一目ぼれした小3美少女が、ゲテモノ好き変態思考者だと、僕はまだ知らない

草笛あたる(乱暴)

文字の大きさ
48 / 221

休み?

しおりを挟む

 朝七時。岩田家キッチンけんリビングルーム。
 あたしはテーブルの上のおかずを前に朦朧もうろうとしていました。

「ご飯は? 愛里」

「あ……」

 兄さんに言われあたしは、千鳥足でキッチンに行き、お茶碗に炊き立てのごはんをよそい、ふわふわと兄さんに渡します。
 
「……これ。愛里のじゃないのか?」

「あ……ら……ほんと」

 自分の小さいお茶碗を兄さんに渡していたのでした。

「大丈夫か、調子悪そうだけど」

「うん。大丈夫よ」

「学校で何かあったか?
 はっ! まさか虐め。
 愛里は可愛いから、女子から嫉妬され……。言ってくれっ! 成敗してやる」

「そ、そんなのないって……。ははは」

「笑い声も元気がない……。隠しごとがあるんじゃ?」

 ドキ……!

「ないないないってっ! ほらもう食べましょ。いただきまーす!」

 不信な顔で箸を動かし、あたしをチェックしますが、気にせずあたしは食べました。
 昨夜は寝てないのです。
 原因は昨日のアレ、山柿さまの言葉。

『今夜、愛里の親に打ち明けるつもりだ』
『僕の気持ちを伝えたい。岩田と母親の前で土下座をする』

 やっぱり、あたしをお嫁さんに貰いたいと言っているしかなく、でも《おかしい、勇者さまには彼女さんがいらっしゃるのに、そんなわけあるわけないじゃない。変な考えダメダメ》と思ったりもして、でも、もしかしたら、今夜さらいに来るのではと、荷物をまとめて待ち構えていたのです。

 でも夜9時になっても来ない。
 10時11時と頑張り、夜の12時までは今夜なので、シンデレラサプライズを狙っているのかしらと、眠い目を擦りながら、羽根まで背負って待機し、気づけば朝でした。

 結局山柿さまは来なかった。
 おかしいと思っていた事がそのまま正解だったという落ち。
 これが美咲の《男に弄(もてあそ)ばれた》というやつ? 
 昼ドラのお話し? 
 兄さんの携帯が鳴り出し、会話を終えると。

「山柿のやつ。風邪引いて今日は学校を休むそうだ」

 そうかっ!
 寝込むほどの風邪だから、あたしをさらいに来たくても出来なかった……。
 なるほど、納得ですが喜んでいられません。

「大丈夫かな、来週の木曜日はK大入試だというのに……」

 そっちの方が大変。
 どうして風邪を引いたのでしょう。
 あんなに元気だったのに。

 特別激しい何か、無理したのでしょうか?
 変わった事といえば彼女さんくらい……あっ!
 ままままさか、別れた後、彼女さんとちくちく以上の凄いプレイを夜通しでされた?

「……、……」

 ないない。
 そんなのないっ! 
 眠いからついつい悪い考えばかり浮かんじゃう。 
 今はあたしに出来る、お役に立てる事を……。
 
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。

NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。 中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。 しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。 助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。 無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。 だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。 この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。 この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった…… 7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか? NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。 ※この作品だけを読まれても普通に面白いです。 関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】     【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~

紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。 そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。 大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。 しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。 フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。 しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。 「あのときからずっと……お慕いしています」 かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。 ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。 「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、 シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」 あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。

処理中です...