからね。でもまぁ、何らかの意味はあるんだろうよ。
本来なら出会うはずのなかったコイツらが出会って、魔力の相性もピシッとハマってて」
(ホープ聖じゅじゃないけど聖じゅってこと?)
(う、うん。たぶんそうみたい。)
(ふ~ん。)
ホープはバサっと翼を広げて伸びをしてから私の左肩に頭をのせる。
(まぁ、どっちでもいいかな。
ホープはホープだし。マリーと一緒なら何でもいいよ)
かわいいなぁ、もう。
コツンと頭をくっつけてスリスリする。
周りが呆気にとられていて我にかえる。まずい、陛下たちの前だった。私たちの話すことは聞こえてないんだし突然変なこと始めたと思われたよねきっと。
真っ赤になって小さくなるとリーダーが私の前までちょこちょこと歩いてきた。
(なるほど、魔力が溢れて変異しないように新たに魔力を貯めることができる翼を加えたのか。奴らもなかなか考えたものだな。)
ジッとホープを見つめているリーダーから聞こえてきた声は年輩の男性…つまりお祖父ちゃんの声みたいでびっくりした。
(リーダーはホープとおんなじだけどすごく小さい。すごいね~)
ホープの言葉にリーダーはニヤッと笑ったように見えた。
(そなたと我では生きた時間が違いすぎる。まぁ、同じ変わり者同士協力していこう)
(仲良しになろうってこと?もちろん。よろしくねリーダー)
ホープが口を大きく開けてベロンっとリーダーの顔を舐めた。
小さなリーダーが飲み込まれるんじゃないかと私はヒヤヒヤだ。
(ホープ。体格差!体格差があるからね。
えっとつまりホープの方が体が大きいから気をつけて優しく接して!)
アロイスは毛が逆立ってしまったリーダーを見て笑い転げてるし、もう!笑ってる場合じゃないでしょ?
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