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対決

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 再び、キキン城・王の間。 

 キキン国王の見守るなか、刺し身対決は、あっけなく終了したよ。

 俺が出品した刺し身なんだけど、キキンの商店街にある雑貨屋さんで見つけた深い青色のお皿に、薄く削ぎ切りしたラミアフィニッシュの身を、花びらのように並べたよ。

 濃い青色、いわゆる藍色は、純日本って感じがして、日本の誇る刺し身で対決するんだったら、ぜひこの皿だと思ったのよね。
 それに盛ったラミアの白身を透かして、お皿の藍色がいい感じに栄えるんだよね。
 単に美味いだけじゃなく、食べる前に見て楽しむ刺し身。
 花びらのように盛り付けたのも、大昔の魚屋さんが培った刺し身の妙技、びを感じ取ってもらいたいのもあったね。

 色んな想いを込めた作品だったけど、それも、あんまり意味がなかったよ。

 何があったかって?
 俺とアシダダムの作品(刺し身)がテーブルに公開された途端、
 審査員の10名と、国王までが殺到して、俺の刺し身にオリーブ油をドバドバかけまくり、フォークで乱暴にすくい取るもんだから、自慢の盛り付けは、鑑賞する以前に、あっという間にグチャグチャになったね。

「見事じゃ、見事じゃ、ヒジカタの刺し身は美味いのお~♪」

 まあ、国王が喜んでるからいいか~。

 やっぱり刺し身は、箸で一切れづつ食べて欲しいな。
 箸が無理なら、せめて落ち着いて食べて欲しいよ。

 俺の刺し身を全部たいらげた所で判定が下された。 

 もう言わなくても分かるけど。
 アシダダムの造ったイワシの刺し身だけ、一口食べただけでそのまんまだもん。

 
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