陰からの護衛

グランラババー

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1章・幼少期

父親の醜聞

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本当なら詳しくも聞きたくないが、父親、いや、関係性を表したくないから、公爵と呼ぼう、公爵から屋敷を奪うため、脳のリソースの比率を元は9.9:0.1だったのを、9.5:0.5にする。もちろん、大きい方がハーウェザーとの会話ね。


ハーウェザーとまたまた、お茶会での詳しい会話を聞きながら、メイドの話を聞く。もちろん、メイドの話を聞くのは魔法をつかってね。俺の転移魔法を声だけを拾うように小さく転移門の形で展開して、その転移門のもう一方を俺の耳の近くで開く。これで、楽々に盗み聞きができるね。これの弱点は、魔法の展開が俺から離れすぎるとできないってこと。それでも、王都内ならどこでも盗み聞きし放題だからいいかも。あと、魔力感知が敏感な人だと、バレる。

「旦那様、今日も女性や男性相手にヤりまくってるんでしょ。連れて帰って来られると、その人の相手しないといけないから、嫌なんだよね。」

「分かるわ~。でも、たまにお綺麗な人とか、一夜の相手ありがとうってことでお金置いて行ってくれる人いるから、ラッキーな日もあるよね。」

クソくだらねぇ。公爵の下半身事情なんて、どうでもよかったわ。ちなみに、この世界魔法の不思議パワーで、男でも妊娠できるから。男でも女でも、種付けの可能性があるってこと。まあ、下半身が緩すぎるってことだね。でもね、王族に手を出したみたいな事実がなければ脅しに使えないんだよね。でも、これが王族側にバレると、純粋に俺の身もやばい。そうしたら、ハーウェザーの身もやばい。噂話では、あんまりいい情報がなかったね。ここは、定番の帳簿を拝見したほうがいいかもしれない。どうせ、金が足りなくて横領してるんだろうし。でもなぁ、もっと脅しにつかそうな...

「俺、ドーバン侯爵令嬢に紅茶をかけられたんです」

...え?
これは、ハーウェザーがいじめられたってこと?びっくりしすぎて、魔法解除しちゃったよ。俺の魔力が暴発して、時間が止まったのってぐらい、時が止まった。俺の中のだけどね。
だって、こんな可愛いハーウェザーを、いじめるなんて愚かなる行いをする人がいるとは思ったなかったんだよ。


いたとしても、それは害虫以外の何者でもない。殺るか?うん、殺ろう。
いや、まて。これはハーウェザーの問題だ。殺すことはほぼ決定だけど、しっかり報連相をしないと。

「ハーちゃん、あのさ、そいつ殺る?」

「えっと、、、あの、殺さないで下さい。そもそも、なんで殺すことになってるんですか?」

「え?、それはもちろんハーちゃんをいじめたからだよ。」

何を言っているのか。それ以外理由はないよ。そもそも、俺が自分の意思で人を殺すのは、今のところハーウェザーだけだからね。依頼だったら、バンバン殺すんだけど。

「あの、もしかして、俺のためですか?」

俺が相当不思議そうな顔をしていたのだろう。ハーウェザーは、彼なりに理由を考えたようだ。

「まあ、ハーちゃんのためって言えば聞こえばいいけど。極論ハーちゃんをいじめる奴に生きてる価値なんてないからね。自己満だよ。」

って言ったら、ハーウェザーはなんで言ったと思う。俺の為なんかに人殺しをしないで下さいだって。
こんな兄でごめんよ。俺には今のところ武力ぐらいしか誇れるものがないのだよ。
これから自己能力向上を努めるよ!!

「ハーちゃんが誇れる兄になるよ!」

自分の目標を他者に伝えるのは、目標を達成に大事だからね。しっかりと、ハーウェザーに意思表示をする。ハーウェザー的には、今の回答はお気に召さなかったようだ。「そう言うことじゃないんだけど」とか、「俺が兄様を守れるようになる」とか言っていた。

だがしかし!!
ハーウェザーをいじめた罪は消えぬ。
よって、ドーバン侯爵家の悪評を適当に流して、社交界で嫌煙されるがいい!!

「あっはっはっはっ!!」

おっと、高笑いが口に出ていたようだ。
ハーウェザーが俺を不安そうに見つめている。

「驚かせてごめんな」

「いえ、俺のせいで兄様がおかしくなってしまったのかと」

トゥンク

ハーウェザー相手に、二回目のトゥンクですよ。
あんなにクソみたいな母親がいるのに、こんないい子が育つなんて。
にいちゃんか嬉しいぞ。


こんなことしてたら、いい時間になってしまった。そろそろ、ハーウェザーと別れ、日課の訓練でもするか。

ハーウェザーと別れの抱擁を交わし、王都のブランド侯爵邸を離れた。
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