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しおりを挟むダンスが始まっても 、私達は会話もしなければ見つめ合うこともしない。
元々、好き合っていたわけでもないけれどそれなりに会話もするし、気の知れた仲 、だと私は思って接していた。
友情と少しの恋心を持って 、貴方を一生かけて支えていく覚悟を決めていたのに
それを貴方は踏みにじったのよ。
お互いに礼をして、それぞれに分かれる。
さあ、これからよ。
飲み物を手にして会場を眺めていると私の横にササッとやって来たのは、昔から親しくしている伯爵令嬢のナディア。令嬢らしからず明るくて男前なお嬢様。
「ラファエラ 、貴女の婚約者の噂が私の耳にまで聞こえてきているんだけれど、」
「みっともない噂を聞かせてしまってごめんないね。
私が至らなかったせいなのかしら、まさか殿下が他のご令嬢に気がいってしまわれるだなんて。」
そう言って憂いだようにため息をつけば周囲からはどよめきが起きた。
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